サンゴ保全、ダイバー向け“環境を学ぶコース”がグリーン・フィンズで開始!

サンゴ礁の生態系を維持するための環境に優しいダイビング・シュノーケリングの国際的なガイドライン「Green Fins(グリーン・フィンズ)」。グリーン・フィンズは国連環境計画(UNEP)とリーフワールド財団により運営され、世界中のダイビングショップへの導入が進められている。日本では2020年に初めて恩納村役場が導入。そして2021年7月、グリーンフィンズは新たな取り組みとして、サンゴ礁の保護方法を学べる「グリーン・フィンズ ダイバー eコース」を開始した。

ダイビング中、サンゴ礁に触れてしまうダイバーは約70%

グリーン・フィンズによると1回のダイビングでダイバーがサンゴ礁に触れてしまう割合は約70%。その数は平均5.79回だという。そのうち36%の人が触れてしまったことにすら気が付いていない。サンゴ礁はほんの少し折れただけでも回復には数ヶ月を要することがある。年間100万人以上の新たなダイバーが認定されるなかで、サンゴ礁をはじめとする海洋生物へのダイビングによる影響は大きな問題であることは確かだ。しかし、ダイバー自身が環境の知識を持っており、サンゴ礁への影響を理解している場合、サンゴ礁へ与える影響は極めて低くなる。こういった背景から、グリーン・フィンズは「グリーン・フィンズ ダイバー eコース」を2021年7月14日より開始した。

「グリーン・フィンズ ダイバー Eコース」の内容とは

このコースでは、持続可能なダイビングを目指して、すべてのスキューバダイバー(プロ、初心者問わず)を対象に環境に配慮したダイビング方法・器材の取扱方法・水中撮影の方法、そして海中以外の場でできること、などをe-ラーニングで学ぶことができる。2019年に開始した「グリーン・フィンズ ダイブガイドeコース」という環境に配慮したダイビング方法を学べる無料のコースがあるが、今回の「グリーン・フィンズ ダイバー eコース」は環境問題にもう一歩踏み込んだ持続可能なダイビング方法について、さらに学べる内容となっている。このコースを受講することで、ダイビングによる環境破壊のレベルを下げることが証明済みだという。

気になるコース詳細

グリーン・フィンズ ダイバー eコースは誰にでもわかりやすい内容で構成された3つモジュール(パート)に分かれている。
モジュール1
サンゴ礁の生物学、海に対する世界/地域的な脅威、グリーン・フィンズの内容について紹介。
モジュール2
環境にやさしいダイビング旅行のしかた、海中以外の場でできることのヒントを紹介。
モジュール3
環境への影響を最小限に抑えたダイビングやより長く海洋生物と交流するためのヒント、環境に配慮した水中写真家になるための方法を紹介。

各モジュールの最後には簡単なテストがあり、このテストに合格すると見事コース修了となる。また、このコースは19ポンド(約2,800円*)で受講でき、修了時に個人用の電子証明書が発行される。証明書の有効期限は2年間。コースの内容は、環境問題に対して最も優れた最新の情報に基づき定期的に更新されるため、コース受講から2年後にコースの再受講を推奨している。なお、このコースの収益は、世界各地で実施しているグリーン・フィンズプログラムの活動に充てられる。
*2021年7月現在


▶︎グリーン・フィンズ ダイバー eコース詳細

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PROFILE
0歳~22歳まで水泳に没頭し、日本選手権入賞や国際大会出場。新卒で電子部品メーカー(広報室)に入社。同時にダイビングも始める。次第に海やダイビングに対しての想いが強くなりすぎたため、2021年にオーシャナに転職。ライターとして、全国各地の海へ取材に行く傍ら、フリーダイビングにゼロから挑戦。1年で日本代表となり世界選手権に出場。現在はスキンダイビングインストラクターとしてマリンアクティビティツアーやスキンダイビングレッスンを開催。
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