激レア深海魚5連発! 一味違う今年の西伊豆をガイド兼水中映像クリエイター村井ちゃんに聞く

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冬の西伊豆といえば深海魚。毎年12~1月にかけてリュウグウノツカイの幼魚やキアンコウといった深海魚が水面近くや浅瀬でよく観測されている。中でも、2月に激レア深海魚「リボンイワシ」を撮影した「ダイビングサービスむらい。」の村井智臣(ともおみ)氏(以下、村井ちゃん)にお話を伺うと、どうやら今年はレアな深海魚の目撃率が高いそう。さらに、例年1月くらいまでが深海魚がよく見られるシーズンなのだが、今年は3月もまだまだ見られているそう。これはまだ見られるチャンスがあるかも…?!

今回は村井ちゃんが今年見たという激レア深海魚を、村井ちゃんが描いたイラストと撮影した動画でご紹介。深海魚を探すちょっとしたコツも!

まずは今年見られた深海魚たちを紹介。やはり大瀬崎が一番よく見られたそうだが、黄金崎などでも目撃情報が。

サメハダホウズキイカ


目が飛び出ているのが特徴のサメハダホウズキイカの一種が大瀬崎で2月21日に観測された。体長は2cmほどとそれほど小さくはないが、透明で撮影に苦戦したとのこと。

ホテイエソの稚魚


2月27日にはホテイエソの稚魚が。3~4cmくらいの稚魚は珍しいとのこと。

ユウレイイカ


3月も半ばに差し掛かろうとする大瀬崎で見られたというユウレイイカ。水深3mほどの水底で、体長50〜60cmにも及ぶ透明なユウレイイカを発見したそう。成体は村井ちゃんも初めて見たそうで、映像には脚の発光器までくっきりと収められている。

テンガイハタ

3月末に黄金崎に現れたのは3〜4cmほどのテンガイハタの幼魚。この子もなかなかレアだ。

生きている姿は世界初!リボンイワシ


「生きている姿が確認されたのは今回が世界初」という激レア深海魚リボンイワシ。2月に大瀬崎の水面で発見されたそう。研究者によると、リュウグウノツカイのレア度が星1つだとしたら、リボンイワシは星5つと言われるほど。

クラゲが多い日を狙え? 深海魚の見つけ方

あまりの深海魚との遭遇率の高さに「今年はもってる」という村井ちゃん。しかし、よくよく話を聞くと、どうやら本当にたまたまというわけではなさそうなので、見つけるコツを聞いてみた。

スイカ

そもそもなんで西伊豆のあたりは深海魚が見られるんでしょう。

村井ちゃん

詳しいことはわからないけど、風向きとか潮の流れとはよく聞くよねー。黒潮が伊豆に近いと深海魚が上がってくるとも言われてて、確かに今年は黒潮が近かったかな。

スイカ

そうなんですねー! こういう日はよく見られるとかあるんですか?

村井ちゃん

たまに沖にいるクラゲがドサーッと湾内に入ってくる時があるんだけど、そのクラゲの群れに深海性の浮遊生物がくっついてくるんだよね。ユウレイイカを見た日も、怪しい潮が入っていて、クラゲが湾内にたくさん入ってました!

スイカ

なるほどー。他にもコツはあるんですか?

村井ちゃん

水面や中層を意識的に見るといいかも!安全停止の時に水深2~3mあたりを注意してじーっとみてると浮いてたりします。

スイカ

確かに、水面を意識的に見るってあまりないので、注意して見たら何か見つかりそうですね。

スイカ

もうそろそろ時期的には深海魚は減ってしまいますか?

村井ちゃん

そうだねー。水温が低い時に出やすいから減っちゃうかもしれないね。でも、すぐに水温が上がるわけではないから、チャンスはゼロじゃないよ!

スイカ

ありがとうございます!

深海魚で賑わう西伊豆の海。まだチャンスはありそうなので、気になる方は探しに行ってみては。これからの季節は小さいカエルアンコウが増えたり、6月後半にはアオリイカの産卵も見られたりと、見どころもたっぷりなので、ぜひ足を運んでいただきたい。

もっと村井ちゃんの伊豆の生き物の話が聞きたい!という方はYouTube「むらいの水中チャンネルUNDERWATER-WORLD」へ。毎週火曜日ライブ配信。

村井智臣さん
   
伊豆でのガイド歴27年、現在はダイビングサービスむらい。のオーナーガイド。村井ちゃんの愛称で親しまれ、老若男女問わずファンが多い。伊東を拠点とし、東西南を問わず伊豆のさまざまな海を潜っている。生物にも詳しく、確かなガイド力でナビゲート。底抜けに明るいキャラクターと、かわいらしいスレートの会話&生物のイラストも魅力。

▶ダイビングサービスむらい。HP

   

 

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PROFILE
IT企業でSaaS営業、導入コンサル、マーケティングのキャリアを積む。その一方、趣味だったダイビングの楽しみ方を広げる仕組みが作れないかと、オーシャナに自己PR文を送り付けたところ、現社長と当時の編集長からお声がけいただき、2018年に異業種から華麗に転職。
営業として全国を飛び回り、現在は自身で執筆も行う。2020年6月より地域おこし企業人として沖縄県・恩納村役場へ駐在。環境に優しいダイビングの国際基準「Green Fins」の導入推進を担当している。休みの日もスキューバダイビングやスキンダイビングに時間を費やす海狂い。
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