指導団体

「私の持っているCカードの指導団体で大丈夫？」
ちょくちょくある質問。
中でもマイナーな指導団体の人が、
PADIの友人なんかに言われて不安に思うようだ。
おそらく、多くの人がそうであるように、
ダイビングを始めるときに、
指導団体のことを考えてお店を選ぶ人はいないと思われる。
僕はNAUIだが、やはり大学のクラブがNAUIだったからに過ぎない。

しかし、クラブ出身の先輩がNAUI系が多かったことや、
当時は（あくまで当時ね）硬派なイメージがあったので、
NAUIに誇りを持っていた。
というより、持たされていたというべきか。
PADIは「パーでアホなダイビングインストラクター集団」
の略とよく揶揄していたものだ。先輩の受け売りで。
実際、インストラクターを養成する講習なんかでPADIのイントラ講習と出くわすと羨ましくてしょうがなかった。
こっちはメチャクチャ泳がされるは、マスクを外してダイビングさせられるはで、コースディレクターも恐ろしいのに、
PADIの人たちはコースディレクターと普通に仲いいし、
笑顔でなんか楽しそう。
「NAUIなんかよせば良かった」とちょっと思ったが、
反対に「あんな軟派なイントラになんかならない！」
とも思ったものだ。
というようなエピソードはあくまでイントラレベルの話で、
初級レベルの講習では、指導団体によって不利をこうむることはそんなにないのではないかと思う。
あったら、逆に教えてほしい。
先日もメールで「私、CMASで大丈夫？」というようなメールがあったが、大丈夫ではないでしょうか？
要はお店とイントラ次第。これに尽きると思う。
ただ、ショップやスポーツクラブ独自で作ったＣカードってので怪しげなのはあって、
自分の中でも「ここはちょっと……」ってのもあるが、
あくまで感覚なので、なかなかここではいいづらいのだが……。
イントラレベルでは指導団体もちょっといろいろ考えてしまうところはある。
実際、イントラ復帰しようと思ったとき、
僕はPADIにクロスオーバーする気満々だったし。
これは情報量という意味でメリットを感じたのが最大の理由。
また、経営に徹しているところも興味深かった。
人よりもダイビング業界の経営者に会う機会が多い自分としては、
「金儲けに走りやがって！」などというオッサンイントラの方が、ダメなパターンが多いなと段々気が付いてきたので。
健全に「お金を稼ぐ」という志向の人の方が、
逆に安全やら信用やらを大事したりもするんだなと。
もちろん、金を稼ぐだけになるのは最悪なパターンだが。
まあ、５スターとか何とかはいろいろ微妙な気もするが、
要は考え方と使い方次第というかで、PADIにしようと思った。
結局はNAUIのままなのだが、
それはNAUIの人に単純に知り合いが多かったり、
社長が大学の大先輩で何となく愛着があるとかそういう感じ。
ということで、指導団体ってのはお店側としてはちょっと考えるところのあるものだが、ゲストとしては、とんでもなく変なところでなければどこでもいいというのが僕の意見。
でもって、お店もとんでもなく変なところは普通は選ばないので、よっぽど運が悪くなければ大丈夫かなと。
むしろ、お店やイントラ選びの方が重要だと思う。
申し込みや講習中、器材購入など、
「ちょっと変だな」と思ったらメールくださいな。
「器材と講習セットで150万なんですが……」
「それは高いですね！」
ぐらいな一般的なアドバイスならできると思いますので（笑）

法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール／コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書：「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD：「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal