高性能ストロボやSONY A7CⅡ対応軽量ハウジングなど、AOIの新製品が遂に日本上陸
2025年1月頃からAOIの新製品情報を目にする機会増え始めましたが、国内での購入が困難な状況が続いていました。海外サイトでの販売開始後、「なぜ日本では発売されないのか」といったお問い合わせを多数頂戴する状況でした。海外の電気製品の輸入には、安全性の確保のため法律で定められた基準が存在するため、さまざまな理由が挙げられます。特に水中ストロボにおいては、日本で馴染みの薄いリチウムイオンバッテリーを指定バッテリーとしていたり、その確保が困難であったりするなど、多くの制約がありました。しかし、8月に入り、いくつかのハードルを克服したことで、ようやく販売が可能に。そこで今月の連載では、2025年AOI新製品のラインナップを紹介します。
目次
超高性能水中ストロボ AOI UIS-P1

AOI UIS-P1
現在、日本で最も人気のある水中ストロボであるAOI UCS-Q1RCの基本技術を継承しながら、広角撮影に適した大光量リングチューブフラッシュを採用し、水中でのストロボ照射角150度を実現した、ワイド撮影に最適なストロボです。また、3000ルーメンCOBライトを内蔵し、ビデオライトとしても高スペックです。
標準アクセサリーとして同梱されるディフューザーは、光出力を柔らかくし、広範囲に光を均一に拡散します。別売アクセサリーとして、照射角を狭くして光量を増強するリフレクターリングや、光漏れを制限し、後方散乱を低減するレデューサーリングも用意されています。
AOIのストロボと聞くとOM SYSTEM社専用ストロボと認識される方も少なくないと思いますが、AOI UIS-P1はSONY TTLやTTL HSS、M-HSSにも対応しており、新たなユーザー層への訴求も期待できます。この夏、同時にデビューするSONY A7CⅡ&A7CR用ハウジングにも適合し、OM SYSTEM、SONY製カメラを使用したハイスピード・シンクロでのストロボ撮影が可能になりました。
AOI UIS-P1を使った作例

撮影システム AOI UH-A7CⅡ+ AOI UIS-P1×2(シンクロケーブルは必要です)
超広角ストロボなら見たままの風景を再現する。


撮影システム AOI UH-OM1+ AOI UIS-P×2(シンクロケーブルは必要です)
大光量超広角ストロボなら、距離がある被写体へも均一な配光が得られる。
AOI UIS-P1の仕様と機能
AOI InTeLi™モード(インテリジェント自動調光モード)
- ソニーTTLおよびi-Macro
- TTL HSSおよびM-HSSモード
- OMシステムRC TTLおよびi-Macro
フルマニュアルモード
- 0.5段刻みFULL〜1/64の10段階マニュアル発光
- プリ発光キャンセルON/OFF選択可能
ストロボ性能
- 150Wリングフラッシュ / 照射角度150度
ライト性能
- 3000ルーメンCOBライト
- 演色評価数 (CRI): 90
- 調整可能な電力レベル: 100%、50%、25%
- シャッター連動自動消灯フォーカスライト機能
- 照射角度: 90度
使いやすさを追求した機能
- ストロボオペレーションのOMSYSTM or SONYの色別モード表示
- 現在のモードを表示
- TFT LCDディスプレイ / 表示角度自動回転表示機能
- InTeLi™ ModeによりTTL自動調光された発光量の表示
- マニュアル発光時 / 発光可能数の表示
- 触覚的&直感的なノブとボタンのコントロール
- 耐水圧 100m
- フラッシュリサイクル時間: 1.8秒 (フルパワー)
- スリープ、AUTO OFFの調整可能
その他の仕様
- 材質: マリングレードアルミニウム合金、グラスファイバー&ポリカーボネート
- 浸水が発生した場合に電気部品を水による損傷から隔離するための密閉されたバッテリーチャンバー。
- バッテリー: 専用20A/21700充電式リチウムイオンバッテリー 2本 (別売/フィッシュアイ社)

TFT表示がストロボの位置や角度が変わっても常に水平を保つ機能が備わる

現在の発光モード表示にプラスしてマニュアルの場合は発光量と発光可能枚数、TTLの場合は自動調光した発光量を表示
価格
- オープンプライス
SONY TTL、TTL HSS に対応!
ハイブリッドストロボAOI UCS Q1i

AOI UCS Q1i-WHT & AOI PSS-Q1-01

AOI UCS Q1i-BLK & AOI PSS-Q1-01
AOI UCS Q1RCの性能をそのままに、OM SYSTEMとSONYカメラに対応したハイブリッドストロボ「AOI UCS Q1i」。
UCS-Q1iはAOI InTeLi™を継承し、従来のS-TTLまたはTTL機能を上回り、複数のカメラシステムにおいて正確で一貫したTTL露出を実現します。また、搭載されるi-Macroモードはカメラ設定にインテリジェントに適応し、マクロ撮影時の光出力を最適化することで、マクロ&フラッシュ撮影を簡単に洗練させます。UCS-Q1RCがOMSYSTEMに特化したストロボに対し、UCS-Q1iはUIS-P1と同様にSONY TTL、TTL HSSモードをサポートしています。このクラスのストロボでは、OM SYSTEMとソニーのカメラ使用時にハイスピードシンクロ撮影が可能な唯一のストロボと言えるでしょう。AOI UCS Q1i ならTGシリーズ、OM-D、SONYαなど、多種多様なカメラへの対応が可能になりました。新型ストロボの発売キャンペーンで限定カラー&デザインのシリコンスリーブが個数限定でプレゼントになります。
AOI UCS Q1iを使った作例


撮影システム AOI UH-A7CⅡ+ AOI UCS-Q1i×2 (クローズアップレンズUCL-09PRO使用)(シンクロケーブルは必要です)
SONY A7CⅡのレンズキットで撮影した作品。エントリーモデルとはいえ。流石、フルサイズだけあって背景のボケが美しい。発色も透明感があって好感触。
AOI UCS Q1iの仕様と機能

価格
- オープンプライス
AOI Q1シリーズ専用シリコン
「Protective Silicone Sleeves」

UCS-Q1シリーズストロボ用の鮮やかな保護シリコンスリーブ「Protective Silicone Sleeves」。今までにないカラフルな新しいアクセサリーは、水中での保護と同時に個性の演出も楽しめます。
UCS-Q1、UCS-Q1RC、および最新の UCS-Q1i モデルを含む UCS-Q1 シリーズにぴったりとしっかりとフィットするように設計されたこれらの耐久性のあるシリコンスリーブは、 傷、擦り傷、軽微な衝撃からストロボを保護し、耐久性をアップさせます。
洗練された外観を維持しながら大胆で鮮やかな6色からお選びいただけます。 ネオンピンク、オレンジ、イエロー、ライムグリーン、アクアブルー、グラファイトグレーなど、保護するだけでなく、ユーザーは水中撮影機材セットに個性的なカラーを楽しむことができます。

AOI PSS-Q1-01-PNK

AOI PSS-Q1-01-ORG

AOI PSS-Q1-01-YEL

AOI PSS-Q1-01-GRN

AOI PSS-Q1-01-AQA

AOI PSS-Q1-01-GRY2
価格
- オープンプライス
コンパクトで軽量!
SONY A7CⅡ & SONY A7CR 用水中ハウジング

AOI UH-A7CII-BLK

AOI UH-A7CII-WHT
ソニーα7C II専用に設計された、コンパクトかつ最軽量のフル機能水中ハウジング「AOI UH-A7C II」が、このたび日本国内でも発売となります。
小型軽量でありながらフルフレーム性能を求める写真家の要求を水中ハウジングにも反映した「AOI UH-A7C II」は、プロの水中写真撮影をより身近に体験することを可能にします。
水中ハウジングの日本市場において現在人気No.1のOM SYSTEM OM-1用ハウジング「UH-OM-1」に搭載されたコンパクトなマルチファンクションユニットと同様、バキュームリークシステム、モイスチャーセンサー、HSS対応ストロボ発光LEDを一体化した電子コントロールデバイスを踏襲しています。
今回目新しい機能としては、カメラとハウジング間の信号伝達がコードレスになった点が挙げられます。また、ソニーα7C IIのズームレンズキットに付属するフルサイズEマウント用標準ズームレンズ「FE 28-60mm F4-5.6」を即使えるよう、レンズポートとズームギアをスタンダードアクセサリーとして付属します。
ソニーα7C II&FE 28-60mm F4-5.6と「UH-A7C II」ハウジングを使ったキットレンズでどこまで撮影できるのか、詳しくは2025年6月に公開された記事をご覧ください。
従来にないスタイリッシュで軽量&コンパクトなトレイ「AOI MDS」との組み合わせでは、斬新なデザインで思わず欲しくなる水中撮影システムとなっています。
ボディカラーはホワイトとブラックの2色をご用意しています。価格はオープンプライス。

コードレスの接続 ハウジング↔︎カメラ

ホットシューコネクターHSC-03をセット

ハウジング側にある電子接点と結合する

光ファイバーケーブルは613芯高伝導率タイプを使用する
自動調光はAOI UCS-Q1i,AOI UIS-P1/ SONY TTL搭載ストロボのみ。マニュアル発光では、トリガーシグナルをLED発光させることが可能なのでAOI UCS-Q1RC、他社ストロボにも対応する。

バキュームバルブは標準装備。新型ポンプも同梱される

暗闇で光る蓄光シールはユニークなアイデア


清水オリジナルセットアップ例
AOI MDSシステムに少し手を入れて清水オリジナルでUH-A7CⅡをセットしてみました。 SONY A7CⅡとAOI UH-A7CⅡとのテスト撮影で使用するアクセサリーを色々とチューニングを試行錯誤して行き着いた水中撮影用のベーシックモデルです。

清水がテスト撮影で使用したUH-A7CⅡのスタンダードセット
AOI MDSシステムに延長パーツとカメラ台固定ネジを追加。ハウジング上部をMDSと固定させるパーツAOI STB-02も製作してもらった。大型のレンズではレンズポートが重くハウジング底部の台座だけでは支えられないと判断。

SONY TTLに対応したAOI Q1iを2灯で展開したモデル
HSSモード対応。高速シャッター時にもストロボが使えるので、動きの速い被写体への撮影が楽しみになる。

FE 14mm F1.8 GM SEL14F18GMを収納するポートAOI DLP-104 & ER-AX_AX-40をセットしてハイスペックな新型ストロボAOI UIS P-1を2灯システムで組み上げた。ビデオライトとしても機能するAOI UIS P-1なら静止画&動画ともに楽しめる。

撮影システム AOI UH-A7CⅡ& FLP-101+ AOI UCS-Q1i×2
水深-49mでの深深度撮影テストで撮影したアケボノハゼ。AOI Q1iとの組み合わせならストロボの発光量調整をカメラに手を伸ばさずにカメラ側で自在にコントロールが可能。敏感なハゼを脅かさずに撮影が可能になる。

SONY FE90mmF2.8Macro G OSS Gレンズを使った撮影
さすが!フルサイズ。当たり前ですが、高精細でディテールがクッキリと見れます。水中ホワイトバランス搭載なんですねA7CⅡ。多くのレンズを収納できるようにレンズポートも豊富に準備されているのには驚きです。
以上で、2025年上半期にAOIより発売された新製品のご紹介を終了いたします。
今回の商品は発売されたばかりのため、供給量が限られております。また、為替レートの変動や他国の関税の影響もあり、当面の間、価格はオープン価格とさせていただきます。
販売店および導入をご検討中のユーザー様には、ご不便をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げます。製品にご興味をお持ちのお客様には、清水のプライベートレッスンにてテスト機ではございますが、お試しいただく機会を設けさせていただきます。
清水氏の水中撮影教室でもっと学びたい方はこちら↓
▶︎マリーンプロダクト水中撮影教室
ミラーレス一眼 水中撮影徹底ガイドby清水淳(連載トップページへ)
- デジタル一眼レフ・ミラーレス一眼・コンパクトデジカメの違いとは?
- 水中撮影にミラーレス一眼は本当に良い?初心者スイカが試した感想と清水氏の解説
- ミラーレス一眼で水中マクロ撮影にチャレンジ!操作は手軽、画質もキレイ、苦労した点は?
- ミラーレス一眼OLYMPUS PENの新型EPL-10用ハウジングセットアップ解説
- 【決定版】ミラーレス一眼「OLYMPUS PEN E-PL 9/10」を水中撮影に使う時のカメラの設定を徹底解説
- 【新製品レビュー】11/18発売ミラーレス一眼OM SYSTEM OM-5を水中撮影レビュー
- ミラーレス一眼OM-1に任せてメキシコ・セノーテを撮影! 作例&撮り方大公開
- ミラーレス一眼「OM SYSTEM OM-1」の水中マクロ撮影
- ミラーレス一眼でホエールスイム撮影! OM SYSTEM OM-1を使用した撮影システム、設定、コツを紹介
- ミラーレス一眼「OM SYSTEM OM-1」の水中ワイド撮影
- 水中撮影機器メーカーAOIの2023年新作ハウジング、レンズポートとは? 水中写真家・清水淳が解説
- ギンガメアジの群れ@粟国島を簡単キレイに撮影するには? 清水淳が徹底解説
- 絶景!渡名喜島の緑の絨毯とオレンジ色の小さな魚の群れをミラーレス一眼で撮影解説
- 初めてのミラーレス一眼におすすめのOLYMPUS EM-10MarkⅣとAOIのNEW水中ハウジング使い方徹底解説
- 水中マクロ撮影ビギナーにおすすめのマクロレンズと撮影方法 ミラーレス一眼徹底解説
- GoPro用マクロレンズ「AOI UCL-03」が登場 GoPro水中撮影は新たな領域へ!
- 動きが速い被写体のマクロ撮影〜マシンガン・マクロシューティング〜
- AOIの新製品情報 メタル製GoProケース他2点を水中写真家・清水淳が解説
- ミラーレス一眼被写体別撮影テクニック「ウミウシ」の撮り方 前編
- ミラーレス一眼被写体別撮影テクニック「ウミウシ」の撮り方 後編
- ミラーレス一眼被写体別撮影テクニック「ニシキテグリ」[前編]
- OM SYSTEM 「OM-1」と「OM-1MarkⅡ」 水中撮影での進化徹底解説
- ミラーレス一眼被写体別撮影テクニック「ニシキテグリ」[後編]
- ミラーレス一眼被写体別撮影テクニック「ケーブ撮影の楽しさ」
- STOP! 水没ミラーレスハウジング 修理依頼から考えるメンテナンスのコツ
- アクションカメラ×AOI UWL-03ワイドレンズ水中撮影レビュー! 最新GoPro、Insta360など4機種比較
- AOIの新製品「AOI UH-A7IV」レビュー! SONY α7Ⅳで撮るチュークに眠る沈船たち
- 世界最小最軽量のSONY カメラ用水中ハウジング 「AOI UH-A7CⅡ」レビュー
- 高性能ストロボやSONY A7CⅡ対応軽量ハウジングなど、AOIの新製品が遂に日本上陸