自然写真家・高砂淳二×ロタホール
Rota / ロタ
高砂淳二が撮った青の世界!
Rota / ロタ
高砂淳二が撮った青の世界!
- Photo
- 高砂 淳二
- Text
- 寺山 英樹
- Special Thanks
- RUBIN(ルビン)、ロタリゾート&カントリークラブ
- Model
- 稲生 薫子
- Design
- 中村 孝子
- Special Thanks
- マリアナ政府観光局、NMDOA(北マリアナ諸島ダイビング事業者組合)、TUSA
地球を舞台に、心と自然の声に従って、「いつもその時に気が向いたものを撮っています」という自然写真家・高砂淳二がやって来たのはロタ島。
これまで対峙してきた、海、空、星、虹、雲などなど、地球の“もと”がギュッと凝縮されたこの島で、自然の叡智に導かれるように向かった先はロタホールだった。
高砂淳二×ロタホール
~記憶~
ロタホールに踏み入った瞬間、高砂淳二は、とある少女の言葉を思い出していた。
数年前、海をテーマにした写真展を開催した時、母に手を引かれて3歳くらいの女の子がやってきた。
女の子はしばらく海の写真を見つめた後、母の方を振り返ってひと言。
「おかあさんのお腹の中みたい」
――胎内の記憶――
「3歳の女の子の言葉を聞いたとき、海に浮かんでいる時の不思議な安心感や水に溶け込む感覚は、やはりその奥に、生まれる前の記憶か、人類が海の中にいた時の記憶が関係しているのかも、と素直に思いました」
地球にぽっかり空いた穴の中。
光のシャワーが降り注ぎ、水に拡散して煌めいている神秘的なシーンを目の当たりにした高砂は、その光景と少女の言葉を重ね合わせ、そして、深く納得した。
世界一美しいと言われるロタホール。
そこは、“母なる海”のお腹の中。
高砂が写真家として追い求めているテーマ、“地球をとりまく自然の神秘や生命とのつながり”そのものだった。
――青色は生命を育む色――
高砂が20年にわたって撮影し続けてきた“海の青”をテーマにした写真集「BLUE」
(小学館)。
出版に際し、「なぜ、青色なのか?」と問われた時に、高砂が残した言葉である。
「僕は“青”という色が、なにか自然の神秘を象徴するようで好きなんです。それに、海は生命の源で、“母なる海”と言われるくらいですから、僕が“青”に魅かれるのは、そんな“生命を育む色”に抱かれる安心を無意識に感じているのかもしれませんね」
時に50mを超える透明度が創り出す“ロタブルー”。
この特別な青と光の競演を堪能できる極上の舞台が、ロタホールだ。
ロタホール
~ROTA HOLE~
北マリアナが世界に誇るホールポイント。
横穴から中に進むと、目の前には縦穴から差し込む強烈な光の柱。時間と共に形を変化させる。
最初は、一筋の光がスポットライトのようには水底17mに差し込み、カーテンが広がるように徐々に幅が増していく。
そして、ついには放射状の神々しい光となる。
光の柱を越えて、さらに奥に進むと、小さなホールがあって、アカマツカサやハタンポが群れている。
エアドームになっているので、浮上すれば水面から顔を出せる。