弁護士から見たダイビングの問題点とは?日本で最もダイビング訴訟を扱う弁護士の連載スタート!
初めまして。
弁護士の上野園美と申します。
平成10年に司法試験に合格、平成12年に弁護士登録をして、現在、東京都千代田区にあるシリウス総合法律事務所に所属しています。
業務の中心は損害賠償事件ですが、大きな特徴として“ダイビング事故”を数多く扱っています。
ダイビングは海中という特殊な環境で行ない、また、BCやレギュレーターなどの専門的な器材を使用するため、なかなかダイバーでない人にはダイビングの状況を理解することはできません。
「中性浮力をとる」なんて言われてもさっぱりです。
私も初めて業務でダイビング事故を扱った時、一生懸命にクライアントの話を聞きましたが、なかなか理解ができませんでした。
「現場を見る」ということが、クライアントの話を理解するために重要なのですが、ダイバーでない限り現場を見ることもできません。
現場の海中写真やDVDを何度も見る作業を繰り返した後、とうとうCカードを取得して現場に潜ろうと決めました。
思いつくとすぐに行動してしまう私は、その日のうちにオープンウォーター講習を申込みました。
そして、それから間もなく無事にオープンウォーターダイバーとなり、現場に潜りました(事務所では傷害保険をかけるべきか真剣に悩んだようです)。
事故現場の調査のために弁護士が自ら潜るということが話題になったようで、現地のダイバーの方には随分、協力していただきました。
初めて潜った海の世界の感動と共に、ダイバーの仲間に入れた嬉しさは今も鮮明に覚えています。
その後も弁護士としてコンスタントにダイビング業界に関わってきましたが、事故事案を扱うたびに、何かできなかったのかという思いが生じます。
そんな思いから、今後、弁護士の目から見たダイビングの問題について書いていけたらと考えています。
よろしくお願いいたします。