コロナ禍の新たな課題「マスクゴミ問題」について考える
2020年に大流行した新型コロナウイルス。
前代未聞の事態に、私達は様々な対策を余儀なくされているのが現状だ。
そんな大きな問題に隠れながら、共に急増しているのがマスクや使い捨て容器などのいわゆる「コロナごみ」と呼ばれる廃棄物。
感染予防の為、日常生活で必要不可欠な物が、地球に悪影響を及ぼしている事実に迫る。
増加するプラスチック消費量
昨年7月1日から小売業を営む全ての事業者を対象に義務付けられたレジ袋の有料化。
一見プラスチック製品の消費量は抑えられているようにも思えるが、コロナウイルスの影響を受け、テイクアウト商品の需要が高まっていることから、それらは大幅に増加している。
日本でもこの悪循環を様々なメディアが取り上げており、朝日新聞によると、東京都の江東区や杉並区など容器包装プラスチックを分別回収している11区では、平均の回収量が4月には10%、横浜市でも12.5%増えているという。日本政府の取り組みや新しい生活様式が推奨されている世の中であっても、コロナの影響は人間だけではなく自然も脅かす要因となっている。
15億枚以上の使い捨てマスクが海へ
昨年12月、香港を拠点地とする環境保護団体『Oceans Asia』は、2020年に15億枚以上の使い捨てマスクが世界の海へ廃棄されているという推定を発表した。
出典:https://oceansasia.org/ja/
使い捨てマスクの原材料は紙ではなく、プラチックの一種であるポリプロピレンやポリエチレンを使用しているのが一般的だという。
また、それ1枚を分解するには約450年もかかり、その過程で微小なプラスチック粒子(マイクロプラスチック)に変化していく。
近年、海の生態系を破壊する原因として最も問題視されている海洋ゴミだ。
こうした現状から、各国では、植物由来の素材を使ったマスクの開発が進んでいる。
この取り組みは日本でも始まっており、デンプンなどを使ってマスクを製造する企業も出てきているという。
植物由来の素材から生まれたマスク3選
PADIが共同開発!海洋プラスチックを再利用
ダイビングの指導団体「PADI」とサステナブルな商品を生産している「Rash’R」が協同開発したマスク。海洋生物が可愛らしく描かれた生地の表面には、海洋プラスチックを100%再利用したポリエスチルを使用。1枚のマスクにはペットボトル3本分のリサイクル素材が使用されています! 日本でPADI Gearとして近日販売予定。
裏面は、92%の再生ポリエスチルと8%のエラスタンが使われており、PM2.5にも対応したフィルターを入れるポケットもついているという。コロナウイルスにより更に激増した海洋ゴミだが、感染と環境問題を一度に予防できるマスクでこの問題を改善しよう。
商品名:PADI フェイスマスク(ジンベイザメ)交換フィルター付(他に2種類シャーク、マンタのデザインあり)
お問い合わせ先:padigear.japan@padi.co.jp
URL:https://www.padigear.com/collections/padi-face-masks
※日本語サイトは近日中にリリース予定
肌にも地球にも優しい「Bio Face]
Bio Faceの原材料であるポリ乳酸は、トウモロコシ等のデンプンから作られている。50回洗っても抗菌性が落ちないことが実証されており、長期間清潔に使用することが可能。また、ポリ乳酸の糸は弱酸性である為、マスクによる肌トラブルに悩む必要もなくなる。まさに、肌にも地球にも優しい商品なのだ。
商品名:Bio Face ¥1590(税込み)
お問い合わせ先:03-3538-6777
URL:https://zaima.in/products/bioface
セレブも愛用するサステナブルなファッションマスク
海外セレブも愛用していることで人気急増中の「evolvetogether 」のファッションマスクが、昨年日本にも上陸した。各商品には、人種、性別、地理的な場所に関係なく、全てが繋がっているという製作者の思いが込められた座標が刻まれている。
マスクの生地には、肥化可能な植物由来の素材を使用しているため、100%自然分解が可能である。
また、売り上げの一部は、NYの生活困難者を支援している団体「Covenant House New York」へ寄付している。
今年1月に発売された「Tokyo Coordinate」という新色は、絶滅危惧種保護団体であるWWFと共同で制作されており、密猟や乱獲で激減している象を連想させる。
商品名:evolvetogether マスク ¥5400(税込み)
お問い合わせ:ワールドスタイリング 03-6804-1554
URL:https://www.wardrobestyling.jp/evolvetogether-store
マスクを身につけることが習慣化している今日。
日常生活にも制限がかかり、窮屈な毎日が続いている。
しかし、そんな状況下でも留まる事を知らない環境問題。
地球に優しい商品を私生活に取り入れ、感染も汚染も軽減していきたい。
Text:Natsuki Matsuda