花粉症とダイビング
花粉症とは無縁の僕は、花粉の季節といえば春先を思いだすが、
杉の花粉は2月から飛散し始めるし、予防の観点からは1月から余念のない人も少なくない。
ダイバーの場合、特に耳ぬきに不都合が生じそうだが、
花粉症とダイビングについて、『三保耳鼻咽喉科』院長にして、
テックダイバーである三保仁先生に聞いた。
目の腫れ、鼻水アレルギーの治療をして、
症状が緩和されれば耳ぬきもうまくできるようになるはずです。
治療には、スギの季節が来る前から行なう、注射による体質改善の減感作療法や、
レーザーや高周波で鼻の粘膜を焼灼して、アレルギー反応を起こしにくくする治療があります。
また、飲み薬の治療の場合、症状を少しでも感じたら飲み始める初期治療がおススメです。
すひどくなってからお薬を飲んだ場合と比べて、効果は2倍あります。
飲み薬で注意したいことは、地上ではわずかな眠気でも、
水中では圧力によって副作用が強く現れ、
水深20㍍程度でも〝記憶がない〟ようなひどい窒素酔い状態になる場合があります。
地上で試してみて、少しも眠気を感じない薬なら、
どのアレルギー薬でもダイビングの時に使用しても構いません。
ただ、医師に『なるべく眠くならないお薬をください』と言ってしまうと、
『なるべく効かない薬をください』と言っているのと同じ事になってしまい、
耳ぬきも良くならない可能性が高いです。
効果が高いけれど、少しも眠くない薬かどうかを、
効果が強い順に試してみることが最善です。
花粉症のダイバーさんたちが春先も快適に潜れますように……・