どこまで安く潜れるか? 後編

前編
http://diving-commu.jp/divingspirit/item_3061.html

■バディ潜水の原点
本来、ダイビングとは未知なる海を探検する冒険だった。
そして、安全を担保するために考え出されたシステムがバディ・システム。

ガイドなしで、バディ、もしくはバディを基本としたグループで潜る
セルフダイビングは、ただガイドについていくだけのダイビングと違い、
主体的に潜る興奮や喜びを与えてくれる。

自分の力で海と向き合い冒険する感動は、
すべてのダイバーに味わって欲しいし、
こうしたダイビングをするために必要なことを逆算して考えていけば、
スキルや知識も自然と備わってくるはず。

今回潜った江ノ島。

地形とコンパスを頼りにナビゲーション。ドキドキ

初めて潜る根の周りにはボラの大群。

バラクーダに匹敵するほど嬉しいボラクーダ

ハタタテ発見!

季節来遊魚のドラマを感じるのも近場ダイビングの醍醐味

コロダイの赤ちゃん

殺風景な砂地で見ると何だか嬉しい

そして、こうしたダイビングは、何より安い。
ダイビングというと高いという印象が蔓延しているのが、
やろうと思えば、前編で紹介したようなダイビングだって可能なのだ。

■バディ潜水(セルフダイビング)の条件
ただし、セルフダイビングを行なうには、それなりの準備が必要。

海の地形や流れを把握し、
ダイブテーブルをひきながらコースや最大水深などを決め、
計画書を書き、緊急手順を考え、当日は海況をチェックして……
と自分たちですべてを計画し、リスクも負わなければいけない。

また、ダイビングサービスが連携して、
そのダイビングエリアの安全対策を作り上げているという事実もある。
セルフの場合、そうしたことから外れるリスクもあるという認識も必要だろう。

今、ネット網が発達しダイビングクラブが多くできている。
それはとてもいいことだが、「安いから」という理由だけで、
結局、ほかのダイバーについていくだけの意識の人が来てしまうということが
運営側にとっては悩みとなっていたりもする。

■選択肢を見つけてみよう!?
もちろん、ガイド付きダイビングを否定するわけではない。

ある程度の計画を引き受けてもらい、
フィッシュウオッチングやカメラ撮影などなど
ダイビング知識全般という付加価値を与えてくれる
ガイドやイントラとのダイビングが有意義で楽しいのも言うまでもない。

つまり、
マンタがグルングルン、ガイドについてじっくり生態観察、セルフダイビングで探検、
どのダイビングがいいということでもなく、またどのダイビングも違った楽しみがあり、
選択肢を多く(楽しみの幅)持つことが大事ということ。

そうした選択肢の存在すら知らない方も多いと聞くので、
今回をきっかけにいろいろな潜り方を知っていただきたいと思う。

雑誌やネット、口コミなど、情報をとろうという意思さえあれば、
十分過ぎるほどの情報があふれているはずだ。

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writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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