意外と身近な“フルフェイス・マスク”

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こんにちは。須賀潮美です。

前回、紹介したフルフェイスマスク、使ってみたいという声が思いのほか多く驚きました。
実は私も、水中撮影以外にどう使われるのか詳しくは知らなかったことから、
ダイブウエイズの武田社長にあれこれ聞いてみました。

Q:撮影以外の使用は?
いちばん多いのは、地上との通話が不可欠な
水中土木や調査などを行なうコマーシャルダイバーです。
関西国際空港の建設や羽田の滑走路拡張にもずいぶん使われているんですよ。

たとえば、海中にケーソン(コンクリートや鋼製の箱形構造物)を設置するときには、
ダイバーが船上との通話で位置を確認しながら誘導します。
サルベージダイバー(海中からの引き揚げ)も使用しています。
長時間潜る潜水漁の漁師も、レギュをくわえないので顎が疲れないことから使用する人もいます。
こうしたプロダイバーは、フルフェイスにフーカー
(タンクを使用せず、船上のコンプレッサーからホースで空気を送る)で潜ります。

消防や警察、海上保安庁などのレスキューダイバーも使用しています。
こちらは溜め池やドブ川などに潜ることもあります。
水質の悪い場所で捜索するときに、
口が直接水に触れないことからフルフェイスマスクが重宝されています。

水族館でも、水槽に潜ったダイバーが観客と通話するために使用します。
国内は「しながわ水族館」、「サンシャイン水族館」、「新江ノ島水族館」など、
海外はオーストラリアや韓国、ドバイなどの水族館でも使われています。

Q:レジャーダイバーも使える?
最近は沖縄本島や石垣島などのリゾートで、マリンアクティビティの一つとして
フルフェイスマスクを使った海中散歩が行われています。
もう20軒くらいあるんじゃないかな。

海中散歩のツールとしてシーウォーカーがありますが、
けっこう重いし、あまり自由に動けない。
一方、フルフェイスマスクは、5〜15mの長いホースを付けて、
タンクを背負わなくても潜れるようにしたものを使用すると、
自由に動け、水中の無重力感を体験できると人気が出てきています。

水に慣れていない人は、口の周りが濡れるとストレスを感じるんですが、
フルフェイスは濡れません。
だからダイビング未経験者も不安を感じず海に潜れるんです。
また、フルフェイスを使ってみたいというダイバー向けに、
体験フルフェイスをしているお店もあります。

Q:お値段は?
いろんなオプションにより値段が変わりますが、
10〜30万円くらいです(ファーストステージは含まず)。

水中土木に使用されていることは、
「俺らと同じマスクを着けたオネエチャンがテレビに出ている」と、
潜水士たちが親近感を持っていると聞き知っていましたが
(一時は”水中労働者のアイドル”と言われていました……)、
マリンアクティビティとして取り入れられているのは初耳でした。
みなさんも機会があったら、ぜひフルフェイス体験してみてください!

■「ダイブウエイズ」フルフェイス・マスク
http://www.diveways.jp/products/fullfacemask.htm

 

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