各国に学ぶサステナブルな暮らし〜オーストラリア編②〜
昨日投稿した各国に学ぶサステナブルな暮らし〜オーストラリア編①〜は読んでいただけただろうか。今回は長谷川さんに聞いた、オーストラリアのお買い物事情を更に深掘り。現地ならではの取り組みを知ることで、日本の売り手、買い手、双方にとっての参考になればありがたい。
Text:Nodoka Sekido
長谷川佳苗さん
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気になる!エコバッグの使用率
オーストラリアで有名なスーパーといえば、ウールワース、コールス、IGA。
ウールワースとコールスは、2018年にレジ袋を廃止した代わりに厚手の布バッグを販売するようになったので、今ではそのバッグを使っている人が多いです。
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約70円で買えるエコバッグはしっかりマチがあって、もし破れてしまったらお店に持っていくと無料で替えてくれます。クーラーバッグも販売していて、それは2.5ドルくらいかな。
安くて丈夫で、壊れても変えてくれるので、エコバッグは日本より浸透している印象です。
大きなモール(日本でいうイオンのような複合施設)に行くと、大きなカートを引いてどのお店も自由に行き来ができるので、各お店で袋をもらわずに買い物をすることができます。全ての買い物を終えたら袋には入れずに、そのままカートを車まで運んでトランクに詰める、という光景もよく目にします。
自販機がないオーストラリア。マイボトルは使ってる?
日本のように自動販売機がないので、ペットボトルを持っている人は必然的に少ないと思います。
街を歩いていても、ほとんど見たことがない!持っている人がいたとしても、マイボトルのように繰り返し使っている人が多いです。
特にエックスマウスは海が近くて、サンゴが美しい街。だから意識が高い人が多いように感じます。
オーガニック食品を買いたいのに…
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大量生産のために薬品を使っている農家が多いので、オーガニックの商品は高く販売されている事がほとんどです。
あと、スーパーで売ってるオーガニックの野菜や果物ってプラスチック包装されていることが多いんです。虫がつきやすいからかな?だから、せっかくオーガニック商品を買いたいのにプラスチックを消費しなくちゃいけない、というジレンマもあります。
スーパーではバラ売りのものより袋売りのものの方が安いので、日本と同じく、一般的にはプラスチックの袋に入った商品を買う人の方がまだまだ多いと思います。
ちなみに、私はヴィーガンなのでお肉や魚を買わないのですが、エックスマウスにある鶏肉や卵はフリーレンジのものしかほとんど置いていません。これは日本のスーパーとは真逆なので、発見したときとても嬉しかったです。
肉や魚は、基本カウンターで量り売りのものが多いです。買うとビニールに入れてくれますが、タッパーやお皿を持参すればそこに乗せてくれますよ。日本で多いパッケージ売りタイプのものは、日持ちしやすいので価格もちょっと高いようです。
ヴィーガンの人はどこでお買い物するの?
2019年の時点で、オーストラリア国民の2%(40~50万人くらい)がヴィーガンという調査結果があります。この3年間で、ヴィーガン向け商品が約5倍に増えたという記録もありました。
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どのスーパーにもヴィーガン、ウェルネスコーナーがあるので、自分に合った商品が見つけやすいのは嬉しいです。マヨネーズやヨーグルトといった乳製品でも、ヴィーガン向けの商品が売られたりしているので食事の選択肢が広がります。ちょっと高いですけどね。
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また、一部のお店を除いてほぼ全てのレストランやカフェでヴィーガン向けのメニューが置いてあるので、外食に行っても困ることがないです。ヴィーガン人口が増えたおかげで、お店側もヴィーガンメニューを用意しないとお客さんが減ることを認識しているようです。
マクドナルドやドミノピザなどのファストフード店でさえヴィーガンオプションが大抵用意されています。そのなかでも私のお気に入りはハングリージャックス(日本だとバーガーキングのようなファストフードチェーン)に置いてあるヴィーガンバーガー。気軽に買えるし、美味しいですよ!
ちなみにエックスマウスでの私のオススメヴィーガンカフェは、ソーシャルソサエティ。
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見た目も可愛いし、なにより美味しい!
全てのメニューがヴィーガン、もしくはベジタリアン向けです。
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セカンドハンドショップを使う人が多い!
私があまり都市部に住んでいないからかもしれませんが、オーストラリアでは日本みたいに、そんなに頻繁に服を購入しておしゃれに気を使う習慣はあまりないように感じます。私自身もあまり服を買わないですし、周りを見ていてもたまに通販や古着屋さんでお買い物している程度というイメージが強いです。
どこの街に行っても必ずと言っていいほどあるセカンドハンドショップ(中古商品店)。
服はもちろん、使わなくなった雑貨や家具をそこに持って行ったり、逆に買い物したり。日本でいうハードオフみたいな存在。すごく安いのでみんなが当たり前に使っています。中古商品を使うことに対する抵抗は、日本よりは薄いように感じます。
日本にはまだなじみがない“バルクショップ”とは
バルクショップとは量り売りで食品や生活用品を購入できるお店のこと。
自分でビンやボトルを持っていくので、パッケージフリーでお買い物できるのは嬉しいですよね。
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日本でいうと駄菓子屋さんみたいな規模のお店です。
エックスマウスのバルクショップは品揃えが良くて、洗剤類やお米、野菜なども売っていますよ。日本にも上陸したシャンプーバー「エティーク」はこちらでもおなじみで、他のブランドのものと一緒によく並んでいます。
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ちなみにこのバルクショップでは、お客さんが家庭で要らなくなったビンやタッパーを寄付できるんです。だから「容器を忘れた!」という時でも、寄付されたビンをお店からもらって使うことができるのがすごく良いですよね。
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寄付された容器は棚に置いてあって、誰でも自由に使えるようになっています。
私もこの前、家で使っていなかったビンを大量にドネーションしました。
バルクショップを利用している人の年齢はバラバラですけど、20~40代あたりが多いかな。
やっぱり、オーストラリアでも若い人の方が環境に対する意識が高いように感じます。
-長谷川さん、ありがとうございました。
最終回となる次回のテーマは、オーストラリアのゴミ問題の実態。ぜひ読んで、生活の参考にしてみてくださいね。