手がかりはダイバーのタンク!? ~水中カメラが1年かけて多良間島に漂着~
沖縄県の小さな離島、多良間島より驚きのニュースが飛び込んできました。
2016年3月1日、島で唯一のダイビングショップである郷土マリンサービスJAWSⅡ(以下JAWS)に、島民の方からこんな落とし物が届けられました。
そう。
防水ケースに入ったカメラです。
ダイビング中に拾ったわけではなく、海岸線に流れ着いていたのだとか。
なんだかロマンチックですね!
機種はCanonのPowerShot S95です。
メモリーカードには2012年4月7日ハワイノースショアの陸上写真や2015年4月29日~30日水中写真(場所は不明)が残されているとのこと。
普通に考えればその4月30日から漂流しているわけですから、およそ1年間も海を漂いながらもカメラやメモリーカードは無事だったということになります。
落とし物が届けられたJAWSの柳岡さんによると「最後の写真は、景観や写っている魚から多良間島では無さそうですねー。ただ、南方の海であることは間違いないと思います。」とのことです。
その場所で落としてしまったものならまだしも、遠方から流れ着いたとは、ますますロマンチック!
どこから流れ着いたの?
こうなってくると、やはり気になりますよね。
ここでは2つの説を考えてみます。
皆さんはどちらの説が有力だと思いますか?
ハワイ説
最後の写真の場所は不明なものの、その前にはハワイ、ノースショアの写真が入っているということでした。
ここで、世界の海流を眺めてみましょう。
黄緑の円は筆者が追加したものです。
右側がハワイ、左側が多良間島。
ハワイから南下し、多良間島まで流れ着いたとも考えられそうです。
台湾説
こちらは少し現実的。
実は最後の写真に1つだけ大きなヒントがあります。
写真に写るガイドの方は「原龍潜水」(?)と書かれたタンクをサイドマウントで潜っています。
漢字、ということは日本??
しかし、どれだけ調べても出てきません。
そこで、石垣島で外国人も多く訪れるダイビングショップを展開しているプライムスクーバ・石垣の千綿さんにもお話を伺ってみました。
……プルルルルルッ(呼び出し音)
筆者:もしも…
千綿:Hello?
さすが!!笑
さて、そんな全世界のダイバーとの繋がりをもつ千綿さんによると
「恐らく中国語だよねー
中国人を相手にしているって考えると台湾、香港、タイ、マレーシアなどなどいっぱいあるけど、タンクの刻印が中国語だと考えるとまぁまず台湾だろうねー!」
とのこと。
ちなみに、多良間島にカメラが流れ着いたのはこれが初めてでは無く、ちょうど1年ぐらい前にもオリンパス C-8080が流れ着いたそうです。
こちらも未だ持ち主が見つかっていないそうなので、早く見つかるといいですね!
※残念ながら実際のカメラの写真はどこかにあるけどどこだったか…とのこと
持ち主が出現!しかし…
どうやらタンクの表記は『原龍潜水』ではなく『東龍潜水』だったそうで、そこから一気に話は進み、持ち主が出現、めでたく解決…
はしていないようです。
なんと持ち主だと主張する人が複数出現してしまったのです。
その様子は事の顛末が収束した時点で整理してお伝えしたいと思います。
それにしても、SNSの力には脱帽するしかありませんね。
たった1日で異国の持ち主を発見できてしまうのですから…
どころで多良間島ってどこ!?
多良間島は石垣島と宮古島のちょうど中間ぐらいに位置します。
島へは宮古島から飛行機(1日2便・25分)もしくはフェリー(1日1便・2時間)でと、若干アクセスが良くないものの、それこそがこの島の醍醐味です。
島にダイビングショップはJAWS1件。
他の島から遠征で訪れることも難しい場所なので、常に貸切状態で海を楽しむことができます!
編集長も常に「多良間の海はすごかった」と言っています。
さらに、古来よりサトウキビの栽培が産業の中心であり、ほとんど漁業は行われていませんでした。
つまり、ほぼ手つかずの海がそこには広がっているのです!
そして、比較的潮の流れが速いことや、生活排水がほとんど流れ込んでいないことも相まって、その透明度は驚異的!
もうこれ以上説明はいらないでしょう。
百聞は一見に如かず、どうぞ!
一度は訪れてみたい穴場スポットですね!
郷土マリンサービスJAWSⅡ
多良間島唯一のダイビングショップ。
大小2隻のボートを所有しており、様々なシーンに対応可能
広々としたデッキと防水室内スペース、トイレ、予備器材、緊急酸素設備等も完備した大きなダイビングクルーザーは快適そのもの。
小型ながらもスピード感と小回りが利くダイビング船はドリフトダイブの際などには威力を発揮。
手つかずの多良間の海を守りながら、自らが開発した秘境の海を紹介しているアットホームなお店。
プライムスクーバ・石垣
世界中の方々に石垣の素晴らしい海を見て、経験して欲しい、日本のダイバーと世界のダイバーが同じ感動を分かち合って繋がって欲しい、という想いを胸に、ダイビングを通して思い出に残る、至福の時間を提供するダイビングショップ。
英語での対応も常にOKなので、外国人ダイバーの割合が多いことが特徴。
全長60フィートの石垣島最大級ダイビングクルーザーにも関わらず、乗船人数を常に最大定員の半分以下に制限しているなど、至れり尽くせりのお店。
(ライター/細谷 拓)