パニックのスイッチ

いろんなところで言っているが、僕はパニックのキャリア。
僕のように強度のストレスやパニックになったことがある人は、
パニックの「スイッチ」を抱えて潜っている。

何かのきっかけでストレスが加速、
いや、突然の「えも言われぬ恐怖」でスイッチが入ってしまうこともある。
驚くかもしれないが、プロのガイドさんやカメラマンでさえ、
えも言われぬ恐怖に襲われることがあるのだ。

■スイッチが入る瞬間

ただ、経験を積むと、スイッチが入りそうな感触がわかるようになってくる。
そして、「これはマズイぞ」と、
「止まって、目を閉じて、プラスのことを考えながら大きく深呼吸」
といった基本的な対処でリカバリーできるようになる。

では、経験を積まなければダメかといえばそうではない。

先日、一緒に潜った経験豊富とはいえないダイバーさんが、
水中で突然スイッチが入ってしまった。

呼吸も動きもおかしかったが、そのダイバーさんは初めての経験にも関わらず、
きちんと着底して深呼吸をしてリカバリーに成功。

エグジット後に「寺子屋で読んだ通りにやった」と嬉しいことを言っていただいたが、
他のグループ員の目が気にしてなかなか行動に移せない人が多い中、
覚えた知識を、基本に忠実に行なったそのダイバーさんはとても立派。

えも言われぬ恐怖に襲われたとき。

人の目を気にせずしっかりリカバリーできるダイバーは、
平然と潜っているダイバーよりむしろカッコイイとさえ思う。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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