代表理事の須賀次郎氏に聞く! 第六回 JAUSダイビング活動研究シンポジウムの見どころ

JAUS2015(提供:須賀次郎)

前回フォーラムの様子

2016年12月18日(日)、東京海洋大学品川キャンパスにて「第六回 JAUSダイビング活動研究シンポジウム」が開催される。
■主催:特定非営利活動法人 日本水中科学協会(JAUS)

かつて国家プロジェクトとして進められた、海底居住プロジェク「トシートピア計画」についての講演をはじめ、映像発表、歴史的な潜水機材の特別展示など、ダイバーにとっては興味深く充実した内容。

ニュースステーションの水中中継で使われたダイバーズヘルメットも展示されている

ニュースステーションの水中中継で使われたダイバーズヘルメットも展示されている

また、日本水中科学協会の編集のもと、2012年に発刊された「最新ダイビング用語事典」(成山堂書店)の続編、「最新ダイビング用語事典Ⅱ」の制作発表が行われる。

代表理事の須賀次郎氏に、シンポジウムの見どころについて聞いた。

代表理事の須賀次郎氏。生きるレジェンドダイバーだ

代表理事の須賀次郎氏。生きるレジェンドダイバーだ


―――シンポジウムの目玉を教えてください。

須賀

まず、2012年に最新ダイビング用語事典を出版してから、来年2017年で5年経過しますが、最新ダイビング用語事典Ⅱを出します。

一年間を製作期間に当てて、今回のシンポジウムで制作を発表し、来年のシンポジウムで、完成の発表をしたいと計画しています。

―――最新ダイビング用語辞典、新用語を加えた前作の改訂版といった位置づけなのでしょうか?

須賀

「最新ダイビング用語事典Ⅱ」は、ダイビングの諸相について、年表を芯に、時系列で並べて説明しようと考えています。
構成としては、通常の年表の決定版を中心にすえて、大きなアイテムごとに別表の年表を作っていきます。

やってみてわかったことなのですが、時系列で並べると、まったく違うことがわかってきます。
歴史を見ないと自分の位置がわからない、未来の予測も不確かなものになります。

「ダイビングとは何なのだ、何をしているのだろう」を考えることはとても大事で、そのために時系列で考えることが必須だと思ったのです。

とても、一年で完成するわけもないのですが、とにかくスタートして、改訂を5年毎に加えていくことにします。

そのプロジェクトを水中科学協会の中心にすえていくことを決めて、シンポジウムで発表します。

――――用語辞典の制作発表にとどまらず、シンポジウムはバラエティに富んだ内容ですね?

須賀

シンポジウムを俯瞰して考えた時、退屈しないものでなければいけない。
エンタティメントでもありたい。

そこで、船の科学館から、貴重な潜水機材などの展示を借りてきて、実物を間近で見る機会にと考えています。

また、かつての日本でのダイビングの国家的プロジェクト、唯一の海底居住であったシートピア計画にアクアノート(編注:資源調査や居住実験をするため、水中基地で生活する潜水技術者や科学者)として携わった山田さんにお話をしてもらいます。
シートピアももはや歴史。興味深く貴重な話になるでしょう。

―――「新法規に基づく減圧ソフトウエア使用の実際」がテーマの講演は、昨年改定された高気圧作業安全衛生規則のことですよね? レクリエーショナルダイビングでの運用の方法などが知りたいところです。

須賀

日本水中科学協会のもう一つの大きなテーマは、高気圧作業安全衛生規則とレクリエーショナルダイビングとの関わり方です。
これまで受験攻略本をポセイドンの工藤和由君を中心に出しました。

もともと作業潜水のための規則ですが、コンプライアンスという視点で見れば、レクリエーショナルダイビングに従事するインストラクターもこれに従わうことは重要であるとともに矛盾点もあります。

しかし、安全第一に考えるとすれば、それは矛盾ではなくて、正論になると考えています。
最新ダイビング用語事典Ⅱでは、その辺も論じようと考えています。

シンポジウムでは、そこまで踏み込めませんが、今度の規則改正で、テーブルではなくて、計算式が規則になりました。
それをどんなふうに実際の潜水に当てはめていくのか、そんな狙いで、久保くんに話してもらいます。

インストラクターからダイバーまで楽しめる、知的好奇心に満ち、かつ役に立つ情報も詰まったシンポジウムになりそうだ。

第六回 JAUSダイビング活動研究シンポジウム

〇日時:12月18日(日)

【タイムスケジュール・プログラム】

10:00 受付開始
11:00~11:30 特別展示について説明 須賀次郎
11:30~12:00 2016年JAUSワークショップの総括 山本勤
12:00~13:00 昼休み
13:00~14:00 講演1「シートピア計画 ~海底居住、300mの飽和潜水~」 元JAMSTECアクアノート 山田海人
14:00~15:00 講演2「新法規に基づく減圧ソフトウエア使用の実際」 久保彰良
15:00~15:20 休憩
15:20~16:20 映像発表

  1. 人工魚礁調査潜水 増井武
  2. 牡蠣殻人工魚礁  海洋建設 田原実
  3. 珊瑚礁と人魚   斉藤真由美
  4. 新しいウエアラブルカメラ 紹介
  5. お台場の生き物たち 須賀次郎

16:20~16:40 「最新ダイビング用語事典Ⅱ」製作発表
17:00~19:00  ワンコイン懇親会  隣接 学生会館にて

潜水機特別展示

須賀次郎会長に聞く! 第六回 JAUSダイビング活動研究シンポジウムの見どころ

フルフェイスマスク


現在休館中で展示されていない「船の科学館」の貴重な歴史的潜水機の展示を中心にして、特異な潜水機材 、撮影器材などを間近で見ることができます。

①大串式マスク ②伏竜特攻の潜水機レプリカ、③クストーが映画「沈黙の世界」で使ったスクーバセット④アサリ式マスクと旭式マスク⑤バブル・ヘルメット(ニュース・ステーションで使用した)⑥ニュース・ステーション時代に使用したビデオカメラなどなど、
※協力:船の科学館、東亞潜水機(予定)

〇会費:一般2,000円 会員1,000円 学生無料
〇場所:東京海洋大学品川キャンパス 楽水会館

お申込みはこちらから

http://jaus.jp/?page_id=1299

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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