普通のダイバーになって
僕は、学生時代はバリバリの体育会系ダイビングクラブ、
社会人になってからは雑誌の取材でのダイビングがほとんど。
つまり、学生時代はものすごい管理の厳しいダイビング、
社会人は、プロカメラマンと一流ガイドさんという、
ダイバーとして最高ランクの人たちとのダイビングだったわけだ。
なので、世間のダイバーの中に、
びっくりするぐらいヘタで無知なダイバーがいることは、
ガイドの話や投稿では聞いていたが、実感はあまりなかった。
むしろ、「何て自分はダイビングがヘタクソで無知なんだ」と
思うことの方が多かった。
しかし、会社を辞めて9ヶ月。
一般客にまぎれて潜ることがかなり増えたが、
結構びっくりした。
偉そうだが率直に言わせてもらうと、
本当にヘタッピで無知なダイバーが結構いることにびっくり。
もし、はぐれてしまったり、
何かトラブルが起こったらアウトなんじゃ……
ってなダイバーは意外と多いような気がしている。
正直、ガイドにはなりたくないと思う今日この頃。
驚いたのはダイコンの無減圧潜水時間を知らないこと。
ダイビングとは極端に言えば、
“減圧症にならないための遊び”という側面を持つ。
つまり、ダイビングの根本を知らないのと同じ。
次にバディ意識。
対ガイドの意識はあるようだが、対バディは結構希薄な印象。
僕はバディのことはものすごく気になるので、
チラチラとチェックするのだが、
まったく気にしていないダイバーも少なくない。
バディ同士は水中でOKサインを何度かかわすもんだ
と思っていたが、
特に初対面同士のバディなんかだと、
一度も交わさないこともある。
これもダイビングの原則の問題。
集約すれば、たぶん、
ただガイドにくっついて潜っているのだと思う。
日本では、
ガイドがグループにぴったりくっついての水中ツアーが主流。
ショップなんかだと、
インストラクターまでが同行し
ガイドと安全管理者をつとめている。
世界的にみて、日本はやや過保護の傾向がある気がする。
国によって違うが、海外では、
ガイドはあくまでも水中のガイド役だけに徹し、
安全管理はダイバー本人の責任と考える傾向にある。
ブリーフィングをして、
後はダイバーが勝手にダイビングをするところも少なくない。
本当にあったアメリカでの話。
とある日本人ダイバーが、いつもショップでしていたように、
ガイドに残圧計を見せて70だと申告。
すると、ガイドは肩をすくめて、
「浮上するかしないかは自分で決めろ」と言われたそうな。
もちろん、これは極端な例だが、
日本の常識がそのまま通用しないことは確かだろう。
ちょっと、話がとっちらかってきたが、
ダイバー側に言いたいのは、
「主体的に潜らないと馬鹿をみるよ」ってこと。
前向きに言い換えると、
「主体的に潜るとダイビングが8倍楽しくなるよ」ってこと。
もちろん、教える側、つまり僕を含めた、
お店とか指導団体などダイビング業界が馬鹿をみないようにしなければいけないのだが、
現実的に馬鹿をみちゃうケースがあるのだから、
そういう意識でいたほうがいい。
※問題点の指摘はいずれ……。
「何もしなくても、いつも潜降させてくれる優しいイントラ」
の話をしていた方もいたが、それは優しくもなんともない。
○はぐれても大丈夫そう?
○ダイコン読める?
○バディを気にしている?
以上の3つを自分に聞いてみてくださいな。
考えたことがない人は考えたほうがいい。
ダイビングが好きでずっと続けたいのなら、
バディ潜水ができるくらいにはなってほしいなぁと。
もっともっとダイビングが好きになるはず。
※明日から取材で稲取に行ってまいりやす!