各国に学ぶサステナブルな暮らし〜オーストラリア編③〜

先日投稿した各国に学ぶサステナブルな暮らし〜オーストラリア編②〜では、オーストラリアのお買い物事情についてご紹介した。日本に住む皆さんにとっても、何か生活のヒントとなるものが見つかったのではないだろうか。

最終回となる今回は、「オーストラリアのゴミ問題」がテーマ。エコ先進国と言われるが、実際のゴミ処理についてはまだまだ課題がありそうだ。

Text:Nodoka Sekido

長谷川佳苗さん

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毎日の生活ゴミ。その分別方法は?

街によって違いますが、一般的に家庭では2種類のゴミ箱があります。
一つは燃えるゴミで、もう一つはプラスチック容器、紙、ダンボール、ガラス瓶、アルミ缶などのリサイクル品全て。
家の前に大きなゴミ箱があって、ゴミの日になると各家庭をゴミ収集車が回ってくれます。

収集されたゴミは、ステーションでリサイクルできるように振り分けされています。
数年前までは日本と同様にオーストラリアも中国や東南アジアにプラスチックゴミを輸出してましたが、現在はそれができなくなって、自国のゴミを処理するのが困難になっています。

日本では焼却処理が主流で、その煙やエネルギーが問題視されていますが、オーストラリアではほとんどが埋め立て処理。それもそれで考えものですよね。
日本のように焼却して熱エネルギーに変えられているのは、オーストラリアでは全体のゴミの2%ほどのようです。

ゴミのリサイクルシステムについて

1996-1997年のオーストラリア全体のゴミは約22トンで、このうちリサイクルされていたのは7%だったそうです。つまり、リサイクルされずに埋め立てられてたゴミは21トン以上あったということ。
2016-2017年では54トンのゴミが出ましたが、58%がリサイクルされるようになりました。だから埋め立てられたのは1990年代と同じくらい。昔と比べたらリサイクルシステムは活発になったのかな、と言えますね。

出典:https://www.insidewaste.com.au/index.php/2019/08/14/a-review-of-the-state-of-waste-in-australia-in-2019/

ただ、鉄、スチール、紙、段ボールのリサイクル率は比較的高いようですが、プラスチック製品はリサイクルするのにコストがかなりかかるので、埋め立てられてしまうことが多いようです。
ただでさえゴミ収集車が各家庭にまわって、同じゴミ箱にひとまとめにされているリサイクル品の仕分けもしなくてはならないので、人件費や運送費などにかなりのお金がかかってしまうんでしょうね。

リサイクルすることももちろん大切ですが、それ以上にまずは根本的に出すゴミの量をどうしたら減らせるかを考えて生活するのが大切だな、と、しみじみ思います。

これは余談ですが、ここの街の人たち、みーんな裸足で歩いています!
家や庭だけじゃなくて、スーパーやレストランの中でも、ゲストの8割くらいが靴を履いていないんですよ。そのくらい、街が綺麗でゴミがなく、安全なのかもしれませんね(笑)。
海沿いだからっていうのもあるのかな。大きい街に行っても、たまに裸足の人を見かけます。

長谷川さんから見た、オーストラリアでのサステナブルな取り組みは?

オーストラリアってエコ、サステナブルな取り組みが活発に行われているというイメージが強いかもしれませんが、実際に住んでいるとやっぱり「あれ?」って思うことも多々あります。過剰にプラスチックパッケージに包まれていたり、環境に悪影響のある洗剤を使っている人が意外と多かったり。

ただ、海に面している街が多いから、環境にやさしく生きようという意識を向けやすい傾向はあるのかもしれません。特に若い人たちの間では、そういう意識を持った人が多いように感じます!

バルクショップやファーマーズマーケットは多いので、環境に優しい生活をしたいという人にとっては、工夫次第で様々な取り組みを実行しやすい環境ではあると思います。

-長谷川さん、3回にわたるインタビュー、ありがとうございました。

エコ先進国と謳われているだけに、「意外とエコじゃない」と感じる部分もあれば、「やっぱり意識が高い!」と感心できる部分も多々。
まずは海外の取り組みを知り、日本で過ごす私たちにもできることを考えてみることが大切。
日々のちょっとした工夫で、地球に優しい毎日を目指そう。

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PROFILE
神奈川県藤沢市在住。女性ファッション誌からキャリアをスタートし、現在はフリーランスの編集ライターとして活動。オーシャナでは美容やライフスタイル記事をメインに、エコライフのヒントとなるトピックを執筆。
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