耳抜き不良は治ります!耳抜き不良の原因97%は“ヘタッピ”
耳抜き治療の連載とうたいながら、あいだに色々な原稿が挟まってしまい、第2回目の掲載が遅れましたことをお詫び致します。
さて今回は、「耳抜き不良の診断」についてお話ししましょう。
耳抜き不良の治療を行うためには、まず、原因を調べる必要があります。
耳管機能検査という15分ほどで調べられる検査があります。
つばを飲む嚥下法の耳抜き具合を調べる「音響耳管法」と、鼻をつまんでいきむバルサルバ法およびフレンツェル法(※編注)の耳抜き具合を調べる「気流動態法」の2種類があります。
(編注)
・バルサルバ法:鼻をつまんで力む方法
・フレンツェル法:鼻をつまみ、唇をマウスピースに密着させ、声門を閉じ、舌の後方を軟口蓋(咽頭の奥=上咽頭)に押し当てる方法
耳抜き検査では多くのダイバーが「抜けていない」
ダイビングで耳抜き不良が起きると、ダイバーはいろいろな耳抜き方法を試してみて、何をやってもダメだから当院を受診するという流れです。
ですので、嚥下法もバルサルバ法も、ほとんどの方が「耳が十分抜けていない」あるいは「まったく抜けていない」という結果が出ます。
耳抜きは、とてもよく抜ける以外、時間をかければ抜けるとか、何とか抜けるという状態は、耳を壊しやすい状態ですから注意が必要です。
検査で、嚥下法でよく抜けて、バルサルバ法では抜けない結果の方の中には、バルサルバ法しかやったことがなかった方も希にいるので、そういう方はバルサルバ法から嚥下法にスイッチしてもらえば良いだけです。
嚥下法は、治療や訓練がかなり困難で、しかも長期間が必要になります。
ですので、嚥下法で抜けない人は、訓練が簡単なバルサルバ法の訓練を行えば良いのです。
バルサルバ法で耳が抜けない方のそのほとんどが、やり方が理想的なバルサルバ法からかけ離れているのです。
簡単に言えば、「へたっぴ」なのです。
どんなに下手なバルサルバ法でも、耳がとってもよく抜けていれば潜水現場で問題になりません。
でも、耳抜き不良が起きる人は、理想的な耳抜きを行う必要があるのです。
その訓練には、のちのちにお話しする「オトベント」を用います。
来院する耳抜き不良ダイバーの約97%は、嚥下法で抜けずにバルサルバがへたっぴで、オトベントを必要とします。
よく、耳抜き不良の原因として、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの「鼻が悪いから」という話を聞きますが、これはたまにしかないことなので、ほとんど都市伝説といってよいでしょう。
これについては次回お話ししましょう。
また、鼻中隔湾曲症があると耳が抜けないという耳鼻科医もいますが、それも完全な都市伝説です。
鼻の奥は両側の鼻の穴が一つになって、上咽頭という空間になります。
そこに耳管の出入り口があるので、どんなに鼻中隔が弯曲していても、完全に片鼻が塞がっていたとしても、耳抜きには関係ないのです。