マンタを見て釣りをした後の、バショウカジキとの遭遇

メキシコのバショウカジキ(撮影:越智隆治)

年末年始のセールフィッシュスイム後、1週間オフでカンクンに滞在。
1月11日にムヘーレス島に戻って来て、12日からセールフィッシュスイムweek2をスタートした。

島に戻ってきて、オペレーターにバショウカジキの出具合を確認したところ、出ていないとの事。
アメリカ人グループが10日間、一隻の船をチャーターしていて、5日間が過ぎた時点で、一回も水中で見れていないと言われた。

バショウカジキも、イワシの群れも、グンカンドリもあまり見かけないということだった。

そんな報告に、また不安になりながら、week2初日の1月12日。
なんとこの時期には珍しく、超ベタ凪。そして、快晴。

この週から2週間、オーシャナでも取材をお願いしている、写真家の岡田裕介君が合流した。

メキシコ、バショウカジキスイムのボート(撮影:越智隆治)

海に出るなり、かなり北で漁をしていた漁船から、「イワシの群れが表層に沢山いる」と無線が入る。
しかし、その情報だけで行くには、遠い距離。
スキッパーのロヘリオが、船のオーナーのアンソニーに無線で連絡して、行ってもいいかどうかの確認を取った。

ベタ凪だし、ずっと見られていない事もあり、すぐに、そこへ向かうGOサインが出た。
Week2が始まるなり、幸先の良い情報に、期待が高まった。

2時間ほど船を走らせ、現地に到着。
5日間見れていないアメリカ人グループを乗せた船も合流した。

しかし、イワシの群れは沢山あり、あちこちでナブラが立っているものの、グンカンドリの姿は無く、バショウカジキに追われているイワシの群れがあるようでもない。

しばらくその場で捜索を続けると、巨大マンタがイワシを引き連れて登場。
何度か水中に入って撮影するが、そこでの遭遇はそれだけに留まった。

メキシコのマンタ(撮影:越智隆治) メキシコのマンタ(撮影:越智隆治)

結局、徐々に南に戻りながら、捜索するが、見つからず、疑似餌を使った捜索に変更。

メキシコのバショウカジキスイムのボート(撮影:越智隆治)

しかし、これも功を奏することもなく、他のフィッシングボートからも、まともに釣れている情報も無い事から、バードサンクチャリーのコントイ島見学とフィッシングをして帰港。

朝7時前に出港して、港に戻ってきたのは、午後4時過ぎだった。

キングフィッシュを釣り上げた

1.5m級のキングフィッシュを釣り上げる。キングフィッシュはその日の夕食で、港のレストランでセビーチェとフィッシュアンドチップスに調理してもらった。全部は食べれないので、自分たちの以外は、クルーやその家族に分配した

グンカンドリの営巣地コントイ島を撮影する岡田裕介

グンカンドリの営巣地である、コントイ島を船上から見学

グンカンドリ、ペリカン、ウミウがいるコントイ島

グンカンドリだけでなく、ペリカンやウミウなどの鳥たちが棲息している

そして、2日目、波が少し高くなったが、快晴。
まあ、普段のこの時期の海に戻った感じだった。

この日は、遠くまで北上せずに、南側のグンカンドリが比較的多くいるエリアで捜索。

何度か、鳥山が発生しそうになるものの、すぐにばらけてしまい、疑似餌を使った捜索を早めに開始するが、それでも見つからず、結局この日も諦めてリーフでのフィッシングを始めた。

メキシコのボート上での釣り(フィッシング)

他のフィッシングボートからも釣れている情報はほとんど無い。

メキシコのボート上での釣り(フィッシング) メキシコのボート上での釣り(フィッシング)

10数匹のハタやツムブリ、イエローフィンスナッパーなどを釣り上げて、そろそろ終わりにしようかと思っていたときに、不意にクルーのウヮンが「ブラックフィッシュ!セイルフィッシュ!」と海中を指差した。

確かに、黒い大きな影が!

ルアーを持っていた僕は慌てて引き上げるが、釣れていたのは、イエローフィンスナッパーだった。
どうやら、僕らが釣り上げている魚に興味を示したバショウカジキが接近してきたようだ。

慌てて、底釣りを止めて、疑似餌を使ったトローリングを再会した。

その直後、餌を食べようとやってきたバショウカジキが表層に姿を見せた。
「早く入って!」と皆に促し、エントリーしてもらう。

海中にいたのは、見事に背びれを広げたバショウカジキが一匹。そしてしばらくするともう一匹が姿を見せた。

10分ほど一緒に泳ぎ、撮影を行なった。

メキシコのバショウカジキ(撮影:越智隆治)
メキシコのバショウカジキと岡田裕介(撮影:越智隆治)

水中初バショウカジキ遭遇に、少し腰引き気味に撮影する、岡田君

その後も、6匹と4匹の群れに遭遇。計12匹。
イワシの群れを追い込むバショウカジキではなかったけど、透明度の高い海で、間近で見れた事は、この状況では本当にラッキーだった。

スキッパーのロヘリオに6匹いた事を伝えると、他のフィッシングボートに無線で連絡したのか、あっという間に、フィッシングボートが周囲に集まり出し、一斉にフィッシングを始めた。

フィッシングボートとは、バショウカジキの群れを譲ったり、譲られたりの共存関係がある。
ずっと釣れていなかった彼等にとっても、本当にラッキーな遭遇だった。

11日間見れていないという情報の後の遭遇。
沢山の群れが見れるよりも嬉しい凱旋となった。

港に到着したのは、午後4時30分。
朝6時30分にスタートして、10時間、海に出ていたことになる。

明日から、徐々に増えてきてくれればいいな。

2014年の年末から2015年の年始にかけて、また2015年の1月、2月にもチャーターベースのセールフィッシュスイムを行います。
スペシャルトリップではなくて、個人でボートをチャーターしたい方もお問い合わせ下さい。

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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