レギュレーターから空気を吸う?伊豆大島のアイドル魚・はまちゃん

この記事は約4分で読めます。

伊豆大島のハマフエフキ・はまちゃん(撮影:中村卓哉)

「はまちゃんね、バディーブリージングするんだよ~見たことある?」

そういって子供のように瞳をキラキラさせていたのは、伊豆大島南部にショップを構えるケンボーダイビングの佐藤健二さん。
※はまちゃんはハマフエフキです。

え? 魚がバディーブリージング!?

「冗談は休み休み言ってくださいよ~」なんて話をしていたのですが、「本当なんだってば!」と、以前撮影したという写真と動画を見せてくれました。

!!!

本当にバディーブリージングしている。
魚が人間の手からレギュレーターもらっている(笑)

動画まで見せられてしまったら、そりゃもう会いに行くしかありませんよね。

南部のガイドは皆、基本的には、はまちゃんとのバディーブリージングができるとのことで、早速シーサウンドの小川さんに協力してもらうことにしました。

ついに!会いに行けるアイドル魚・はまちゃんと初対面

大島南部に住むはまちゃんは、ダイバーのエアの音を聞き分けて、誰が潜っているのか個人まで判断できるのだそう。
すでに15年近く、ほぼ100%ダイビング時に顔を出してくれるはまちゃん。

「エントリーして水深5mを超えるとはまちゃんが待っています。
毎ダイブごとに会いにきてくれますので今日もいると思います。
むしろ、はまちゃんのいるダイビングに慣れ過ぎて、年に数回いない時があるんですけど、そんな時は、『どうしたのかな?突きん棒(棒で突いて魚を獲る漁業法)に突かれて死んじゃったかな』など、我が子のようにいろいろ心配してしまいます(笑)」と小川さん。

もちろん、はまちゃんがいないとなれば陸の上では一大事で、「はまちゃんどうした? いた? 突かれたか!?」なんて話で持ちきりだとか。
もう我が子並みというか、我が子以上ですね。我が子は突かれないですし(笑)。

いよいよエントリーすると、早速、すぅ~と1匹のハマフエフキが近付いてきます。

あ、はまちゃん♪

とマスク越しににやける私をちらっとみると、「こいつ新人か!?」と言わんばかりの表情で隣にいる小川さんの元へすぅ~。

く・・・くやしい(笑)

伊豆大島のハマフエフキ・はまちゃん(撮影:中村卓哉)

お前誰だ?名を名乗れ、と言われている気分

それでも頭をなでなでしたり、顔を突き合わせたりしているうちに仲良くなっていったと思います(たぶん)。

伊豆大島のハマフエフキ・はまちゃん(撮影:中村卓哉)

ある程度顔合わせが終了したところで、お目当てのバディーブリージングをして頂くことに。

「さぁ、はまちゃん、いらっしゃいな」と自分のレギュレーターをはまちゃんに向けます。

最初は、ん、何?といった表情のはまちゃんでしたが、次第に「あ、バディーブリージングしろってことね」と理解してくれたのでしょうか、ついに、レギュをくわえて(?)くれました!!

しかし・・・見てください、この表情。
やる気がありません。

伊豆大島のハマフエフキ・はまちゃん(撮影:中村卓哉)

無表情のはまちゃん・・・

だんだんと悲しくなり、小川さんに向かって「小川さんやってください(泣)」のサインを出すと・・・、

うんやるよ、やっちゃうよ!と、楽しそう。

伊豆大島のハマフエフキ・はまちゃん(撮影:中村卓哉)

ちょっとうっとりしているようにさえ見えます

はい、完全に負けました。
やはり、毎日毎日何年も一緒に潜っているガイドの皆さんにはかなわないですね。

ちなみに、ケンボーさんいわく、はまちゃんが一番なついている南部のガイドは、ケンボーダイビングのスタッフのミナミさん。

「ミナミちゃんとはまちゃんの絆には、誰も勝てないよ。一番長い時間遊んでるのはミナミちゃんだからね」とケンボーさん。

人間も魚も長くいる時間が距離を縮めるのは同じなんですね・・・(しみじみ)

たまにいなくなる“はまちゃん”

ケンボーさんと小川さんの見立てによれば、いなくなる時期の前はいつもお腹が大きいような気がするので、年に数回いないのは出産しているからなのではないかと(え!女子!?)。

いつまでも元気でいてほしいですが、ケンボーさんがトウシキを潜り始めた時(15年ほど前?)にはすでにはまちゃんは健在だったこのことで、かなりのお歳かも!?

バハマのおさわりイルカならぬ、大島のおさわりはまちゃん。

今大島は透明度も良い絶好のチャンスなので、ぜひ会いに行ってみてください。
間近で対面すると、結構、ドキドキしますよ~!

おまけ

はまちゃんは浅瀬には来ません。
実はこれ、ケンボーさんがはまちゃんに教え込んだのだそう。

理由は、釣り人や突きん棒に突かれてしまう恐れがあるからですが、そんなことから大島では「ハマフエフキは突いてはいけない」というローカルのルールがあります。
島全体ではまちゃんを守っているって、なんだかほっこりしますね。

伊豆大島での記念写真(撮影:中村卓哉)

安全停止中に撮った集合写真には、深場でお見送り(?)するはまちゃんが見切れていました。黄色いスレートの更に左です。ケンボーさんの言い付けを守って、偉い子です

お願い

はまちゃんにはいつまでも長生きしてもらいたいので、無理強いすることなく、ガイドの忠告は守って優しく接してあげてください。
どうぞ、よろしくお願いします。

【お知らせ】
伊豆大島への船代が格安になる「伊豆大島往復きっぷ」が好評につき12月26日まで期間延長。
このお得な機会にぜひ大島へ!

伊豆大島のハマフエフキ・はまちゃん(撮影:中村卓哉)

はまちゃん、お友達と一緒に。このハコフグはいつも一緒です。名前は言っていませんでしたが、はこちゃんと命名していいかな?

\メルマガ会員募集中/

週に2回、今読んで欲しいオーシャナの記事をピックアップしてお届けします♪
メールアドレスを入力して簡単登録はこちらから↓↓

writer
PROFILE
成蹊大学文学部国際文化学科卒業。
ナレーター、司会、ダイビング・モデルとして、TV、雑誌、モーターショー、トークショーなどで活躍。宝くじのキャンペーンガール「幸運の女神」では、46都道府県を旅する。

2013年からは、大物運・海況運をつかさどる「海の女神」へと転身し、舞台を海に変えてオーシャナの突撃体験レポートを担当。
潜水士資格も取得し、2014年は伊豆大島復興観光大使「ミス椿の女王」として、伊豆大島をはじめとした被災地復興支援活動にも尽力する。

「ダイビングがきっかけで、物の見方も感じ方も生き方も180度変わり、自分の周りまでもキラキラ輝き出したことを実感。 
いろんなことを体験しながら、たくさんの“きっかけ”を届けていきたいです」

【経歴】
・第25期 日本テレビイベントコンパニオン
・第11~12期 スバルスターズ
・第33期 宝くじ「幸運の女神」
・第23代 ミス椿の女王(2014.2~)
・第29代「ミス熱海・桜娘」(2016.1~)
FOLLOW