生物多様性を持続していくために・・

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今日5月22日は国際生物多様性の日。生物多様性=Biodiversityとは、生物に関する多様性を示す概念。生態系、生態系群または地球全体に、多様な生物が存在し、お互いに共存しあって生きていることを示す言葉です。

大物海洋生物の撮影のために、長い時間海にいると、陸上にいる以上に、様々な種類の生物に遭遇し、そして共存しあいながら生きていることを実感できます。

人間が地球上に生きていられるのも、こうした生物多様性があるからこそだということは、多くの人が認識しておくべきことだと思っています。

しかし、多くの場合、経済の発展はこの生物多様性を崩してしまう原因にもなっています。人間が便利なことを追求することで、快適な暮らしを手に入れていくのですが、それは地球や地球に住む多くの他の生物たちにとっては、逆に快適では無くなってしまっている場合が多いということをご存知でしょうか?

例えば、プラスチック製品の廃棄、海への投棄などにより、プラスチックやゴーストネットと呼ばれる廃棄魚網などに絡まってしまい、身動きが取れなくなってしまっている生物などに少なからず遭遇することがあります。


そんな時、船を止めて、どうにか絡まったゴミを除去しようと試みますが、いつも上手くいくとは限りません。時には、諦めてしまわなければいけないことも多々あります。

また死んだクジラの胃の内容物から、大量のプラスチックバックが出てきたというニュースも良く聞きます。これは、それだけ、海に浮遊しているゴミが大量だと言うことを意味していると思います。

日本は、アメリカに次いで世界で2番目にプラスチック廃棄物を出してる国だというデータがあります。年間約1000万トン。人口一人平均年間70kg以上、大人男性平均体重より重いプラスチックを使用していることになります。レジ袋は合計約450億枚、一人当たり、1日1枚以上。ペットボトルは年間一人190本以上・・・・。

海に生きる生物への弊害は、日常私たちが便利だと思って使っているものによる影響がとてつもなく多いのです。プラスチック自体は、人の生活に多いに役立っているものであり、全てを否定すべきとは思いませんが、過剰な利用は、こうした弊害を生んでいることを知っておくべきでは無いかと思います。

現在、地球上には、190万種もの動物が生息していると考えられていて、人類が進化する以前は、年間100万種あたりに絶滅する種は1種以下だったと言われています。しかし、現在、年間100万種あたり、100~1000種が失われているというデータがあります。そして、その主な原因は、人間が引き起こす生息環境の破壊や気候変動であるというのです。

経済の発展は一部の人間には、多くの富と恩恵をもたらすかもしれません。しかし、地球全体を考えた場合、果たしてそれは富と恩恵と言えるのでしょうか?

新型コロナのせいで、世界中の経済は、大変な損害を被っていますが、地球全体からすると、新型コロナの“おかげ”で、多くの富と恩恵を受けているのかもしれません。

アフターコロナの世界では、人々はそのことを肝に銘じて活動していく必要があると考えます。環境保護活動無くして、企業の成長はなし得ない。それくらいの気持ちで臨んでいく必要があると思います。

実際に投資の世界でも大きな変革が進んできています。ESG(E=Envirenment、S=Social、G=Government)、環境、社会、統治と行った物への投資は、ここ数年で200兆円も増加しています。海の環境を悪化させるような開発を行う企業は、これからは大きなリスクを負うことになるとも言われています。

環境保護活動と経済の発展という意味では、企業だけでなく、1個人個人の意識も同様です。特にダイビングショップの方々にも、これからは「楽しい」だけを提供するだけでなく、海に一番関わって働いている人間の一人として、環境を「守る」こと、そして、海のうつくしさを子供たちに教えて、「学んで」もらい、環境を考えられる人を「育んで」いく責任を持って行動していくことが重要になってくると思います。

先月、私は仲間と共に「HERE」というオンラインサロンを立ち上げました。これからの海の自然環境を守る活動を自ら行うとともに、世界中で取り組まれている多くの環境活動や環境破壊を取材し、伝えていくこと。子供たちの未来に残せる美しい海を守っていくこと、そして、そういう意識を持ってくれる子供たちを育んでいくことを目的にしています。

HEREは、H=Harmony(調和)、E=Empathy(シンパシー同様に共感の意味ですが、同じ考えの人同士が共感し合うシンパシーは場合によっては、共感できない存在を否定、あるいは無視するようなイメージもあります。エンパシーは、どちらかというと、考え方の違う人の考えを理解し、共感するというイメージです)、R=Respect(エンパシーの共感の中には、相手に対しての尊敬や敬意の念が必要になります)そして、E=Eternity(これらの感情をいつまでも持ち続けるという意味を込めています)を意味しています。

先月から活動を共にできる人を募集していて、すでに20名以上の方にご参加いただき、実際にいくつかのプロジェクトも既に進んでいます。

まだまだ、多くの方にご参加いただき、様々な活動を行っていきたいと思っています。
もしご興味のある方は、以下をご覧ください。

HEREの詳細とご入会はこちらをご覧ください
https://community.camp-fire.jp/projects/view/255282

HEREの活動理念に関してはこちらを
https://www.youtube.com/watch?v=_HjRMG52jmQ

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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