グーグルの密漁との戦い ~グローバル・フィッシング・ウォッチ~
昨年、日本でサンゴの密漁が話題となりましたが、密漁や違法な漁獲は世界的にも大きな問題です。
しかし、どうやらこの問題の解決にも、あるツールが役に立ちそうです。
それは、地球上の漁業活動を追跡できるこのウェブサイト。
グローバル・フィッシング・ウォッチは、グーグルが米海洋保全団体OCEANAとデジタル地図作成団体Sky Truth (スカイトゥルース)と協力して生み出したもので、衛生データとグーグルのコンピューター資源を利用し、ほぼリアルタイムで漁業活動をネットで表示しています。
地球上のどこで漁獲が行われているのか、誰でも分かるのです。
OCEANAの米国海域担当バイスプレジデント、ジャッキー・サビッツ氏によりますと、違法・無報告・無規制漁業は海の長期的な健全性を最も脅かしています。
漁業が禁じられている海域での操業、絶滅の危機にある水産物の漁獲や漁獲量を正しく報告しない事は、世界的に経済的損害をもたらし、魚の個体数を激減すると言います。
さらに、英ファイナンシャルタイムズ紙によりますと、違法漁船や密漁は、2014年11月の時点で毎年最大で230億ドルの経済損失をもたらしているそうです。
では、「グローバル・フィンシング・ウォッチ」で、どうやって密漁の問題解決へ向かうことができるのでしょうか?
サビッツ氏によると、漁業の経営や管理に関わっている組織や地方自治体は、このツールで違法漁業をネットで把握できるだけでなく 、違法に捕まえられた水産物の市場参入を防ぎ、制限を実施する事ができます。
最終的には、違法漁業に関わっている漁船を特定し、漁業活動を追跡し、監視して情報をシェアする事も可能になります。
さらに、個人や自治体、漁業経営や管理団体などのための全体的な海域情報源にもなって欲しいとサビッツ氏は願っています。
プライバシーの侵害かもしれないと懸念の声も上がっていますが、サビッツ氏は「Exact EarthやSpacequest等の衛星データ事業者を通して漁船の場所はリアルタイムですでに公になっており、運送業社、自治体や水産会社などはもうすでにそんな衛星データを利用して、自分達の船をフォローしている」と言います。
グローバル・フィッシング・ウォッチを通して、これまで以上により多くのことがクリアになるでしょう。
また、地球の生態系を守るために上手く機能してくれるかもしれません。
こうした取り組みが今後どんな効果をもたらすのか関心が高まりそうです。