捕鯨
日本人には古くから捕鯨の対象として関わりの深いクジラ(イルカ)。
我々ダイバーにとっては憧れの存在だ。
そんな捕鯨に関連して、《シーシェパード》による反捕鯨活動が日本を騒がせている。
今回の反捕鯨活動。日本人とオーストラリア人の声は報道されるが、
あまり耳にすることのない、オーストラリア在住日本人の声をお届けしよう。
お話をお聞きしたのは、ヨシさん・ギンちゃんの愛称で親しまれている、
ケアンズの日本人ダイビングガイドの草分け的存在の足立善信さん。
■足立善信さん
京都大学在学中にインストラクターになり、院に進んだものの、’85年に渡豪。
’86年に成田-ケアンズ直行便が就航し、日本人ダイバーの増加を見込んで、
ケアンズの老舗店《プロダイブケアンズ》に就職。
その後、《グレートアドベンチャーズ》のダイビング部門の責任者などを経て、
現在はケアンズ最大のGBRツアー専門会社《クイックシルバーグループ》で活躍中。
―捕鯨の現地報道―
今回の反捕鯨活動の事件について、メディアの扱いで興味深いのは、
日本の場合、
「船に妨害行為(スクリューへの被害や悪臭薬品のビン投入)を行い、無断で乗船した」と報じられてますが、
オーストラリアでは、
「妨害行為のことはなく、ただ乗船して違法を訴えた」がほとんどでした。
船の名前は、あの国家的英雄(?)“クロコダイルハンター”・故スティーブ・アーウィンの
名前からとった「スティーブ・アーウィン」号。
パイレーツのような船旗を何度も見せる日本(NHK)と
「速やかに安全に二人を帰せ、でも日本から動きがない」というオーストラリア。
そんなオーストラリアに対して、
「返すことに同意した。が、わざと遅らせて日本を悪く見せようとしてるのでは?」という日本。
また、こちらの国営放送ABCTVがシーシェパードのオーストラリアの代表にインタビューしていて、
「あなた方は日本の捕鯨船はテロリストと言っていますが、
今回の行為はあなた方がテロリスト行為なのでは?」に対し、
「日本の行為は絶滅に瀕する貴重なクジラを殺すテロリストだ」と反論。
明かに両国のメディアのこの件に対する扱いの違いがあり、
それを見聞きして判断する国民は当然影響を受けていますね。
こちらのサイト(サイト2)の視聴者からのコメントを見ればわかると思いますが、
大半の人は「何で絶滅しそうなあんなかわいい哺乳類を捕るんだ?信じられない」という意見ですね。
対して日本人は
「そんなこと言っといてオーストラリア人は国旗のかわいいカンガルーをレストランで食べているジャン」という意見。
私にはクジラなんて小学校の給食で角煮があって、
「おいしくない」というイメージしかないので、
「なぜ調査目的で年間900頭も捕るのかな?」
「わざわざ文句言う人がいるオーストラリアの近くじゃないとだめなのかな?」と思います。
でも、「それで生きている人たちがたくさんいるから止められない」という日本人が多くいると思うのですが。
オーストラリアの教育環境、自然観は違いますね。
人口が少なく、陸地が大きく、現在は炭鉱産業が絶好調(特に中国への輸出)で、
漁業に対する重点度は日本に比べて非常に低く感じられます。
良い意味、環境保護が先走り、新政権ではもしかすると、
年内にスーパーのあの白いビニール袋が撤廃されるかもしれません。
※ちなみに「オペレーション・ミガルー」のミガルーというのは、
毎年グレートバリア北から南に南下する白いクジラの名前で特別視されてます。