宮古島でのナイトダイビング後に漂流寸前~事前の状況編~
始まりは激流のナイトダイビング
2013年10月10日(木)。
宮古島のダイビングエリア、下地島の名物ポイント「通り池」で、ナイトダイビング中、船が流れるというトラブルの当事者になってしまいました。
自由自在に宮古島を潜る、カタマランヨットタイプのダイビングクルーズ船TIDA Againは、他のショップがあまりやらないナイトダイビングもウリのひとつ。
そこで、辺りがすっかり暗くなるのを待ち、軽く食事をした後、20時6分に「通り池」に潜降。
ガイドとして渡真利さんを筆頭に、僕と越智カメラマンの3人グループ。
別グループで、年配の女性ダイバーAさんをガイドのキヨさんがマンツーマンで連れ、計5名で通り池に向かいました。
水面から見ると穏やかだった海も、エントリーするとやや流れがあって、ドロップオフに到着するころにはさらに激しくなります。
それでも、ドロップオフ沿いのテヅルモヅルが腕を広げる珍しいシーンなどを撮影しつつ、流れに逆らいながら通り池へ。
ドロップオフを曲がると流れは一変し、逆に通り池に引き込まれるような激しい流れ。
何かにつかまっていないと穴の中に吸い込まれそうです。
ここでキヨさん達二人は、流れが強すぎるとの判断で穴までは行かず、ドロップオフ沿いに留まり、取材班だけが入口付近に群生するお目当てのキサンゴへ。
昼とは違い、ポリプ全開のイボヤギは、それはそれは美しいのですが、それどころではありません。
水深20mの暗闇。
穏やかであれば何のストレスもありませんが、この日は一般のゲストならまず行かない強烈な流れ。
しかも、通り池の“出る”という伝説や噂(詳細は→通り池 – Wikipedia)、さらには、前日に下地島で大量の白骨発見!というニュースを聞いていたので(タイミング悪い・笑)、嫌な感じはしていました。
これ以上奥に行くようなら、ダイバーとして自分よりレベルの高い二人に撮影を任せて、自分は戻ろうかなと何となく考えつつ、なるべく入口に近い場所にいて、心を落ち着かせることを心がけつつ撮影が終わるのを待っていました。
取材としては許容範囲ギリギリの海況で、内心ドキドキです。
予定より早めの20分ほどでエグジットに向かうことになり、潜ってから25分ほどで浮上ポイントに到着。
ホッとして残圧を見ると60で、やはりいつもより消費がだいぶ早く、「やれやれ、やっと浮上してビールが飲める」などと考えながら、ふと渡真利さんを見ると、水面を見つめるその様子が明らかにおかしい。
次の瞬間、安全停止もなく慌てて浮上する様子を見て、
ひょっとして…。
そのただごとではない様子を目で追っていると、水面に出た渡真利さんはグルグルと辺りを見回し、やがて水底にいる僕たちにライトを激しく降り「上がれ上がれ」のサイン。
皆で一斉に浮上すると、案の定、ボートは水平線の彼方へ流され、満天の星に交じって、煌々と輝いています…。