ダイビングフード特集

12月も終わりに差し掛かり、全国的にいよいよ水温も下がってくる中、今回は低水温でも快適にダイビングを楽しむためのマストアイテム、ダイビングフード(フード)をピックアップしスポットを当ててみようと思う。意外と知らないフードの仕組みや役割、そしてバリエーションと特徴について、ダイビングスーツメーカーとしてプロダイバーからも絶大な支持を得る、ワールドダイブ株式会社の丹野さんと金津さんにお力添えを頂きながらまとめてみた。本記事により、フードの新たな一面を発見し、自分に合ったフードを見つける一助になると嬉しい。

左:丹野さん 右:金津さん ワールドダイブ株式会社にて

そもそも“フード”とは!?

さっそく、フードについてワールドダイブの丹野さん、金津さんにお話を伺った。

——-フードとは、そもそもどういったアイテムを指すのでしょうか。

丹野さん「ダイビング中に頭にかぶる、保温・保護を目的としたアイテム全般を指します。一般的には、ダイビング用スーツと同じ種類のクロロプレン(ネオプレン)生地を使って作ったものが多いですね。「ドライフード」と呼ばれることもありますが、この場合は、ただ「ドライスーツと合わせるフード」という意味で使われていて、実際にはドライスーツのような防水性はないんです」。

——-てっきりドライスーツのように濡れないものだと思っていました。

丹野さん「保温の仕組みはウエットスーツと同じです。フードと頭の間にある水を体温で温めることで頭部を保温しています。どうしても、冬に使うものというイメージがあるかもしれませんが、本来は1年を通して使えるアイテムと思っていただいて構いません」。

コラム:フードの役割
■保温
水中では、陸上の約25倍もの速さで体の熱が奪われるため、ダイバーはウエットスーツやドライスーツで体温の低下を予防、もしくは体温を保持する必要がある。中でも、体の中で一番熱が逃げやすい場所が頭部。他の体の部位よりも皮膚が薄く脂肪や筋肉がつきにくいためと言われている。数値で表すとなんと約75%もの熱が頭部から逃げているというから驚きだ。だからこそフードを被ることで、体温の低下を防ぎ、快適にダイビングを楽しめるのだ。

また、寒くなると体がブルブル震えるのは、失った体温を取り戻そうと、体がエネルギーを使って体温を上げようとする生理作用から。この状態になると、体温だけでなく体力まで奪われていってしまうため、無駄な体力ロスを避け、安全で快適にダイビングを楽しむためにも、フードでより強固な防寒対策していきたいところだ。

■保護
フードの2つ目の役割は、“頭部の保護”。生地がクッションとなり、岩や器材との物理的な衝突から身を守ってくれる。カメラや生物に気を取られて岩の天井に頭をぶつけたり、はたまた他ダイバーの器材にぶつかったりということもあるかもしれない。また、物理的な衝突だけでなく頭皮や髪を紫外線や海水から守る役割も。一見地味だが、長くダイビングを楽しむ為には見逃せない部分である。

フードのバリエーションと特徴

では、「さあフードを選ぼう」という段になって分かっておきたいことは、実際にどんなフードがあって自分は何を選べばいいのかということ。そこで、ワールドダイブの5つのフードを例に、バリエーションとそれぞれの特徴をまとめさせていただいた。自分の用途に合わせてお気に入りを選択してみよう。

テープ巻き

特徴:フードの中で最もスタンダードなタイプ。顔面周りの切り口が、ウエットスーツの手足首と同じようにテープ巻きで補強してあるのが特徴。

ゴム巻き

特徴:顔面周りの生地の裏側がスキン素材になっているタイプ。スキン素材が素肌とダイビングマスクのスカート部分にピタリとフィットするので、水の侵入を抑え、テープ巻きに比べ保温性が高い。ただし、スキン素材はデリケートな素材なので爪など鋭いものには注意が必要。

アジャスタブルフード

特徴:首元がベルクロ※になっているため着脱がしやすく、グローブを着用した手やかじかんだ手でも開閉しやすいのが特徴。また、首周りの密着度合いを微調整できるので、快適なフィット感を得られる。
※面ファスナーの商標の一つ。日本では「マジックテープ」の商標が有名。

アイスフード

特徴:スキン素材のフェイスシールで口から頬までをカバーするタイプ。密着度を高め肌の露出部分を最小限にした、流氷ダイビングなどに最適の極寒地用フード。ダイビングマスクをスキン素材の上から装着することで、水の侵入を防いでいる。

SCDフード

特徴:スーパーコンフォータブルデザイン(超快適)の頭文字をとったワールドダイブの定番フード。首元に、伸縮性に優れた素材を使うことで、フードの悩みである着脱のストレスを軽減してくれる。テープ巻き、ゴム巻きの2タイプがある。

フードの生地

——-フードの生地はどういったものがあるのでしょうか。

金津さん「フードはダイビング用スーツと同じクロロプレン生地を用いたものが多いとお伝えしましたが、一口にクロロプレン生地と言っても、表面がジャージのもの、起毛素材のものと様々です。弊社のフードは3GF、3FE、3.5GMEという3種類から、自分のダイビングスタイルに合わせて選んでいただけます」。

■3GF
厚さ:3㎜
表:グロッシーファイバー(ライクラ)
裏:スタンダードジャージ
ワールドダイブフードのベーシックな生地。表のジャージは発色が良く耐久性に富むグロッシーファイバーというジャージ素材。

■3FE
厚さ:3㎜
表:ファブロスファイバー
裏:マルチエラステックス(起毛素材)
ウェットスーツで使用されるストレッチ性の高い生地。表は伸縮性と耐久性に優れたファブロスファイバーというジャージ素材。裏はワールドダイブ独自の起毛素材「マルチエラステックス」。保温性はもちろん、肌触りが良く、長年使用しても保温性を損なわない。

■3.5GME
厚さ:3.5㎜
表:グロッシーファイバー
裏:マルチエラステックス(起毛素材)
ドライスーツで使用される高性能生地。表のジャージは発色が良く耐久性に富むグロッシーファイバー。裏はワールドダイブ独自の起毛素材「マルチエラステックス」保温性はもちろん、肌触りが良く、長年使用しても保温性を損なわない。

ワールドダイブが勧める一押しフードはこれだ!

——-本来なら用途に合わせてフードの形や生地の種類、厚みを変えて何着か持っておきたいところですが、「これ一枚持っておけばOK!」というオールマイティなものを選ぶとしたら一押しの組み合わせはどれでしょうか。

金津さん「日本海外を含めた海でオールシーズン対応すると考えると、保温性と耐久性を重視し、厚みは3mm以上、裏起毛の生地で作られたフードでしょうか。暑ければ脱いだり、水を入れることで対処できますが、寒いとどうにもならないので。商品ですとSCDフードシリーズの3.5GMEタイプがおすすめです」。

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番外編その1:遊び心を忘れない!こんな面白フードも

実用性だけでなくデザイン性高い愛らしいフードも。「くま」や「ねこ」といったアニマルデザインやゆるキャラなどの人気者モチーフを頭につければ、テンションアップで寒さも吹き飛ぶかも!?

アニマルフード:くま

アニマルフード:ねこ

インパクト大なアニマルフードシリーズ。人気の「くま」や「ねこ」の他にも「にわとり」「うさぎ」「かっぱ」タイプがある。

熊本のゆるキャラ“くまモン”のフード。写真のテープ巻きフードの他にアジャスタブルフードもある。

番外編その2:オシャレなキャスケット

「フードによる圧迫感が苦手」「フードでの耳抜きが苦手」そんな声にこたえ、フードの番外編としてキャスケットタイプも。フード全体は両面スタンダードジャージのクロロプレン生地なので保温効果も確保しつつ、耳の部分はメッシュ素材で耳抜きがしやすいようになっている。従来型のフードが苦手な方や、比較的水温が高いシーズンでの保護と体温低下の予防をしたい方におすすめ。フードを着用した写真をSNSにアップしたくなるような、プリント柄をうまくアレンジした高いデザイン性も特徴。

一口にフードといっても、フードの形や生地の種類、厚さを選んでいけば、パターンは幾通りもある。どんなダイビングシーンで使用するか具体的に思い描いてから、選んでいくのが良いかもしれない。

ちなみに今回ご紹介したフードは、カタログ掲載の商品のみだが、オリジナルフードの作成も可能とのこと。自分の好みに合わせて、世界に一つしかない自分だけのこだわりフードを作ってみてはいかがでしょう。皆さまがこれからのシーズンも快適にダイビングを楽しめますように。

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PROFILE
アウトドアレジャー予約サイトの取材ライター出身。いままでに取材した日本全国のアウトドアカンパニーは130社ほど。ネットワークを活かした記事作りが得意!?かもしれない。一番好きなアクティビティはダイビング!とは言い切れないかもしれない。
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