ダストキャップをしめたのに浸水する意外な理由と対処法
ダストキャップをしめても
浸水するレギュレーターがある!?
先日、ダイバーの方から「ダストキャップをしていても、1stステージを長時間水に浸けると水が浸入する恐れがあると、聞いたのですが、それは本当ですか?」というご質問がありました。
可能性としては、「ある」といえると思います。
厳密にいうと、すべてのレギュレーターのダストキャップがそうである、ということではなく、一部そういったダストキャップが存在します、という意味です。
古い年式のレギュレーターの中には、そのようなダストキャップが付いているものがあります。
素材が現在のものと比べ、柔軟性に富んでいなかったり、形状的な問題でシール性に欠け、水が入ってきてしまうことがあるようです。
現在、日本国内で販売されているレジャーダイビング用レギュレーターの大半のダストキャップに関しましては、素材や形状に変更がなされて改良をされてきているため、1stステージボディのエアー流入口とダストキャップをきっちり合わせて閉めておかれたら、大丈夫であるといえるでしょう。
使用や保守管理に差し障りがあるようなトラブルに繋がることはない、といえると思います。
古い年式のレギュレーターを人から譲り受けた場合など、これは大丈夫かな?と思われることがあるかもしれません。
そこで注意して保守管理していただきたい古いタイプのものを、一つご紹介いたします。
Oリング付きのダストキャップ
例えば、このようにダストキャップ内側にOリングが用いられているもの。
オーバーホールの依頼があり、届いた器材のなかに、Oリングをはずして紐にかけて到着したものがありました。
このOリングを付け忘れたり紛失してしまったりすると、隙間ができて水没してしまいますので、必ずOリングの取り付けをチェックしてください。
また、Oリングは劣化しますので(使用頻度に関わらず年数を経てきても劣化します)、時期がきたら交換しなければなりません。
定期的にオーバーホールをしていれば、作業者判断で交換がなされるかと思いますがオーバーホールスパンが開いておられる場合は、ご自身でOリングに傷がないか、へたり、よじれがないかなど、セルフチェックするようになさってください。
取り付ける場合は、都度、髪の毛や砂、ゴミが付着していないかを確認するように心がけてくださいね。
毎回注意しなければならないことを負担に思われるようであれば、Oリングのない、現行タイプの互換性がある新しいダストキャップに交換されるのもよろしいかと思います。
年数を経てきたら油分が抜けてヒビ割れしたり、ベルトにちぎれが生じたりします。
兆候が表れたら速やかに交換することでトラブルは防げると思います。
いずれは交換時期がくることを頭の片隅においておいてくださいね。
ダストキャップひとつ、ささやかなことのようですが、知っておくのと知らないのでは違うと思います。
ぜひ、安心感をもってダイビングをお楽しみください。
ダストキャップの締め過ぎにはご注意を
心配なのでしっかりめに締め付けておけばいい、ということでもありません。
過度に強い力をかけて締め付け過ぎると、ダストキャップを変形させてしまったり、このようにやがてダストキャップ上部(ヨークスクリューとの当たり面)に穴が開いてしまうことがありますので、ご注意ください。
レギュレーターを購入されましたら、その他の取扱い方法とともに、インストラクターや販売店の方に付き添っていただいて、ダストキャップの適度な閉め具合を教わっていただくとよろしいかと思います。