世界のトップ・フリーダイバーが集結! バハマ国際大会「バーチカルブルー2016」開幕

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(文/フリーダイバー・武藤由紀)

2016年4月22日(金)から5月2日(月)までの12日間、バハマ・ロングアイランドのDeans blue hole(ディーンズブルーホール)にて、世界中のトップ・フリーダイバーが集結する大会VerticalBlue2016(バーチカルブルー)が開催されます。

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私もトップ選手に混じってひっそりと、昨年この大会に参加しました。
この季節のブルーホールは気候も良く、透明度も素晴らしく、日々の緊張感や感動、フリーダイビングに没頭していた日々を、昨日のことのように思い出して、今すぐ現地に飛んで行きたいくらいです。


(昨年の大会のダイジェストムービー)

10年以上続くこの大会は島のちょっとしたお祭り(?)のようで、島の人たちもとても親切。
今年も日本人選手達は島のロクスレーおじさんにまるで親戚のように面倒を見てもらっている様子です^^

昨年、みんなのバハマのお父さん、Locksleyを囲んで

昨年、みんなのバハマのお父さん、Locksleyを囲んで

昨年の秋にはハリケーンに襲われた島。
今でも嵐の爪痕は残っているようですが、現地の選手達の様子をネット越しに見る限り、のんびりとした島の風景はそのままのようで、ホッとしています。

最高峰の大会

さて、バーチカルブルーは、数あるフリーダイビング大会の中でも特別中の特別。
最高峰の大会と言っても過言ではないのではないかと思います。

なぜ、バーチカルブルーが特別なのか? という詳細はコチラをご参照下さい↓
http://www.junkstage.com/yukimuto/?m=201311

【大会の概要と特徴】
・開催地Dean’s Blue Holeは海況が安定しており、年間通して一定のコンディションで競技が可能。
・ひとりの選手が9日間(レスト含め11日間)のうち6回競技できる。出場種目はCWT、FIM、CNFのいづれかの深度競技から自由に選択。競技前日に種目と深度を申告する。(これまでの競技結果や前日の体調など様子を見て申告が可能)

これまで4月というのはどの国の選手にとっても完全にシーズン初めの大会……だったはずが、もはや皆さん、この大会に照準を合わせて冬の間から調整して臨んでいるようです。
いやーーーすごい。

大会開始の1ヶ月程前から現地入りするのは当たり前、さらにその前に別の場所でトレーニングに励んでから臨む選手も数多い。
自由に参加できる大会ではあるのですが、必然的に、選ばれた選手が大記録を目指して集結することになります。
ナショナルレコードや、ワールドレコードが連発します。

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加えて大会スタッフも一流ぞろい。
ハイレベルなセーフティスタッフ(本人達もナショナルレコードホルダーだったりします)や慣れた環境で競技に臨めるということは、シビアな深度を潜るこのスポーツにとって、とても重要な点です。

 安心感抜群のすばらしいセーフティチームに囲まれて浮上


安心感抜群のすばらしいセーフティチームに囲まれて浮上

今年の大会

さて、初日のスタートリストが出ました!

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※スタートリストの見方の説明です。左から
Top Time ⇒潜行開始時間(この2分前からカウントが入ります)
Athlete⇒選手名、国籍
Discipline⇒種目名(CWT、FIM、CNFの3種目)
Announced depth⇒申告深度(この深度にロープがセットされ、これ以上深くは潜れない)
Announced dive time⇒申告時間(潜行時間の目安。判定には関係ないけれど、トップ選手ほどこれがとても正確なことが多い)
Record attempt?⇒ WはWorldRecord(世界記録)NはNationalRecord(国内記録)

※CNF、FIM、CWTってナニ?という方、競技説明はこちら
http://www.junkstage.com/yukimuto/?p=575

今回のトップバッターは日本の廣瀬花子選手のCWT88m。
公式自己ベストへの挑戦。
そして、なんと初日から、驚きの日本記録の申告が2つも!

・木下さゆり選手のCNF(フィンを付けずに平泳ぎで潜る)68m、自身の公式日本記録61mを大きく上回る記録に挑戦。
・福田朋夏選手のCWT(フィンを付けて潜る)93m、これまで日本女子の公式記録90m超えはチャンピオン岡本選手の92m(世界第三位!)のみ。これを越える日本記録への挑戦。

昨年も「SOY POWER」と言われてVBのメダルを総なめした日本人女子。

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今年は更にぶっちぎって凄過ぎて、今世界はビックリざわついております。

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【VerticalBlueの観戦&応援】
毎度ながら、フリーダイビングはwowwowでもcatvでもネットでも生中継はしていません。
毎日、競技前日に選手は申告を行い、スタートリストが発表になります。
それをもとに、ネットで該当ページを開いてスタンバイ!
これがバーチカルブルーの観戦方法です。
以前は実況中継、なんていうものもありましたけれどね。

<大会関連ページ>
◆公式/申告&リザルト(VB公式サイト)ほぼリアルタイム更新
http://2016.verticalblue.net/results/?action=days
◆公式Facebook (こちらは写真付きで情報が上がることも)
https://www.facebook.com/verticalblue

◆公式twitter
@vertical_blue

日本との時差は-14時間です。
完全に昼夜逆転しますので寝不足ご注意です。

たくさんのナイスパフォーマンスを楽しみにしています。
でも私にとっては……というより、たぶん日本から応援しているみんな大記録よりも、現地の美しい風景、そして何より選手達の笑顔を見ることがもっともっと、ずーっと楽しみなのです。

各選手のページもぜひご覧下さいね!

<日本人各選手の公式ページ>
篠宮龍三
https://www.facebook.com/ShinomiyaRyuzo/

岡本美鈴
https://www.facebook.com/freedivermisuzu/

福田朋夏
https://www.facebook.com/freedivertomoka/

廣瀬花子
https://www.facebook.com/FreeDiverHANAKO/

木下さゆり
http://qq2q.biz/txCz

福本幸子
https://www.facebook.com/sachikojudyfukumoto/

遠く離れていると数字しか見えませんが、VBでは毎日選手ひとりひとりにドラマがあり、その奮闘を応援しています。

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どうか事故なく、選手たちが最高の環境で、最高の笑顔を私達に届けてくれますように。
地球の裏側から、エールを送りましょう!

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※この記事は「一芸ライターによるWebマガジン、ジャンクステージ『人魚の武者修行』からの転載です。
http://www.junkstage.com/

以上、解説は武藤でした。

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PROFILE
Apnea AcademyAsiaフリーダイビングインストラクター。 2015年フリーダイビング日本代表選手。CWT(フィンをつけて潜る競技)では水深-60mの公式記録を有する。オーシャナ主催のスキンダイビング講習会ではメイン・インストラクターをつとめる。また、自ら主催するフリーダイビング&スキンダイビングサークル「リトル・ブルー」や地元葉山での素潜りを通じ、素潜りや水の世界の素晴らしさを伝える活動をしている。
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