岩手県・田野畑の海
Tanohata / 田野畑
こんな海中景観、見たことも聞いたこともない!
Tanohata / 田野畑
こんな海中景観、見たことも聞いたこともない!
- Photo&Text
- 越智隆治
- Edit
- 伏見典子
- Special Thanks
- たのはたダイビングサービス
- Design
- Panari Design
1億1千年前の地層を堪能する
三陸海岸は、岩手県の宮古市を境に北と南で景観が大きく変わる。長い年月をかけて侵食された複雑に入り組んだ南三陸のリアス式海岸と違い、北三陸は、海から高さ200mまで突き出したようにせり上がった険しい断崖絶壁の海岸線が続く。
三陸地方は、日本ジオパークに認定されている。地層の隆起と沈降によって形成された断崖海岸を「海岸段丘」と呼び、この北三陸の大きなシンボルになっている。「海のアルプス」とも例えられる景勝地、岩手県田野畑村最南端の「鵜の巣断崖」や北部の「北山崎」は、そんな海岸段丘を代表する地形だ。特に、北山崎は公益財団法人日本交通公社の全国観光資源評価・海岸の部において、「特A級(最高ランク)」の評価を受けた絶景。
それ以外の海岸線も、激しく切り立った断崖絶壁が続く。何度も隆起と沈降を繰り返し、バームクーヘンのようにむき出しになった地層は、前期白亜紀、約1億1千万年前の宮古層群という太古の地層だ。そんな景観を見ているだけでも、海中の地形がどうなっているのか想像して楽しみになってくる。