パニックのスイッチ
いろんなところで言っているが、僕はパニックのキャリア。
僕のように強度のストレスやパニックになったことがある人は、
パニックの「スイッチ」を抱えて潜っている。
何かのきっかけでストレスが加速、
いや、突然の「えも言われぬ恐怖」でスイッチが入ってしまうこともある。
驚くかもしれないが、プロのガイドさんやカメラマンでさえ、
えも言われぬ恐怖に襲われることがあるのだ。
■スイッチが入る瞬間
ただ、経験を積むと、スイッチが入りそうな感触がわかるようになってくる。
そして、「これはマズイぞ」と、
「止まって、目を閉じて、プラスのことを考えながら大きく深呼吸」
といった基本的な対処でリカバリーできるようになる。
では、経験を積まなければダメかといえばそうではない。
先日、一緒に潜った経験豊富とはいえないダイバーさんが、
水中で突然スイッチが入ってしまった。
呼吸も動きもおかしかったが、そのダイバーさんは初めての経験にも関わらず、
きちんと着底して深呼吸をしてリカバリーに成功。
エグジット後に「寺子屋で読んだ通りにやった」と嬉しいことを言っていただいたが、
他のグループ員の目が気にしてなかなか行動に移せない人が多い中、
覚えた知識を、基本に忠実に行なったそのダイバーさんはとても立派。
えも言われぬ恐怖に襲われたとき。
人の目を気にせずしっかりリカバリーできるダイバーは、
平然と潜っているダイバーよりむしろカッコイイとさえ思う。