泡とエロス
今日、元会社の後輩ちゃんが嬉しいことを言ってくれた。
後輩ちゃんの友人はノンダイバーでダイビングにまったく
興味ないらしいのだが、9月号「スキルアップ寺子屋」を
見せたところ、奥義48手のひとつ“エア食い”の写真を見て、
「タメになる!」と反応したそうな。
エア食いは恋心を抱いている人や
憧れの人の泡を食べて幸せを感じるという奥義で、
ギャグでやっていると思いきや、
実際、かなり幸せを感じる。
いや、センスある人は幸せ以上のものを感じられるのだ。
後輩ちゃんの友人はセンスがいい。
ぜひダイバーになってほしいものだ。
小学生のときに、父ちゃんが持っていた
「ゴルゴ13」のラブシーンや健全な漫画とされる
「ドラえもん」の静ちゃんの裸を見て、
どうしようもない衝動が主に下の方からモゾモゾと
湧き上がってくるのに、
子犬のようにご主人さまの足にすがって
一心腐乱に腰を振るという行為も、
人間であるが故に小学生にしてつまらん理性が働いてしまい、
その衝動に立ち向かう術も持てずに、
ただただポォ〜と頬を赤らめつつ、その行き場のない快感、
行き場がないからこその純粋な快感に身悶えしていたわけだが、そんなピュアな快感に似ていると思うのだ。
タテ笛ペロペロなんか比にならない。
かの人の内臓を循環して排出された吐息。
最初、酸素20%のみずみずしい空気であったのに、
かの人が外面上の美しさを増すのに反比例して酸素濃度は減り続け、内面で汚い二酸化炭素を作り出し、
排出物として吐き出す。
そして、吐き出された排出物は水面に向かって、
文字通り昇天。何というエロス。
これが陸上で固形物となるとキューバ議長の名のような
アブノーマルな世界にいくしかない。
排泄物と排出物にはそれ自体にはさほど価値の差はないが、
社会的地位は将軍様とプリセステンコーほどの差がある。
どれくらいの差だ。
かの人の排出物は、
水の中であるが故に“泡”という
見目美しい宝箱に閉じ込められて、
およそ45分、金銀財宝ザックザク。
皆、なぜ金銀財宝を目の前にして知らんぷりを決め込むのか。
マンタやジンベエを見ている場合なのか。
よく考えた方がいい。
そして、俺はもう寝た方がいい。