未来の海では魚が酔っぱらう!? CO2増加が魚に与える影響が話題
2016年1月20日、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学から驚きの発表がありました。
なんでも、二酸化炭素濃度の上昇によって2050年までに魚が酔っ払うのだとか!
気象庁によると日本周辺でも…
東経137度線及び東経165度線における冬季の二酸化炭素濃度は、大気中では1.8~2.0ppm/年の割合で増加しています。
表面海水中の二酸化炭素濃度は、両観測線ともに南のほうが北よりも濃度が高くなっており、1.5~1.9ppm/年の割合で増加しています。この増加の割合は大気中の増加の割合とほぼ同程度です。
これらの海域では、冬季は海洋が二酸化炭素を吸収しています。
なるほど…
確かに二酸化炭素濃度がどんどん上がっていますね。
この変動は世界的に共通な様で、その結果として2050年までには魚が炭酸酩酊に陥る、とニューサウスウェールズ大学は算出したのです。
具体的には、方向感覚を失って迷子になってしまったり、捕食者がどこにいるかさえわからなくなってしまったりするのだとか。
ところで…
炭酸酩酊って何!?
要するに二酸化炭素酔い、ってことですよね。
窒素酔いなら知っていますが……。
調べてみると、専門的には高炭酸ガス血症という症状の一部だそうです。
(※医学用語集めでぃっくなどより)
確実なソースは見つかりませんでしたが、1.5リットル程度の炭酸を一気に摂取すると、人間でも炭酸酩酊に陥ることがあると言われているのだそうです。
魚が炭酸酩酊に陥るのかどうかは一旦置いておいて、二酸化炭素濃度の上昇による地球温暖化の影響は、確実に海にも出ているように感じます。
すべて肌感覚で恐縮ですが、毎年『今年の冬は水温高いなー』と言っている様な気がします。
この秋は、西伊豆・大瀬崎にはタテジマキンチャクダイの成魚が出現してみたりもしました。
クマノミの越冬なんかは当たり前になって来ていますよね。
1人の伊豆ダイバーとして、今まで見られなかった南の魚が伊豆で見られるようになるのはなんだか得した気分な気もしますが、そのぶん北の魚は見られなくなるわけですよね。
当たり前ですが、海全体で考えれば生態系に変化が起きてしまうことは間違いありません。
変化が起きること自体が問題とは言い切れませんが、その変化によって生じる影響が悪いものになってしまう可能性もあります。
今ある素晴らしい環境は、ぜひとも守って行きたいものですね。
(ライター/細谷 拓)