減圧症から美容整形のダイビングへの影響まで。DAN USAの充実した「よくある質問」

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DANのホームページAlert Diverの医学の関係の、よくある質問は、大変ためになるページであります。

やどかり仙人コラム

「糖尿病ですが、高血圧ですが、ダイビングができるでしょうか?」といった質問から、「減圧症の再圧治療をしました、いつダイビングに復帰できますか」まで、私たち平均的ダイバーの気にかかるほとんどの健康上の質問に答えております。
その充実度はすごいものがあります。
英語ではありますが、近頃は翻訳ソフトに貼り付ければ、大方の意味は分かるという、ありがたい時代であります。
ぜひご覧あれと申し上げたい。

タイのカオラック、ムクダラ・ビーチ・ヴィラ&スパ・リゾート(撮影:越智隆治)

外科手術をしたところに減圧症が起きやすいやすいとは、ダイビングのテキストなどに書かれております。
手術とダイビングというと、多くのダイバーにはやや遠い話に聞こえるのでありますが、さにあらずであります。

レーシックや美容整形がダイビングに与える影響は?

最近では別段病気といえないような体調を整えるためにも、多くの外科的な治療が行われる時代です。
たとえば、眼科系では近視の矯正のレーシック治療などをはじめ、人工レンズの挿入などはごく多いようであります。

とくに女性方には、美容整形の手術を受ける方も少なくないと聞いております。
その多くはシリコンなどを埋め込む、多量の薬液を注入するなど、実質は立派に手術あります。

そこでDANにも美容整形手術を受けた女性(女性だけとは限りませんが)から質問が寄せられております。
題してプラスティック手術。
ドキッとしている女性ダイバーもおられるかもしれません。

浮上スピードをどうする、死亡事故をどうして防ぐ的な質問から、美容整形手術とダイビングといった問題まで 守備範囲となるとDANも大変だと同情しますぞ。

その質問は、豊胸手術、フェイスリフト(しわとり若返り)、隆鼻術、脂肪吸引、ボタックス注射といった、メンバーの美容関係の質問がずらりと並んでおります。

美容整形手術といっても、中には、かなり大がかりのものもあるようです。
当然その手術のがダイビングにどう影響するのか、またどれぐらい経過したらダイビングができるのか、いろいろ心配の種であります。

ダイビングのポピュラー化は、こんな質問という形で具体化するのですな。

DAN USAを支えるダイビング人口

アメリカでは年間50万人が胸にインプラント手術を受けているのだそうな(もちろん全員が美容手術ではないでしょうが)。
「この胸の詰め物に減圧症のリスクはないのだろうか」といった質問がDANに寄せられることになります。

とくに胸のインプラントについては、減圧症が起きないかという実験を、ダイビング後の飛行機搭乗の実験でレクレーションダイバーにはおなじみの、リチャード・ヴァン博士がわざわざおこなっております。
シリコン、サリンのジェル、あるいはシリコン、サリンを封入したインプラントつまり袋を、チャンバーで加圧、減圧して気泡のサイズを検証した結果が、紹介されています。

結果的には、あまり深刻なリスクはなさそうだということですが、わが身に心当たり関心のある方は、ぜひDANのAlert Diverメディカルインフォメーションのなかのよくある質問Answers to frequently asked questionsを検索してみてください。
他にも多くの美容整形手術後のケアについての説が載っております。

もちろん、ずらっと並んだよくある質問、これだけ読んでも、ダイビングのテキストブックより、グーンと濃い内容であります。
それが別段DANアメリカのメンバーでなくとも読めるのですから、まったくもってありがたい話であります。

アメリカのDANも基本的にメンバーの会費で運営される組織であります。
会員数18万人とも言われております、大所帯です。

結果、会員もさまざま、会員の体調もさまざまであります。
潜水医学の質問コーナーに美容整形の質問が寄せられる、そして回答情報がある。

上から目線の潜水医学的情報ではなく、現実的なメンバーの悩みに答える、これぞメンバーサービスと思うのです。
会員も集まるし、会員サービスもできるということになります
ホームページに2年前のイベントの予定が載ったままというどこかのDANとはダイブちがいます。
 
DANヨーロッパのホームページの潜水医学関係のよくある質問も、大変充実しておりますよ。

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PROFILE
1964年にダイビングを始め、インストラクター制度の導入に務めるなど、PADIナンバー“伝説の2桁”を誇るダイビング界の生き字引。
インストラクターをやめ、マスコミを定年退職した今は、ギターとB級グルメが楽しみの日々。
つねづね自由に住居を脱ぎかえるヤドカリの地味・自由さにあこがれる。
ダイコンよりテーブル、マンタよりホンダワラの中のメバルが好き。
本名の唐沢嘉昭で、ダイビングマニュアルをはじめ、ダイビング関連の訳書多数。
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