日本初!沖縄県恩納村がグリーン・フィンズ(Green Fins)導入〜協力ダイバー(アセサー)募集中〜
日本初!
沖縄県恩納村がグリーン・フィンズ導入
「青の洞窟」をはじめ、真栄田岬や万座毛など人気ダイビングエリアを要する、沖縄本島北部に位置する恩納村。
豊かなサンゴが広がるこの地で、サンゴ礁の生態系を保全するためのプログラム「グリーン・フィンズ(Green Fins)」が、日本ではじめて導入されます。
諸外国では、政府主導で導入されることが多いグリーン・フィンズですが、恩納村は、世界ではじめて自治体主導で導入することになりました。
グリーン・フィンズは、環境に配慮したダイビングやシュノーケリングのガイドラインと、それをダイビング事業者がきちんと遵守しているかについて評価するための仕組みを確立しています。
2004年にグリーン・フィンズが設立されて以来、11カ国・約600のダイビングショップが認定されてきました。
今回、この認定を行う「アセサー」を一般ダイバーから募集します。
海洋環境、サンゴ礁に関心が高いレクリエーショナルダイバーにとって、注目の情報ですね。
サンゴ礁の生態系を保全するための取り組み
“グリーン・フィンズ”とは?
グリーン・フィンズは、2004年、国連環境計画(UNEP)が、リーフワールド財団との協力のもとはじめた取り組みです。
環境に優しいガイドラインを通じて、持続可能な観光、ダイビング・シュノーケリング事業を促進し、サンゴ礁を保全することを目的としています。
サンゴは豊かな生態系をもたらし、そこで生活している人の食料源や観光資源となるほか、防波堤としての役割など、私たち人間生活にとっても、重要な役割を果たしています。
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自然保護団体・ネイチャーコンサーバンシーによると、観光業において、サンゴ礁がもたらす経済効果は、約20億円にものぼると言われています。
(How Tourism Can Be Good for Coral Reefs(2017年)/自然保護団体・ネイチャーコンサーバンシーより)
ここには、ダイビングやシュノーケリングといった、直接的にサンゴやその周りの生物に触れ合うアクティビティだけでなく、美しいサンゴ礁や生態系に触れる機会を提供するリゾート観光における経済効果も含みます。
一方で、しっかりした管理を伴わないダイビングやシュノーケリングをベースとした観光業によって、サンゴの生態系が影響を受けているのも事実です。
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グリーン・フィンズでは、ダイビング・シュノーケリング事業者が、この基準を取り入れ、サンゴ礁・海の環境に優しいダイビングサービスを提供できるよう、トレーニングやモニタリングを実施しています。
具体的な内容としては、サンゴを触る、踏むといった、ダイビングやシュノーケリング中の禁止行為や、浮力コントロールの練習、海底から距離を保つといった、ダイバーの義務などを定めています。
また、一般ダイバーへの意識の啓発として、メディアやイベントを通じて、グリーン・フィンズ自体の取り組みや、導入した国・事業者の実績を積極的に発信することも行なっています。
導入した各国では、グリーン・フィンズが主体となり、行政や地元のNGO・企業などと連携し、その地域に合ったプロジェクトを実施しています。
地域に根ざした活動にすることにより、この取り組み自体を持続可能なものとし、さらに、海の環境やその環境に関わるビジネスが、持続可能になることを目指しています。
現在ではアジア諸国を中心に、11カ国に国の施策として導入されています。
毎年約2000人のダイビングやマリンアクティビティに関わる事業者が、トレーニングを受け、約110,000人の観光客に対して、グリーン・フィンズのメンバーや資料を通して、サンゴ保全や持続可能なダイビングはどういったものかについての周知が行われています。
各地でのそうした活動の結果、実際に、2004年の創設以来、世界の56のダイビングスポットにおけるサンゴ礁への観光業からの直接的な影響は、平均して37%減少しているという調査結果も出ています。
恩納村「サンゴの村宣言」SDGsプロジェクトの
一環としてグリーン・フィンズを導入
恩納村は、2018年7月に「サンゴの村宣言」をし、翌年2019年に「「サンゴの村宣言」SDGsプロジェクト」を始動させました。
その中で設定した、目指す姿の1つ「世界水準のスマート・エコリゾート」を実現するための活動の一環として、グリーン・フィンズを導入することに決定しました。
恩納村は、沖縄本島中央部の西海岸側に位置する、南北に27.4km、東西に4.2kmに広がる細長い形の村です。
西側の美しい海岸線にはサンゴ礁の青い海が広がり、東側は緑溢れる丘陵地が続く、豊かな自然が恩納村の最大の特徴です。
プロジェクトでは、このサンゴ礁の海をはじめとした、自然環境を守っていくことが、村の発展のため重要な課題として、位置づけられています。
というのも、恩納村の産業の軸となっているのは、漁業と観光業。
どちらもサンゴ礁の海の恩恵を大きく受けているからです。
これまでも、行政では排水や赤土の流出の削減や、恩納村漁業協同組合を中心としたオニヒトデの駆除、サンゴの養殖・植え付けといった、サンゴ礁保全再生活動を実施してきました。
今後は行政だけでなく、村民にもサンゴに優しいライフスタイルを啓発するため、エシカル商品の推進や自然を学ぶ場づくりなどにも、取り組んでいく予定が組まれています。
また、恩納村は、世界一の持続可能な海のリゾート地として発展するため、リゾートと環境が共生した、世界水準のスマート・エコリゾートの確立を目指していきます。
ホテルや観光産業の質の向上を推進する一方、OIST(沖縄科学技術大学大学院)の環境分野の研究成果を活用し、自然環境をアクティビティの場としながら、守り育くむことができる、商品やアクティビティの開発、PRにも取り組んでいきます。
この活動の中で、グリーン・フィンズは、サンゴに優しいダイビングやシュノーケリングを村全体で提供していくために、導入されることになったのです。
一般ダイバーから募集する
グリーン・フィンズ「アセサー」とは?
今回募集するアセサーの役割は、大きく下記の2つです。
・恩納村のダイビング・シュノーケリング事業者に対し、グリーン・フィンズのガイドラインを促進すること。
・認定を受けた事業者が、そのガイドラインに沿ったサービスを提供できているか、評価すること。
「現在ダイビングショップで働いている」もしくは「インストラクターやガイドとして営利目的の活動をしている」ダイバーの方は対象外です。
また、評価するだけでなく、現地のダイビングショップと関わることで得た情報や知見を、グリーン・フィンズメンバーの間でシェアすることで、環境の改善に向けたより質の高い問題解決に繋げられることを期待されています。
アセサーは、実際に現場の事業者と関わり、問題解決を進めていくメンバーとして、このプロジェクトでは重要な役割を担います。
具体的な活動は、以下の内容です。
・受講後は、年に1〜2回、3〜4日恩納村へ滞在し、グリーン・フィンズ導入店、インストラクターの評価を実施
・1店舗あたり2名のアセサーで1.5日かけて評価
1回の滞在中に2店舗を評価することを想定
グリーン・フィンズ「アセサー」
募集要項
条件
・ダイビング経験本数最低50本
・PADIアドバンスオープンウォーターダイバー以上もしくはそれと同等以上の資格をお持ちの方
・ダイビングショップで働いていない、もしくはガイド・インストラクター業務を営利目的でされていない方
・日本国内に在住、もしくは永住権をお持ちで、日本語が堪能な方
・アセサーになるためのトレーニングに参加できる方
場所:沖縄県恩納村および周辺のダイビングポイント(天候によって変更の可能性あり)
費用:自宅から最寄り空港までの交通費、食費など
※最寄り空港からの往復航空券、宿泊費、トレーニングにかかる経費(教材費、ダイビング費用など)はかかりません。
募集人数
最大6名
募集期限
2020年4月15日
応募方法
下記応募フォームより応募ください。
応募フォーム
※募集は締め切りました。
合否について
書類選考通過した方にのみ、担当より連絡がきます。
その後、ウェブ会議にて面接をし、面接合格へ合格連絡がきます。
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サンゴの白化、死滅の問題は、生態系が崩れるだけでなく、その地域の産業や経済にとっても、大きな問題に繋がっています。
今回アセサーに応募してくれる方はもちろん、興味のある方はこの記事や活動を拡散したり、活動に参加するダイビングショップを選んだりすることで、問題解決の一助になるでしょう。
一般ダイバーが、グリーン・フィンズの活動に関わることができるチャンス。
ご興味のある方は、応募してみてはいかがでしょうか?