「ニュース・ステーション」との出会い

こんにちは。須賀潮美です。

今回は本格的に水中リポートを始めたテレビ番組
「ニュース・ステーション」について紹介します。

1985年10月、人気絶頂の久米宏さんをメインキャスターに、
「ニュース・ステーション」(テレビ朝日系列)が始まった。
「ニュース・ステーション」は「中学生でもわかるニュース」をコンセプトに、
専門用語は分かりやすくかみ砕き、フリップなどを多用し、
平日の22時からサラリーマンが帰宅後にゆっくり見られる
新しいスタイルの大型ニュース番組として、鳴り物入りでスタートした。

ところが、番組が始まった当初の視聴率は一ケタ台と惨たんたるもの。
番組の特徴の一つに、キャスターが自身の言葉で意見を言うことがあったが
「なぜアナウンサーが勝手な意見を言う」と抗議の電話が寄せられたこともあったという。

その頃の他のニュース番組は淡々とニュースが読み上げられるだけで、
キャスターが自身の意見を言うことはなかったため(今では信じられないけれど…)、
前例のないニュース番組は、まだ視聴者に受け入れられなかったのだ。

番組が低迷する中、起爆剤となった企画が”水中もの”だった。
番組スタートから3か月後の1986年の1月に「どっこい生きている東京湾」と題し、
ヘドロの海と思われている東京湾が実は豊かな海であり、
漁業が盛んに行われている様子や、
東京湾の海中で暮らすたくましい生き物を紹介する特集が放送されると、
初めて視聴率が10%を超えた。

「水中は数字がとれる!」ということから、第2弾として知床の流氷の海に潜る企画が持ち上がった。
東京湾の水中リポートは、東京湾の生物研究の第一人者であり
インストラクター資格も持つ東邦大学の風呂田利夫さん(現在は教授)が行った。

知床は、流氷で潜った経験があること、
女子大生というキャッチコピーが使えたこと(たぶん)などから、
私がやらせてもらえることに。

当時は大学4年生、卒業を間近に控え「ニュース・ステーション」と出会ったことで、
水中リポーターの道が開けた。

つづく

 

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