宮崎でダイビングを楽しむ完全ガイド

ハードコーラルとソフトコーラルが入り乱れる宮崎・延岡の海
南国情緒あふれる宮崎県は、日照時間が長く「日本のひなた」と称される県です。
完熟マンゴーやチキン南蛮といったグルメから、有名観光地としてはもちろん、パワースポットとしても知られる高千穂峡や青島など、陸の魅力も豊富。この地には、40年以上の歴史をもつ充実したダイビングポイントが点在しており、四季を通して楽しめる宮崎の水中の景観は、多くのダイバーが愛し続ける場所となっています。
目次
宮崎のダイビングの魅力とは?

宮崎のダイビングポイントは、温暖でマクロもワイドも通年楽しめる、特に九州のダイバーにとっては楽園といっても過言ではありません。その魅力を紹介します。
1年を通してダイビングが楽しめる
宮崎の海は黒潮の影響で比較的温暖な水温を保持しているのが特徴。夏場は最高28度まで上昇し、冬場は16度を下回ることは稀です。特に5月から12月にかけては、水温20度以上を維持するため、快適なダイビング環境が広がります。
ベストシーズンは水温が高く、多くの水中生物を観察できる6〜11月。台風の影響を受けやすい8月~9月を除けば、安定した気候のもとダイビングを満喫することができます。
もうひとつのおすすめ時期が秋冬。20mオーバーの透視度と水中生物が活発になるこの時期には、全国のフォト派、マクロ派ダイバーが集まります。

透明度抜群!南北で違うダイビングポイントの特徴
北部(延岡)エリアは、カエルアンコウがどのポイントでも通年見られるという、ダイバーにとってはたまらない魅力があります。
またビーチポイントなのに、タンクを背負ったまま歩いたり、水面を長く移動したりせずに、階段3段でエントリーが可能な環境。それだけでも潜ってみたくなりますが、人工漁礁や水中洞窟など、マクロからワイドまで網羅するダイビングポイントが点在しており、一年中ダイバーを飽きさせません。
一方、南部(南郷)エリアは、穏やかな内湾性の海が広がっています。小さな島々が多く浮かび、その島々ではサンゴ礁やソフトコーラルが豊富で、熱帯魚の群れが舞う色鮮やかな水中の景観に出会うことができます。
初心者でも安心してダイビングを楽しめる安定した浅場や、30m超えのディープダイビングを楽しめる地形など、南部エリアも初心者から上級者まで通年ダイビングを楽しめる環境が整っています。
初心者・ライセンスなしでも楽しめる体験ダイビング
カラフルな熱帯魚やたくさんのサンゴ礁を擁する宮崎の海は、ライセンスをお持ちでない方でも、体験ダイビングで宮崎の海を楽しむことが可能。波が穏やかで、浅瀬な場所が多くあり、オンシーズンでも沖縄ほど混雑することはほとんどありません。現地のガイドとゆったりとダイビングを満喫できる点も魅力なのです。
子どもの体験ダイビングも受け入れているショップが複数あるため、子どもと一緒にゆっくり海遊びをしたい方にもぴったりの場所といえるでしょう。
宮崎ダイビングエリアの特色とおすすめポイント
宮崎の各エリアの特色や見られる生き物、おすすめのダイビングポイント、ダイビングショップを紹介します。併せて、宮崎で楽しむアフターダイブもたっぷりご案内します。
北部エリア(延岡)

ハードコーラルとソフトコーラルの群生(延岡)
特色
延岡のダイビングは、リアス式海岸特有の複雑な地形と豊かな生物相が大きな特色です。市街地から車で10〜20分とアクセスが良く、ビーチからボートまで40箇所以上の多彩なポイントが存在しています。特筆すべきは、カエルアンコウの多さで、「カエルアンコウ天国」と称されるほどです。また、黒潮の影響で水温が高く、熱帯性・温帯性の水中生物が混在し、多様な生物を見ることができます。
見られる生き物
カエルアンコウ(年間通して7〜9種類)、ハードコーラル(100種類以上)、ソフトコーラル、マンボウ、ハナイカ、ウミウシ(約30種類)、イサキの大群、ウミガメ、チョウチョウウオ、ハナオコゼ、ギンガメアジ、ニシキフウライウオ、ナンヨウツバメウオ・ホシトビウオ・カスミアジの幼魚



マンボウ

ハナイカ
おすすめポイント
①天神ビーチ
ビーチポイントでありながら、器材を背負って歩く必要がほとんどない、国内でも数少ない快適なダイビングポイントです。体験ダイビングや講習、ファンダイビングが一年を通して楽しめ、四季折々の延岡の海を存分に体験できます。中でも、1日33匹もの観察記録をもつカエルアンコウは、このポイントの最大の見どころと言えるでしょう。
②オアシス
一面に広がるハードコーラルの群生が印象的なオアシスには、100種類以上ものハードコーラルが生息しているといわれています。サンゴの群生に寄り添うように多種多様の魚たちが集まるその様子は、まさにその名の通り「オアシス」そのもの。ダイバーに人気のカエルアンコウや約20種類以上のチョウチョウウオの仲間などを、手軽に観察できるダイビングポイントとして知られています。
③シーメイズ
トンネルポイントや隠れ根など変化に富んだ地形が楽しめる他、一面のソフトコーラルが圧巻のポイントです。ハードコーラルとソフトコーラルの群生が共存し、水中に美しい景観を作り出しています。カエルアンコウやウミウシも豊富に生息しており、ワイド、マクロ、どちらの水中撮影も存分に楽しめます。
ダイビングショップ
延岡マリンサービス
https://marine.gr.jp/
1977年創業、48年間延岡の海を案内してきた老舗のダイビングショップ。延岡の海のことで知らないことはないといっても過言ではないでしょう。ショップから車で10分のホームグランドビーチから、ダイビングプール・ダイビングボート・ゲストハウス・エンリッチドエア充填所と、ダイバーにとって至れり尽くせりの環境です。また、PADIの「地区優秀賞」「AWARE賞」だけでなく、「ふるさと功労賞」「自然公園指導員・功労賞受賞」などの地域貢献への実績が複数。地域の自然を大切にし、共存ための努力を惜しまないダイビングショップとして高く評価されています。
おすすめの宿泊施設
・NMSゲストハウス
https://marine.gr.jp/guesthouse/
延岡マリンサービス(NMS)が提供する、ダイバーのために設計されたゲストハウスです。ダイビング仲間と交流できるパーティールームや、完全オーダーメイドの寝室など、ダイバーが快適にくつろげる工夫が満載です。値段も素泊まり4,000円と破格、NMSメンバーであれば更に割引があります。
・延岡アーバンホテル
https://urban-hotel.net/
延岡の繁華街中心に位置し、飲食店や商業施設は徒歩圏内という好立地のビジネスホテル。延岡駅からも車で5分とアクセスが良く、ビジネスから観光まで幅広く利用できるのが魅力的です。朝食バイキングは地産地消にこだわった食材を提供し、チキン南蛮などのご当地グルメも堪能できます。
・エンシティホテル
https://www.encity-h.com/
エンシティホテルも延岡繁華街にある好立地ホテルで、地域密着型に特化したおもてなしが特徴です。2019年にリニューアルされ、大人気の朝食ビュッフェに、お部屋やベッドも広く、より快適な滞在を提供します。ウエディングや宴会・会議場なども併設しており、幅広い用途で利用できるシティホテルです。
おすすめの観光スポット
・延岡市愛宕展望所
市街地を360度のパノラマで一望できる愛宕展望台は「日本夜景遺産」に認定されるほど、見事な景観を誇ります。JR延岡駅から車で20分ほどの場所で駐車場も無料。アフターダイブで陸の美観も楽しんでみてはいかがでしょうか。
・下阿蘇ビーチ
環境省の快水浴場百選で九州唯一の「特選」に選ばれた、美しい砂浜を持つ下阿蘇ビーチ。周辺には道の駅やレストランなど施設が充実しており、観光に最適な環境です。
・高千穂峡
高千穂峡は、神話の里として知られる全国でも有数の景勝地です。阿蘇山の火山活動によって形成された柱状節理の断崖とエメラルドグリーンの水面が織りなす絶景と、真名井の滝は特に神秘的。
・今山大師
今山大師は高さ17m、日本一の弘法大師像が鎮座し、その迫力は圧巻です。ミニお遍路コースもありパワースポットとしても有名。毎年4月には「今山大師祭」が開催され、多くの人で賑わう歴史があるお祭りも魅力的。
おすすめのグルメ
・チキン南蛮
宮崎グルメの代表格ともいえる「チキン南蛮」。揚げた鶏肉に甘酸っぱい南蛮酢を絡め、たっぷりの自家製タルタルソースをかけた一品です。ジューシーな鶏肉と甘酢の酸味、そしてタルタルソースのまろやかさが三位一体になり、ご飯が進むこと間違いなし。お店ごとに異なるタルタルソースの味わいを食べ比べるのも楽しみの一つです。
・ひでじビール
祖母傾国定公園行縢山の麓という大自然の環境下で、上質な天然水と独自の培養酵母を使用して醸造される地ビールです。地元の特産物をフルーツ発泡酒等に使用し、日向夏、きんかん、ゆず、かぼす等、地元産を活用しており、お土産にぴったりの地ビールです。看板銘柄「栗黒」は、国際的なビールコンペティションでさまざまな実績を誇るダークエールで、2017年には、世界最高峰のビールコンテスト 「World Beer Awards」Stout & Porter部門で “World’s Best(世界一)” に輝き、日本のクラフトビール史に名を刻みました。
南部エリア(宮崎市・南郷)

アカオビハナダイ&キンギョハナダイ&ソラスズメダイ(南郷)
特色
南郷はサンゴの美しさと多様な生物、地形の面白さが揃ったエリアで、ワイドもマクロも両方楽しみたいダイバーに最適です。特に300年以上生きていると言われる竹之尻のハマサンゴは圧巻。南郷にも100種類以上のサンゴが生息しています。
また、冬場の透明度の高さと、ピグミーシーホースやウミウシ、ヤッコ、ハナダイ類など生物の豊かさも大きな魅力の一つです。
見られる生き物
ウミウシ(約60種類)、ピグミーシーホース、ツバメウオ、ハナダイ、ソフトコーラル、カエルアンコウ、チョウチョウウオ、ネジリンボウ、ギンポ類、カンパチ、キンギョハナダイ、コガネスズメダイ、ネンブツダイ、キンメモドキ、クマノミ、ヤッコ類、アオウミガメ、アオブダイ、コロダイ、マダラトビエイ、ヒラメ




おすすめポイント
①五本松
特徴的なのは群を抜くソフトコーラルの多さです。ダイバーに人気のピグミーシーホースやジョーフィッシュの観察が高確率で可能なため、マクロフォト派のダイバーの腕の見せどころとなっています。潮の流れはおだやかで、水深も5〜30mと幅広く、初心者から上級者まで楽しむことができる場所として評価が高いです。
②ガンガゼ城
水深5〜25mのガンガゼ城は、体験ダイビングから楽しめる流れもゆるやかな場所です。ガンガゼ城を目指すダイバーのお目当てのほとんどがウデフリツノザヤウミウシ、通称「ピカチュウ」。もちろん「ガンガゼ城」と名がつくほどガンガゼが無数に生息し、ガンガゼの数に比例してエビカニ類も多数観察することができる場所となっています。
③トンバラ
存在感ある1本の根の周りは水深40m以深。外洋に位置し、潮の流れが激しいダイビングポイントなため、アドバンスド・オープンウォーター・ダイバー(PADI)以上のスキルが推奨されています。魚群が次から次へと流れていく、これぞトンバラという光景がダイバーを迎えるでしょう。マダラトビエイやニタリなどの大物に遭遇することもあり、ワイド派であれば必見の場所といえます。
ダイビングショップ
・グリートダイバーズ
https://greetdivers.com/
1996年創業のグリートダイバーズは「日南市南郷町大島」がホームグラウンド。ダイビングポイントまで約5〜10分以内という立地で、休憩も島に降りてからと船酔いのしにくい環境が魅力です。潜水調査経験も豊富で、マスメディアから多数取り上げられているダイビングショップでもあります。<人と人とのつながりを大切に>をモットーとしており、アットホームな雰囲気で訪れたダイバーの心を癒してくれる場所として親しまれています。
・スーパーナチュラル
http://dive-supernatural.com/
スーパーナチュラルは、古民家を改造したダイビングハウスを持つ、心落ち着く宮崎のダイビングショップの一つ。PADI登録店で、オールシーズン各講習の開催が可能となっています。特に初心者や初めてのドライスーツダイバーを歓迎しています。県内外問わず、自身にホームがないダイバーの方は一度訪れてみてはいかがでしょうか。とても温かなスタッフが迎えてくれるのでおすすめです。
・ナイスダイブ
https://nice-dive.com/
宮崎の人気観光地青島にあるナイスダイブは、体験ダイビングやファンダイビング以外に、サーフィン、サップ、ヨガなどの施設を運営しマリンスポーツの”体験”をメインとしたダイビングショップです。快適な自社ボートと専用施設は、宮崎での海の思い出をより一層充実させてくれます。サンゴやシュノーケリングの授業を子ども向けに実施しており、海の楽しさと大切さをしっかりと伝える取り組みもおこなっています。
おすすめの宿泊施設
・めいつ丸万
https://meitsu-maruman.com/
とにかく料理が絶品のめいつ丸万は、日本農業遺産である「日南カツオ一本釣り漁業」の伝統を受け継ぐ目井津港が目と鼻の先にあります。魚仲買人でもあるホテルのご主人が、厳選した食材を提供しています。食事は日帰りでも楽しむことが可能なので、ダイビング後の疲れた身体に、美味しい料理でエネルギーを補給してはいかがでしょうか。
・青島グランドホテル
https://www.aoshima-gh.co.jp/
創業50年の青島グランドホテルは、南国リゾート地である青島を支えてきた老舗ホテル。太平洋を一望できる立地と、絶景の場所で沸く上質な「青海海幸温泉」は観光客の疲れを癒す極上の環境を提供しています。
・ホテルシーズン日南
https://nichinan.by-onko-chishin.com/
全室からオーシャンビューを望むことができる、南国リゾートのようなホテルシーズン日南は、広島カープの野球選手が常宿しているホテルです。結婚式やパーティー、ビジネスシーンなどの幅広いシーンで使用されており、食事から空間まで、訪れた全ての方が快適なホテルライフを送れるよう環境が整えられています。
おすすめの観光スポット
・日南飫肥城
武家屋敷が立ち並び、風情ある情景が広がる飫肥の城下町は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている場所です。江戸時代から続く厚焼き卵やてんぷら、日南一本釣りカツオ炙り重などご当地グルメも堪能できます。
・サンメッセ日南
今や宮崎のフォトスポットとして有名なサンメッセ日南。象徴的な7体のモアイ像から、海にジャンプしてしまいそうなブランコ、世界で一つしかない「地球感謝の鐘」のある広場まで、この場所をメインに訪れる旅行客も少なくありません。
・鵜戸神宮
崖の中腹に本殿が鎮座し、さらに「下り宮」という、国内でも数少ない神社の鵜戸神宮。参道から眺められる広大な日向灘と奇岩は、鵜戸神宮でしか見ることができない絶景です。
・青島神社
青島全体が境内といわれる、宮崎で大人気のパワースポットです。島を取り囲むように広がる奇石は「鬼の洗濯板」と呼ばれ、国の天然記念物に指定されています。地平線に沈む夕日とさらに赤く染まる鳥居、「鬼の洗濯板」のコラボレーションは、まさに宮崎の勝景です。
おすすめのグルメ
・宮崎地鶏
宮崎に訪れたなら、まず「宮崎地鶏」を。豊かな自然で育った地鶏は、程よい歯応えとジューシーな旨味が特徴的です。特に炭火焼きは、香ばしい香りが食欲をそそり、噛むほどに鶏本来の深い味わいが口いっぱいに広がります。シンプルながら奥深い、宮崎の風土を感じさせる逸品です。
・マンゴー
「太陽のタマゴ」として知られる宮崎マンゴーは、その名にふさわしい、とろけるような甘さと芳醇な香りが魅力的です。宮崎の温暖な気候と生産者の愛情をたっぷり受けて育ったマンゴーは、濃厚な甘みと滑らかな舌触りで、まさに「食べる宝石」。お土産としても喜ばれる、宮崎が誇るフルーツの女王をぜひご賞味ください。
宮崎へのアクセス方法
※情報は2025年7月時点です。詳細は各サイトにてご確認ください。
宮崎空港までの直行便で1日5便以上運航している空港は、以下の4箇所です。
宮崎空港までの直行便 | 所要時間 |
---|---|
羽田空港 | 約90分 |
伊丹空港 | 約60分 |
名古屋空港 | 約75分 |
福岡空港 | 約50分 |
宮崎空港から、各ダイビングショップまでの所要時間も考慮したうえで、飛行機のスケジュールを組みましょう。
延岡市エリア | 電車 1時間15分~1時間半 バス 約2時間 |
宮崎市エリア | 電車 約15分 バス 約30分 |
まとめ
宮崎のダイビングは北部と南部で異なる魅力を持ち、年間を通して楽しめる、ダイバーにとって欠かせない場所です。初心者からベテランまで、それぞれのレベルに合ったダイビングポイントが揃い、信頼できるダイビングショップも多数あります。ダイビング後は豊かな自然や歴史ある観光スポット、地元の絶品グルメも満喫できる宮崎で、ぜひダイビング旅行を堪能してください。