クリスマス逃亡計画
居間でテレビを見ていると、
同居人のショータロが「テラってさ、来週何やっているの?」と。
「う〜ん、潜ったりしているんじゃない」と適当にこたえると、
「いつ頃、いつ頃?」と食い気味に聞いてくる。
はは〜ん。
さては俺の誕生日(19日)にサプライズしちゃうつもりだな。
仕方ない。ここは知らないフリをしてさりげなく誕生日の予定を教えてあげよう。
「土曜日は伊豆を潜っているけど、日曜日(19日)は家にいて、来週は割と未定」
19日だけでなく、さりげなく前後の予定も伝えて知らんぷり。
これで準備できるはず。さあ、サプライズ、ばっちこーい。
「へ〜」と気のない返事のショータロ。
もう、そんな演技しちゃって。俺のこと祝いたいくせに。
「……あのさ」
ん? ひょっとして、好きな食べ物とか聞かれちゃうわけ?
肉! 肉なら何でもいいし、気持ちだけで嬉しいからさ。
「来週末辺りは?」
来週末? 来週末といえば25、26日辺りか。
クリスマス辺りってこと……クリスマス?
ひょ、ひょ、ひょっとしてクリスマスも俺と過ごしたいってか!
パーティーせなあかんねんってか!
仕方ない。ひと足早い俺からのクリスマスプレゼント。
テラ様が家にいる約束手形、あ・げ・る(ハート)。
「まだわからないけど、家にいても大丈夫だよ」
「いやいや。そうじゃなくてさ……。
そうそう、テラって毎年イベントのときはネタに走るからさ、
今年もネタ作りのために、この間取材した某高級ホテルの割引券あげるから、
女性とか誘ってみたらおもしろいんじゃない?」
なるほどー。でも、大森でクリパってのもありかと個人的には……
ん? 待てよ。ま、まさか!
ショータロのやつ、俺にいてほしいのではく、
出ていってほしい?
「ショータロさ、ひょっとしてクリスマス、俺いない方がいいわけ?」
「そういうわけじゃないんだけどさ、まあ、そういうわけ。あはははは」
クリスマス。さーて、どこに逃亡しちゃるかな。
思いっきり遠いとこに行こ(泣)。