日本初紹介!パプアニューギニア、コンフリクト・アイランズの魅力とは

パプアニューギニア・コンフリクトアイランド

“ラストフロンティア”と呼ばれるパプアニューギニアで、またひとつ未開の海がそのベールを脱ぐ。

オーストラリアの実業家イアン・ゴウリー・スミス氏がパプアニューギニアの未開の島々をアトールごと買い占めてエコリゾートとして売り出すという壮大な計画で、場所はニューギニア島の最東端にあるアロタウから南東へ船で8時間走らせたコーラルシーの最も東に位置する「コンフリクトアイランズ」。

パプアニューギニア・コンフリクトアイランズ
パプアニューギニア・コンフリクトアイランズ

22キロ×10キロの壮大なアトールの中には925エーカー(モナコの1.5倍)もの総面積をもつ21の美しい島々が点在する

イアン氏がおよそ50万ドルかけて仕掛けた8日間のメディアツアーに、日本メディアとして唯一招待されたオーシャナからは、パプアニューギニアの海を愛する水中カメラマン中村卓哉さんが参加。

8日間の渡るクルーズツアーの様子をお届けします。

コンフリクトアイランズを訪ねて 中村卓哉(写真/文)

オーストラリアの実業家イアン氏からメディアツアーに招待され、日本人として唯一参加させてもらう事になった。
もちろん、日本のメディアとしては初披露となるという事なので興奮を抑えきれない。

パプアニューギニアの実業家のイアン氏

数十億ドルの資産を持つ実業家のイアン氏

ケアンズでツアー参加者のお披露目パーティが催され、そこで初めて参加者達と顔合わせをすることになった。

カリスマ実業家イアンを筆頭に、世界的なフォトグラファー、海洋生物学のエキスパート、島のトップブローカー、リゾート建築家のオーソリティー、タイム誌の選ぶトップ10に入るノンフィクション作家、その他数多くの著名なジャーナリスト達が名を連ねる中、英語が苦手な日本人の水中カメラマンは完全に浮きに浮いている。
しかしそこは勢いに任せて乗り切るしかない。

巨大クルーズ「オーシャンディスカバー」

2日目の早朝、いよいよイアン氏が用意したチャーター機でケアンズからパプニューギニアのアロタウへ約3時間のフライト。

アロタウに到着すると簡単なレセプションがおこなわれ、おなじみの民族衣装をまとったシンシンショーが披露される。

パプアニューギニアのシンシン

シンシンを披露する男

そしてその日の午後、いよいよ今回の目玉となるクルーズ船「Ocean Discoverer」に乗船。

パプアニューギニアのクルーズ船Ocean Discoverer

Ocean Discoverer

70人寝泊まり出来るという巨大なクルーズ船には、約40人乗船できるボートと2艘のゾディアックが搭載。

圧巻は後方にある可動式のエレベーターで、40人乗りのボートを横付けした後、最上階のデッキまで乗船したまま一気に船を持ち上げる事が出来るのだ。

パプアニューギニアのクルーズ船Ocean Discoverer

客室はシンプルで清潔。
ダブルベットの部屋が私一人に割り当てられた。

パプアニューギニアのクルーズ船Ocean Discoverer

太古から変わらぬ海

翌日、アロタウを夕方出航し、船での初日夜が明けるといよいよコンフリクトアイランズへ到着。

本船のOcean Discovererは一週間の間メインとなるPanasesa島の目の前に停泊し、ダイビングチームはゾディアックでそれぞれのポイントまで移動してダイビングをする。

パプアニューギニアでのダイビング(撮影:中村卓哉)

まだほとんどこの海域へ潜ったダイバーはいない。

過去にイアン氏に同行しポイント調査をした経験のあるカメラマンのスティーブ・パリッシュ氏と海洋学者のトニー・エイリン氏にポイント選択の主導権を譲るも、衛星写真のマップを広げて次はこの辺りにしようといった感じで潜るポイントは決められていった。

いざ海に入るとどこか懐かしさを感じた。

過去に訪れたアロタウのタワリリゾートと同じミルン・ベイに位置するためか、海中の景観はやはりそれに似ている。
しかしサンゴの種類も魚の量もさらにスケールアップしている印象だ。

ダイビングスタイルは全てドリフトのウォールダイブ。
海の中は数人のダイバーがそれぞれつかず離れずといった感じでドロップオフを潮の流れに乗って流していく。

パプアニューギニア・コンフリクトアイランズでのダイビング(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズでのダイビング(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズでのダイビング(撮影:中村卓哉)

今回はエキスパートチームとして完全にフリーで潜らせてもらったため、ガイドが何かを見せてくれるような潜りではない。
まずは手つかずの未開の海を体全体で感じてみようと思った。

おそらく日本に戻ってから「何が見られるの?」「どんな写真が撮れる?」「この場所を今後開拓していく価値はあるの?」等々ご質問をいただく事だろう。
しかしそのような質問に即答できるスケールの海ではない事は確かだ。

実際ナイトダイビングでマダラトビエイが目の前で身を翻し、グレーリーフシャークが水深50メートル以上の深場で何匹もぐるぐるとまわっているのが見えた。
巨大なナポレオンが何度も通り過ぎ、ゾディアックで移動中に船首でマンタが跳ねていた。

しかしながらここの生き物達は容易に写真におさめることができない。
生き物がすべて「Too shy,Too far」なのだ。

人馴れしていないと言えばそれまでだが、サンゴの姿も魚たちの反応も太古から変わらぬありのままの姿でずっとそこに存在しているのだ。
そのありのままの自然の姿こそ、この海の一番の魅力なのである。

パプアニューギニア・コンフリクトアイランズでのダイビング(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズでのダイビング(撮影:中村卓哉)

今回クルーズの間に3日間で8本という貴重なダイビングの機会を与えられた。
通常の取材ではこの本数はかなり少ないかもしれない。

しかしなんせこの場所はほとんど潜った者がいない海域。
ダイブショップも無ければ、海の地形を知るガイドもいない。

そんな海での1本1本は濃密さが全く違うのだ。
その証拠に海洋生物学者の顕位トニー・エイリン氏が一本(50分)のダイビング中にチェックした生物はなんと100種類を超えていた。

海洋生物学者の顕位トニー・エイリン
 
今回ご紹介した写真はコンフリクトアイランズの魅力のほんの一部である。
出来ればもう二度三度は訪れてみたい。

それはこの海域がパプアニューギニアの海の無限の可能性を感じる場所だと確信したからだ。

ダイビング以外の時間は専門家の貴重なプレゼンテーションやイアン氏によるいくつかの島でのオリエンテーション、そしてこの地を訪れた数少ない者同士のコミュニケーションの時間に費やされた。
それは何ものにも替えがたい濃密な時間であった。

コンフリクトアイランズでのクルーズ

パプアニューギニアの新しいダイビングスポットとなるであろう「コンフリクトアイランズ」。
今後この場所から目が離せない。

今回、中村氏にレポートしてもらったコンフリクトアイランズは、共有所有権をおよび個人の高級住宅用に個々の島、あるいはプロットの購入に興味を持っている人を現在探している。
※興味のある方はこちらまで。
Conflict Islands – Paradise in the Coral Sea

Photo Gallery(撮影:中村卓哉)

水中編

パプアニューギニア・コンフリクトアイランズでのダイビング(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズでのダイビング(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズでのダイビング(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズでのダイビング(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズでのダイビング(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズでのダイビング(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズでのダイビング(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズでのダイビング(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズでのダイビング(撮影:中村卓哉)

陸上編

パプアニューギニア・コンフリクトアイランズ(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズ(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズ(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズ(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズ(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズ(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズ(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズ(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズ(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズ(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズ(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズ(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズ(撮影:中村卓哉) パプアニューギニア・コンフリクトアイランズ(撮影:中村卓哉)
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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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