はじめてのショップツアー 【①ショップ選び編】
体育会系のダイビングクラブでダイビングを始め、
その後は『マリンダイビング』で仕事として潜っていた僕は、
〝普通〟に潜ったことがない。
プレイベートで潜るときも、
知り合いのガイドさんに潜らせてもらうことがほとんど。
ディスカウントは当たり前、フリーにしてもらうことも少なくない。
「うらやましい」とも言われるが、逆に心からリラックスすることもない。
好みの子がいても、
「東京で会いませんか?」という言葉をグッと飲み込まねばならない(笑)。
こういう潜り方も、いろいろお得なことがあって確かに楽しいのだが、
キラキラした目でダイビングを楽しんでいるダイバーさんを見ていると、
「純粋にゲストとしてダイビングを楽しむってどんな感じなんだろう?」とうらやましくなる。
気の合った女子の携帯番号を聞いたって怒られない。
結局それか(笑)。
また、『アイラブダイビング』という、
都市型ショップでダイビングを楽しむ人向けの雑誌を作り、
「ショップ選びのコツ」なんていう記事を書きながら
自分に経験がないのはちょっとしたコンプレックスにもなっていた。
もちろん、プロ野球担当記者がプロ野球選手である
必要はないのと同じように、
しっかり取材をすれば問題ないのだが、
プロ野球出身の記者がいたら説得力は増す。
単純に、僕がタンクを持って砂浜を走っている学生時代、
男女がワイワイと楽しそうなショップツアーが
うらやましくて仕方がないというのもある。
やっぱりそれか(笑)。
まあとにかく興味津々なわけだ。
そこで、ショップツアーに身銭を切って
普通にゲストとして参加してみようと決心。
早速ショップ選び開始。
ホームページを比較して、
値段やピックアップ場所、ショップの雰囲気などを調べると、
今まで見えなかったことが見えてくる。
ゲストとしてショップを選ぶという行為は
思った以上におもしろくとてもためになった。
その辺の話は暗い話なので、どこかで機会があればと……。
ショップ選びは難航。
というのも、日程やピックアップ場所の制限がある上に、
僕の素性がわからない環境で潜らなければならないからだ。
僕の感触として、和尚という存在を知っているのは、
アクティブなダイバーの4割くらい。
そして、金ぴかの格好をしないで僕に気づく人は
1割いるかいないかだろう。
つまり、一般のダイバーに気づかれる危険性は心配していないのだが、
問題は現地ダイビングサービスのガイドさん。
今回、いろいろショップツアーを探していて、
最初に参加しようと思ったツアーの行き先は熱海。
でも、もしショップツアーで熱海に潜りに行ったら、
熱海のマイミクガイド・衛士さんに、「何やってんの?」と確実に言われる(笑)。
そのほか、雲見、伊豆海洋公園、富戸、大瀬崎、八幡野、安良里……etc.
どこでも状況は同じ。
つまり、取材で行ったことのあるエリアは行けない。
そう考えると、一ゲストとして遊べる場所が結構ないことに気がつく(泣)。
そんなこんなでショップ選びは難航したが、
ピックアップ場所や値段に少し妥協したら、初めて潜るエリア、
つまり素性の割れない可能性の高いエリアに潜る日帰りツアーを発見。
初心者ばかりのツアーのようだが、
カード取り立てのダイバーとはどういう感じなのか、
どうイントラが対処するのかなどとても興味がある。
それに、「寺山さんってダイビングお上手ですね結婚してください」
なんてことがあるかもしれない。最後までそれか(笑)。
まあ、とにかくショップ選びは終了。
ということで、いよいよショップに申し込みへ。ドキドキ。
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