ガイドやイントラの見た目
南の島のとあるイントラが憤って僕にこう言ったことがある。
「会った瞬間に、自分を見て明らかに嫌な顔するゲストがいる。こっちまでテンション下がっちゃうよ」。
そんな彼はコーンロウ(ドレッドの編み込みみたいなやつ)に
タトゥーいっぱい、指輪だらけ、金のネックレスのブラザー君。
さて、人を外見で判断していいのか?
そりゃ、いいに決まっている。
「人を見た目で判断しちゃいけません!」ってのは、
自分が人と接する際の心がけであって、
人からは外見で判断されるのは当然だと思っていなければ、
相当なお子ちゃまだと思われる。
それが初対面ならなおさらだ。
外見以外に判断材料などないのだから。
前からポコ●ンだけ放り出した男が歩いてきたら、
女性は一刻も早くその場からダッシュで逃げたほうがいい。
人は見た目で判断してはいけないと、
「涼しそうですね〜」などと、
にこやかに挨拶している場合ではない。
極論だがそういうことだ。
ダイビングのイントラやガイドの中にも
かなりパンチの効いた外見の人は多い。
職業柄、特に南の島なんかだと、
色黒で筋肉質、茶髪が基本でAV男優の一丁上がり。
かくいう僕も永田町に向かう通勤電車の中では、
かなり異色な存在。
バリッとスーツを着た人の中に、
異常に日焼けしてサングラスかけたヒゲ男だもの。
というか、編集部の人、みんな怪しいが。
僕の第一印象は“遊び人”“絶倫”“女をポイ捨てしそう”
などヒドイものだ(笑)。
こんなピュアな好青年つかまえといて(ニヤリ)。
イントラもガイドも接客業。
ゲストに不快に思われたらおしまいだ。
だからって、みんな爽やかでマジメそうな格好をしろと言っているのではない。
むしろ、さわやかをはき違えて、
ポロシャツをズボンにインすることを強制する
ショップなどは個人的にはちょっと……。
つまり何が大事かといえば、
“自分がどう見られているか理解している”ことだと思う。
理解して、どうするかは人それぞれの人生観。
TPOで変えてもいいだろう。
オフィス街にある都市型ショップなどで、
いろいろな背景を持つお客さんに対応できるように、
最大公約数の身だしなみをするのを選択してもいいし、
南の島で「ガイドの腕を見込んでくれる客だけでいい」
と金髪、ピアス、タトゥで通したっていい。
「若い子だけを集めたい」とホスト風でもいいし、
「シニアの方でも安心して来られるように」と、
黒髪短髪で襟付きシャツを義務付けたって、
タトゥを禁止したっていいだろう。
ちなみに、僕だってどう見られているかは
だいたいわかっているつもり。
実家の近所のおばちゃんに、
「結婚もしないでフラフラとしている遊び人」と噂されても、
おばちゃんのセンスが間違っているとも思わない。
実際、当たらずとも遠からずだし(笑)。
自分の見た目を人がどう判断されるかを想像した上で、
第一印象が悪いなら、それをどうクリアして
反対にギャップを売りにできるか考えればいい。
僕の人生観では、見た目と中身が同じ人より、
見た目と内面にギャップがある人も素敵だと思う。
これは、金髪にタトゥが入っていて、
「おっかね〜な〜」と思っていたようなガイドさんが、
話してみるとものすごく優しくて、
魚に愛を持っているような人
だったなんて体験が結構あるからかもしれない。
とりとめもない話になってしまったが、
ゲスト側には、ガイドやイントラの中には
怪しい外見とかなりギャップのある人が多いということを
知ってほしいし(まあ、そのまんまの人もいるが)、
ガイドやイントラ側には、
客からどう見られているかわかってほしい(特に若手)。
冒頭の彼は、根はいい奴なので、
ゲストによってはネックレスを外し、
指輪を一つだけにして、
迎えにいくときだけはタンクトップでなくポロシャツで
タトゥを隠すようにアドバイスしてみた。
彼は「そんなもんっスかね」と渋々納得してくれたが、
そんなもんっス。
学生時代、ドレッド、頭タオル巻き、雪駄で
イントラをしていたことがある僕は、
ゲストの痛い視線はよ〜くわかるのです……。
※モルディブツアー(興味ある方はお気軽にぜひ)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=428113187&owner_id=8265224