三陸の海を取り戻せ!

Iwate / 岩手

東日本大震災で被災した岩手県にて「三陸ボランティアダイバーズ(仮称)」による水中清掃活動が始動

Photo&Text
楠哲也
Special Thanks
綾里漁業協同組合
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tomato
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Iwate / 岩手

東日本大震災で被災した岩手県にて「三陸ボランティアダイバーズ(仮称)」による水中清掃活動が始動

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三陸ボランティアダイバーズ

漁場調査、三陸の海は生きていた!

 ゴールデンウィークも半ばにさしかかった頃、ボランティアチームに漁協のほうから漁場調査の要請があった。震災以降、漁に出ることができていない漁師たちが一番気がかりだったのは、津波の影響で漁場がどのようになっているかということだった。家を流され、船を流され、漁具を流された彼らにようやく漁ができる日が来ても、水揚げできる物がなければ生活は成り立たない。綾里漁港では様々な海産物を水揚げしているが、中でもワカメ、ホタテ、ホヤの養殖棚は軒並み破壊され、大きなダメージを受けている。岸壁周辺の岩に着いている天然のアワビもガレの下に埋もれてやしないか心配だ。そもそも岩が流され地形が変わってしまっているのでは?さまざまな憶測が飛び交うなか、それならダイバーに入ってもらい水中の様子を調査撮影してもらおうという運びになった。

三陸ボランティアダイバーズ

 普段はダイバーが決して立ち入ることのできない漁場に、漁師たちの期待を一心に背負い潜る。水深5m〜10mの場所には小さなガレキが見受けられたが、私たちが見たのは一面に生い茂るワカメなどの海藻類が波打つさまだった。ウニ、ホヤはそこかしこに元気な姿をみせる。アワビも沢山生息し、これだけの環境が整っていればエサである海藻にも事欠かない。
 これぞ世界三大漁場の一つとされる三陸の海、予想以上の水中環境をカメラに収めた私たちは興奮して写真と映像を見せる。漁師たちは安堵の表情をみせ、今後の漁再開に向けて希望が持てた様子だった。映像は今後漁協側で詳しく解析し、養殖の種付けなどの参考にする。漁場調査はゴールデンウィーク中に別の場所で計3回おこなわれた。

河川の清掃や避難所での交流

三陸ボランティアダイバーズ

 ゴールデンウィーク中におこなったボランティア活動は水中清掃や漁場調査だけに留まらない。鮭が遡上する河口の清掃、漁港に併設されたナマコ養殖場の清掃、漁港での炊き出し、避難所でのお茶会開催、避難所への物資搬入など。水中清掃以外は女性ボランティアメンバーが参加しやすいものも多かった。被災地のニーズに応じたボランティア活動を心がけているが、お茶会や炊き出しなどは自分たちでアイデアを出し合い漁協や避難所で告知した上で開催した。結果、多くの被災者の方々に楽しんでもらい、ひとときの安らぎを感じてもらうことができた。お茶会ではリラックスした雰囲気で交流が進み、被災者とボランティアメンバーが涙ながらの別れになるほどであった。いずれも二回目の開催を望む声が多い。

三陸ボランティアダイバーズ

 話しを聞くだけでも被災者の方々のストレスを解消する手助けになる。時が経つにつれニーズは変化していくので、そのときどきに応じてこれからも様々な支援活動を続けていく予定だ。

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