レギュレーターから空気を吸う?伊豆大島のアイドル魚・はまちゃん
「はまちゃんね、バディーブリージングするんだよ~見たことある?」
そういって子供のように瞳をキラキラさせていたのは、伊豆大島南部にショップを構えるケンボーダイビングの佐藤健二さん。
※はまちゃんはハマフエフキです。
え? 魚がバディーブリージング!?
「冗談は休み休み言ってくださいよ~」なんて話をしていたのですが、「本当なんだってば!」と、以前撮影したという写真と動画を見せてくれました。
!!!
本当にバディーブリージングしている。
魚が人間の手からレギュレーターもらっている(笑)
動画まで見せられてしまったら、そりゃもう会いに行くしかありませんよね。
南部のガイドは皆、基本的には、はまちゃんとのバディーブリージングができるとのことで、早速シーサウンドの小川さんに協力してもらうことにしました。
ついに!会いに行けるアイドル魚・はまちゃんと初対面
大島南部に住むはまちゃんは、ダイバーのエアの音を聞き分けて、誰が潜っているのか個人まで判断できるのだそう。
すでに15年近く、ほぼ100%ダイビング時に顔を出してくれるはまちゃん。
「エントリーして水深5mを超えるとはまちゃんが待っています。
毎ダイブごとに会いにきてくれますので今日もいると思います。
むしろ、はまちゃんのいるダイビングに慣れ過ぎて、年に数回いない時があるんですけど、そんな時は、『どうしたのかな?突きん棒(棒で突いて魚を獲る漁業法)に突かれて死んじゃったかな』など、我が子のようにいろいろ心配してしまいます(笑)」と小川さん。
もちろん、はまちゃんがいないとなれば陸の上では一大事で、「はまちゃんどうした? いた? 突かれたか!?」なんて話で持ちきりだとか。
もう我が子並みというか、我が子以上ですね。我が子は突かれないですし(笑)。
※
いよいよエントリーすると、早速、すぅ~と1匹のハマフエフキが近付いてきます。
あ、はまちゃん♪
とマスク越しににやける私をちらっとみると、「こいつ新人か!?」と言わんばかりの表情で隣にいる小川さんの元へすぅ~。
く・・・くやしい(笑)
それでも頭をなでなでしたり、顔を突き合わせたりしているうちに仲良くなっていったと思います(たぶん)。
ある程度顔合わせが終了したところで、お目当てのバディーブリージングをして頂くことに。
「さぁ、はまちゃん、いらっしゃいな」と自分のレギュレーターをはまちゃんに向けます。
最初は、ん、何?といった表情のはまちゃんでしたが、次第に「あ、バディーブリージングしろってことね」と理解してくれたのでしょうか、ついに、レギュをくわえて(?)くれました!!
しかし・・・見てください、この表情。
やる気がありません。
だんだんと悲しくなり、小川さんに向かって「小川さんやってください(泣)」のサインを出すと・・・、
うんやるよ、やっちゃうよ!と、楽しそう。
はい、完全に負けました。
やはり、毎日毎日何年も一緒に潜っているガイドの皆さんにはかなわないですね。
ちなみに、ケンボーさんいわく、はまちゃんが一番なついている南部のガイドは、ケンボーダイビングのスタッフのミナミさん。
「ミナミちゃんとはまちゃんの絆には、誰も勝てないよ。一番長い時間遊んでるのはミナミちゃんだからね」とケンボーさん。
人間も魚も長くいる時間が距離を縮めるのは同じなんですね・・・(しみじみ)
たまにいなくなる“はまちゃん”
ケンボーさんと小川さんの見立てによれば、いなくなる時期の前はいつもお腹が大きいような気がするので、年に数回いないのは出産しているからなのではないかと(え!女子!?)。
いつまでも元気でいてほしいですが、ケンボーさんがトウシキを潜り始めた時(15年ほど前?)にはすでにはまちゃんは健在だったこのことで、かなりのお歳かも!?
バハマのおさわりイルカならぬ、大島のおさわりはまちゃん。
今大島は透明度も良い絶好のチャンスなので、ぜひ会いに行ってみてください。
間近で対面すると、結構、ドキドキしますよ~!
おまけ
はまちゃんは浅瀬には来ません。
実はこれ、ケンボーさんがはまちゃんに教え込んだのだそう。
理由は、釣り人や突きん棒に突かれてしまう恐れがあるからですが、そんなことから大島では「ハマフエフキは突いてはいけない」というローカルのルールがあります。
島全体ではまちゃんを守っているって、なんだかほっこりしますね。
お願い
はまちゃんにはいつまでも長生きしてもらいたいので、無理強いすることなく、ガイドの忠告は守って優しく接してあげてください。
どうぞ、よろしくお願いします。
【お知らせ】
伊豆大島への船代が格安になる「伊豆大島往復きっぷ」が好評につき12月26日まで期間延長。
このお得な機会にぜひ大島へ!