生物に触ること 〜至言シリーズ〜

けだし至言シリーズ

勉強し、知識を得て、経験を積むなかで行われる接触であれば許容範囲だと思います
■神奈川県立生命の星・地球博物館》瀬能宏氏

先日、実施した”生物に触ること”に関するアンケート。
http://diving-commu.jp/questionnaire/item_6153.html

生物を触るのはありかなしかの結果は、”触ってはいけない”が6割を超え、
その理由としては、圧倒的に”環境・生物保護の観点から”。
ダイバーの多くが、「かわいそう」といった情動的な理由ではなく、
冷静な視点で考えていることにまず安心。

一方、触ってもよい派の人も無条件で触っていいというわけではなく、
程度問題であり、生物によってはいろいろで、
人を不快に思わせてまで触ることを主張したいわけではないと受け取れる。

「だったら潜るな」vs「あんなもん殺したって問題ないだろ」といった
極端な議論になってしまわずにダイバーは割と冷静で、
触ってもいい、触ってはいけない、両者共に着地点は近い気がする。

つまり、明確な1点の答えがあるわけではなく、
触ってもいいという領域と、触ってはいけない領域がゆるく重なりあっている状態。

そんな重なり合う領域を論理的かつ端的に表しているのが、
ダイバーにはおなじみの魚類の研究者である《神奈川県立生命の星・地球博物館》の瀬能宏氏の言葉。
生物に触ることに対してのご意見をおうかがいした時のこと。

  生物に触ったことで、
どの程度の影響があるのかなど容易にはわかりませんし、
対象や程度など様々な条件で変わってくると思います。
また、生物への影響をつきつめていくと、写真を撮る行為、
それどころか潜ること自体が問題だとの議論に発展しかねません。

一個人としての意見ですが、いろいろなことを勉強し、知識を得て、
経験を積むなかで行われる接触であれば許容範囲だと思います。
その結果として何か問題が起きれば
それを経験として次につなげればよいでしょう

冷静かつ、けだし至言。

そして、アンケートを通じて、皆がどう思っているか知り、
コメント欄を読み、考えることも、また知識を得て経験することのひとつなのだ。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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