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セブのリゾートホテル通り沿いで本格的なケーブダイビング! ~未開の「パーウッドケーブ」サイドマウント冒険紀~閲覧無制限

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現地からレポート
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オーシャナ読者の皆様、ごぶサターンです。
サイドマウント以外に脳がないのかよ? でお馴染の石井でございます。

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さて、先日セブでケーブダイビング(洞窟潜水)を楽しんできました。
その時のレポートをお届けします。

ただ、始めにお断りしておきますが、ケーブダイビングはテクニカルダイビングのひとつです。
ダイバー万人が楽しめるものではありません。
また、テクニカルダイバーの中でもしっかりとした知識とスキルが重要であり、またこのような閉塞空間を楽しむ事ができるメンタルとセンスも重要です。
それだけは忘れないでくださいね。

セブ島のリゾートホテル通り沿いにある
パーウッドケーブ(Pawod cave)

みなさん、セブといったらリゾートダイビングですよね?
有名なダイビングポイントといったら、ヒルトゥガン、ナルスアン、バリカサグやサンクチュアリ、ボホール等でしょうか?
どれも空港のある島、マクタン島からの出発が基準になってると思います。

そのリゾートホテルが立ち並ぶ通り(←これがミソ!)に、なんと本格的なケーブがあります。
これがパーウッドケーブで、2001年に発見されました。
このケーブの発見を皮切りに、フィリピンではケーブのエクスプロレーション(探検)が盛んになり、2012年に発足されたフィリピンケーブダイバーズが中心となりセブ島でも多くのケーブが発見されています。

道路の横にぽっかりとあるこの池の奥にケーブが広がっています。

道路の横にぽっかりとあるこの池の奥にケーブが広がっています。

今回、フィリピンケーブダイバーズに所属するハイミーさんの協力のもと、パーウッドケーブを楽しんできました。
ハイミーさんはここマクタンでハイミーズダイバーセンターを経営しているオーナーです。
日本語のホームページもありますし、少し喋れます。
知っている人も多いのでは?
ハイミーさん自身ももちろんケーブダイバーで、今回ご同行していただきました。

このパーウッドケーブはまだ一般的には開放されておらず、フィリピンに住む一部のケーブダイバーたちしか潜ることができません。
もともとは現地の方の水場で、以前はここで洗濯したり水遊びしたり。
また多くのゴミも周辺に廃棄されていて、私が7年前にこの池を見た時はとてもダイビングができる状態ではありませんでした。
そこで、フィリピンケーブダイバーズを中心に清掃等の環境整備が行われ今に至っています。

それでは、早速ケーブを紹介しましょう。
エントリー付近の水底は未だに多くのゴミが沈殿しています。
また、透明度も非常に悪く、水質もかなり悪いようです。
ケーブ入り口の岸壁には赤いペンキで侵入口を指す印が書かれています。

毎度おなじみのこの看板もしっかりと設置してあります。

毎度おなじみのこの看板もしっかりと設置してあります。

エントリーして直ぐに透明度は回復します。
それでも白く濁っており、ライトを頼りにプライマリーライン(常設ライン)へ。
ここは水深15mまでは海水で、多くの魚達も見られました。
やはりどこか海とつながっているのでしょうか?

中はメキシコやフロリダのように広くはありません。
それでもいくつかコースが分かれていて、ある程度深度差もあり、ケーブダイビングを楽しむ事ができます。
よくメキシコにある鍾乳石等はみられず、やわらかい粘土質の岩が多かったです。
そのためラインを巻く時等、簡単に崩れたりしました。

ケーブの中を進むハイミーさん

ケーブの中を進むハイミーさん

誰もいないはずなのに
肩を叩かれる感覚の正体は……

中を進んでからしばらくすると、誰かに肩を叩かれた感覚がありました。
「えっ? 誰??」と振り返っても誰もいません。
「あれ? これってヤバイ???」なんて思いながらさらに進むと、また叩かれます。
しかも今度は強く。
振り向いても、当然誰もいません。
「いやあああああ、え? マジで出ちゃたりするの????」
振り向いても人の気配はなく、白い砂が雪のように降っていました……。

……はい、幽霊の正体は天井から降ってくる落石でした(笑)
まだ人が多く入っていないケーブなので、ダイバーの吐く泡によって天井がボロボロと崩れてきます。
場所によっては拳大の石が天井から降ってきたりします。
天井から降ってくる石が肩に当たり、叩かれたように感じたのでした。
それだけもろい地盤なのでしょう。
ところどころに天井から落ちてきたと思われる大きな岩盤も確認。
その中には写真のような化石が見られました。

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さらに奥へ

そして、さらに奥に進むと空間がせまくなります。
天井は脆いし、下もシルト(堆積した土砂等)が溜まっており、サイドマウントダイバーの腕の見せどころですね。
ガッツリと中性浮力をキープして奥に進みます。
すると、-15m付近からハロクラインが見られるようになりました。
-15mから上は海水、-15mから下は淡水になります。
ただ、6月のこの時期はフィリピンもレインシーズン。
そのため、前日までの雨による土砂がケーブにも入り込んだようです。
写真のようなちょっと残念な透明度になっていました。
でも、ケーブダイビングでよく見られるこの光景は、やっぱり何時見ても面白いですね。
ハロクラインの境が波模様を作っており、水の中に革が流れているように錯覚します。

上の綺麗な水の部分が海水、下の濁った水が淡水です。

上の綺麗な水の部分が海水、下の濁った水が淡水です。

ハロクラインの境の上を進むハイミーさん。綺麗なフォームです。

ハロクラインの境の上を進むハイミーさん。綺麗なフォームです。

しばらく進むとラインエンドにぶつかります。
まだ先はありますが、非常に狭く、また水の流れも強く感じます。
我々は出口に引き返しました。
時間にして約60分程あれば全てのコースを1ダイブでまわれるでしょう。
深度もそんなに深くないので、ケーブダイバーなら残圧もかなり余裕があるはずです。

身近なセブ島での
ケーブダイビングの普及

メキシコやフロリダに比べるとちょっと物足りないかもしれませんが、それでもちゃんとしたケーブダイビングが日本に近いフィリピンで出来る事は嬉しい事です。
ダイビングを終えて上がってきたら韓国のポビーさんがケーブの講習をしていました。
徐々にですが、フィリピンでのケーブダイビングが広まってきているように感じました。

現地の子どもたちに囲まれて講習をするポビーさんチーム

現地の子どもたちに囲まれて講習をするポビーさんチーム

さて、ざっとですがセブにあるパーウッドケーブを紹介させていただきました。
よく車が通る道の横にあるので、もしかしたらセブを訪れた際、何度かご覧になった方もいるかもしれませんね。
また、この池を生活の一部にしている現地の方も、奥にこのようなケーブ環境がある事を知る人は少ないでしょう。
まさにケーブダイバーだからこそ知りうる特権ですね。

実は以前、私はテクニカルダイビングのディープダイビング(-100mオーバー)のためにセブ・マクタン島のコン・ティキに何度も通っていました。
その際、食事や買い物の度にこの前を何度も通っています。

いやあ、人生って不思議。恐らくサイドマウントを始めてなかったら、ケーブダイバーになろうなんて絶対に思わなかったし、当然ケーブダイバーになっていなかったら、ここを潜ることは絶対になかったでしょう。
改めてサイドマウントダイビングの可能性を体感しました。

注:誤解がないように言っておきますが、私はすべてのダイビングにサイドマウントが優れているなど1ミクロンも思っていません。
私はサイドマウントが好きなので、サイドマウントで楽しめるダイビングや場所を潜っているだけです。
そこは誤解しないでくださいね。

次回は同じセブにあるキャッシルケーブを紹介させていただきます。

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