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持続可能な漁業を目指すサステナブル・シーフードとは?閲覧無制限

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TOPICS, FOOD
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健康志向が高まると共に、魚の消費量も年々増えていると言われている。
人間の過剰消費からくる乱獲が相継ぎ、絶滅の危機の瀕している魚類が急増していると水産庁は伝えており、養殖業の普及により供給の増加分を賄ってはいるものの、この現状が続いていくと魚介類の漁獲量は減り、漁業界が崩壊する恐れがあるのではないかと問題視されているのだ。
これから先も私たちの食卓に魚類が並ぶ未来を守るべく、現在取り組まれている政策を紹介していく。

あなたは知ってる?水産エコラベルについて

水産資源や環境に配慮した漁業で獲られたり、養殖されたりした魚介類のことを「サステナブル・シーフード」という。
その証明として、MSC認証とASC認証の2つの制度が設けられており、厳しい国際基準をクリアした認証漁業、養殖業で漁獲、生産された水産物にのみに付くエコラベルが目印になっている。

MSC「海のエコラベル」:持続可能な漁業で獲られた水産物

MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)の認証を取得した漁業で獲られた水産物にのみ付けることができるラベル。
水産資源と環境に配慮し適切に管理された、持続可能な方法で漁獲された天然の水産物の証。
出典:https://www.msc.org/jp/what-we-are-doing/thisiswildJP

ASC認証:責任ある養殖により生産された水産物

ASC(Aquaculture Stewardship Council: 水産養殖管理協議会)の認定を取得した養殖の水産物。環境に負担をかけず地域社会に配慮して操業している養殖業の証。
出典 https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/1773.html

漁業の危機

年々下降の傾向にある日本の漁獲量。最近では漁獲不良により、かつては大衆魚ととして秋の食卓を定番であったサンマが、いまや手の出しにくい高級魚になりつつある。
実際に直面している漁業界の危機を知り、今後の私生活に役立ててほしい。

過剰漁獲が問題に

最も問題になっているのが、過剰な漁獲である。規定の漁獲量を守られていなかったり、誤った操業を行なっていたりする、違法漁業が要因としてあげられる。

それにより、きちんと漁をしている人々の生計をも脅かされており、膨大な損失を生み出しているのだ。
また、海外では毒やダイナマイトを使った破壊的な方法で簡単に魚を獲っている国もあるという。これらの行為を防ぐためにも、MSCは、シアン化合物や爆発物を使用する漁業を、認証審査の対象外としている。(*1)
エコラベルを取得するメリットとしては、商品価値の向上、宣伝効果、新たな顧客の確保などがあげられる。

輸入に頼る日本

漁獲量が低下しているのにもかかわらず、魚を食べることができるのは日本が輸入に頼ってきたからである。現在、国内で消費されている魚介類の半分を海外から取り寄せている。
しかし、輸入する水産物の割合が増えることは、輸送に伴う二酸化炭素排出の増加にも繋がる側面も。そう考えると、温暖化を防ぐためにも、輸入に依存することは避けるのが理想的だ。(*2)

養殖業の課題

長時間労働と収入の低下から漁業者が減っている一方で、養殖業者は増加傾向にある。しかし、養殖業にも多くの課題が立ちはだかっている。
餌原料となる天然魚の大量消費、養殖魚の脱走による生態系の攪乱など、環境に悪影響を及ぼす場合も少なくはない。更には、児童や奴隷などといった労働者の人権を侵害している養殖業が行われている報告もあるという。(*3)

漁業界の危機は当事者だけでなく、消費者である私たちも深く関係している。何気なく購入した商品が違法な方法で獲られていたり、人権を脅かしている養殖で獲られていたりすることも考えられる。
消費者である私たちが持続可能で適切に管理された商品選びをすることで、対象となる漁業資源やその周辺の海洋環境が守られていく。これからもずっと食卓に魚が並ぶ未来を築いていくためには、我々の正しい選択が鍵になるだろう。

【参考文献】
(*1):MSC(Marine Stewardship Council: 海洋管理協議会)「過剰漁獲、違法操業、破壊的な漁業」より
https://www.msc.org/jp/home
(*2)水産庁 「平成30年度の水産物自給率」よりhttps://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/24jikyuuritu.files/attach/pdf/29jikyuuritu-2.pdf
(*3)水産庁 「世界の漁業・養殖業生産」より
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/r01_h/trend/1/t1_3_1.html

Text:Natsuk Matsuda

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