どんどん物足りない体になっていく⁉ ハンマーヘッドシャーク・ダイビング@神子元
だって人間だもの
年に一度の運試し、ハンマーヘッドシャーク・ダイビング@神子元。
最終日もそこそこ当たりました。
“慣れ”なのか“飽き”なのか、あるいは“欲”なのか。
昨年まで15年間一度もハンマーを見られなかったくせに、一度見てしまったら数尾の編隊を間近で見ても“そこそこ”とか言うようになるのだから人間とは恐ろしい。
はじめて神子元の海に潜ったとき、とんでもない群れに感動したものですが、だんだん、ただの背景になってきました。
あれほど焦がれていた人なのに、付き合ってみたら空気みたいなことになる心理を、相田みつをさんではなくハンマーさんに教えてもらいました。
人間とはそういうもののようです。
それでも、まだ僕はカメやメジロザメが出ると嬉しい気持ちで撮りにいくのですが、完全にスレてしまった人は、「エア消費の無駄。ハンマーを追う時まで温存したい」と一瞥してスルー。
まさに壁のようなイサキやタカベの群れを目の前にしても、「群れが多いとハンマーが見づらくて邪魔」。
他のエリアでは主役の座でも、神子元では無駄で邪魔な扱い…。
つくづく、ダイビングとは、海の中に持ち込むもの(目的、知識、スキルなどなど)によって、見えている景色は違うんだなーと、エッジな海を潜ってより実感しました。
ウミガメなんて、ノンダイバーがダイバーになって会いたい人気者のベスト3にいつもはいる人気者。
それを、ガイドが指さすと「ちっ」と舌打ちしたりするんですからね(笑)
ハンマー中毒のリピーター
神子元リピーターと話していると、ハンマーヘッドシャークそのものが生物として好きという人もいますが、ほとんどの人が、ハンティングやギャンブルをする感覚で潜っていると感じます。
馬場の状況や天候、馬のコンディションなど競馬新聞から予想し当てにいくギャンブラーのごとく、黒潮や水温、各ショップのデータ(リピーターはすべてのショップのログをチェックする)からハンマーの出現を予想し当てにいきます。
手堅く単勝をおさえるがごとく、ハンマーの単体をおさえ、大穴狙い。
一度、勝利の味をしめるとやめられなくなり、はずしても「次こそは」とはまっていくハンマー街道。
いや、いいことですけどね(笑)。
かくいう自分も片足つっこんできたようです。
えてして起こるビギナーズラック
もちろん、神子元の海はリピーターだけのものではありません。
ビギナーもたくさんやってくるわけですが、何の予想もなく普通に潜って大当たり!
なんて人ももちろんたくさんいます。
また、かつての自分がそうであったように、まずは、伊豆半島一ダイナミックな流れと地形、そして魚群をぜひ楽しんで欲しいと思います。
ギャンブラーになるのは、ちょっと後でもいいと思います(笑)。
いずれにせよ、独特なスタイル・世界観を持つ神子元ダイビング。
ベストシーズンの今こそぜひ経験してみてください。