ダイビング器材をすんなり背負う方法 基本編 ~週刊スキルアップ教室 第5回~
“強引”はギックリ腰のもと
10キロも20キロも重さがあるタンクを装着したダイビング器材を背負う動作は、慣れていないと重労働に感じてしまうかもしれません。
腕力で強引に引き上げようとしても疲れるだけで、「ダイビングって大変だな~」ということになってしまいがち。
最悪、ギックリ腰……なんてことも実際にあります。
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バディに背負うのを手伝ってもらうのがベストですが、実際問題、一人で背負うような場面はよくありますので、一人でも背負えるようになっておくにこしたことはありません。
ダイビング器材を一人ですんなり背負うには、力よりもコツが重要。
倒れた大型バイクを非力な女性がひょいと起こしてしまうように、腕力に頼らず、力をかけるポイントや全身の力を効率よく使うコツが大事です。
そんなすんなり器材を背負う方法をご紹介します。
段差を利用してすんなり背負う
地面に置かれたダイビング器材を持ち上げる動作は、背負う上でもっとも力を使い、支点となる腰に大きな負担がかかります。
ですから、なるべく腰だけに負担がかからず全身の力を使って背負えるコツを身につけたいところですが(次回)、その前に、もっと簡単な方法があります。それは、
「持ち上げない」
具体的には段差の上にダイビング器材を置いて、すでに持ち上がっている状態にしてから背負えばよいというわけです。
「結局、段差の上に器材を持ちあげなければならないので、背負うのと同じじゃないの?」と思うかもしれませんが、背中に背負うために持ち上げるより、器材を正面から両腕で段差の上に持ち上げる方がはるかに楽です。
また、地面から背負う場合は「持ち上げつつ着る」という動作ですが、一旦段差に置いてから着る動作は、「持ち上げる」「着る」という2つの動作に分けることができるので、落ち着いて、すんなり背負うことができるのです。
◎手順とチェックポイント
まずは、段差の上にタンクと器材を持ち上げて置き、BCに腕を通して着ます。
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背中にタンクを背負う(乗せる)ようにしながら立ち上がります。
腰だけでなく、脚力、上半身の力も使うことができ、何より、地面から持ち上げない分、省エネです。
※段差が二段あると、イスのように座ることができるとさらに楽ちん。
やはり、背負うように立ち上がります。
ビーチだけでなく、ボートでは船のヘリを使うなど、腰をかがめないよう、とにかく段差を利用することがダイビング器材を楽に背負うコツと言えます。
船上など段差が不安定な場合、タンクが倒れたり落ちたりしないよう、バディに支えてもらうとよいでしょう。
バディも地面から背負わせてあげるより、はるかに楽なお手伝いです。
応用編
段差が見当たらない場合、自らのヒザを段差として使う方法があります。
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ダイビング器材をすんなり背負うためには、まずは、段差を利用して、“持ち上げる動作を省エネする”ことが大事です。
※次回は、応用編。地面から直接背負う方法をご紹介します。