特撮ヒーローユニット「特撮Boyz」が初ダイビングに挑戦!水中でのダンス動画あり
7人組の千葉県発特撮ヒーローユニット「特撮Boyz」をご存知だろうか。ヒーローのコスチュームに身を包み、関東圏を中心に歌、ダンス、舞台、アクションとさまざまなパフォーマンスを行なっている、イケメン集団だ。そんな彼らが神奈川県で初ダイビングに挑戦することを聞きつけたオーシャナ編集部。「なぜ千葉県発なのに神奈川県?」、「ビーチクリーン活動もしているらしい?」、「ヒーローはやっぱりダイビング姿もかっこいいのか!? 」、気になることだらけだったので、実際に密着してみることにした。
千葉県発特撮ヒーローユニット特撮Boyzとは何者?
2018年12月に誕生した特撮Boyzは、千葉県木更津発のご当地ヒーロー 「鳳神ヤツルギ」シリーズや日本各地のご当地ヒーローが集まる祭典「日本ローカルヒーロー祭」を企画運営している株式会社ヤツルギ魂のパフォーマンスユニットのひとつだ。メンバーは年齢も、出身地も、所属事務所も、身長も、何もかもバラバラな7名。
ダイビングをする理由とは。舞台はなぜ神奈川県?
“千葉県発”特撮ヒーローユニットなのになぜ神奈川県でダイビングをするのだろうか?その理由は、どうやら神奈川県でごみ拾い活動を行っている団体「NPO法人 海さくら(以下、海さくら)」に関係があるようだ。
海さくらは、江の島で2005年から「目指せ!日本一楽しいゴミ拾い」をモットーに 17 年間ビーチクリーンを行い、かつて江ノ島に生息していた「タツノオトシゴが戻ってくるくらい海をキレイにする」を目標に活動。その海さくらの「5代目ゴミ拾い隊長」に任命されたのが特撮Boyzなのだ。彼らはダイビングを通して、実際に自分たちの目で湘南の海を観て、海をより深く知り、5代目ゴミ拾い隊長としての発信力を高めるべく、ダイビングをすることになったというのが今回の経緯である。
初ダイビングの1日がスタート!
AM9:30、特撮Boyzがそれぞれのテーマーカラーのパーカーを着て、ダイビングショップに集合。今回お世話になったのは湘南の海を長年ガイドしてきた神奈川県三浦郡葉山町にお店を構える「ダイビングショップ NANA」だ。ここで初めて特撮Boysに会う編集部は、イケメンたちを前に少し緊張している(笑)。
ここでは、5代目ゴミ拾い隊長として海洋環境についても知識を深めてほしいと、ダイビングショップNANAのインストラクター・佐藤輝氏から、湘南の海に生える海藻について紹介があった。
「海に生える海藻たちは、今地球規模で深刻な問題になっている地球温暖化の原因、二酸化炭素を吸収するという大きな働きをしています。10年前は湘南の海にも豊富に生えていましたが、海水温の上昇で比べ物にならないくらい減ってしまいました。そんな現状も見てもらえればと思います」。特撮Boyzは、初めて知る海藻の役割や現状に驚きながらも真剣に聞いていた。ダイバーはただ水中を見て楽しむだけでなく、海の現状を世の中に届ける重要な架け橋役にもなり得るのだ。
湘南の海について知識を深めたら、いよいよ海へ移動。今回はCカード(ダイビングライセンス)がなくても、プールや海で水深12mまで潜ることのできる体験ダイビングを行う。舞台は、神奈川県小田原市江之浦のビーチ。ここは障がいのある人にもダイビングを楽しんでもらおうと、神奈川県初のバリアフリーダイビングフェスティバルを行ったこともある場所だ。
海に着いたら、ダイビングをする上で大切な、水中で体に起きる変化や呼吸方法、耳抜き方法、器材の使用方法など基本的なダイビング方法を教わっていく。今回ダイビングをするのは、千大氏、桜樹氏、飯田氏の3人だ。
使用器材はフィン、シュノーケル、マスク、グローブ、ウエイトベルト、ドライスーツ、ブーツ、BC(浮力を調節するベスト型のもの)、レギュレーター(空気を吸うためのもの)、オクトパス(緊急用のレギュレーター)、コンソールゲージ(タンクの残圧を示す残圧計と方位を示すコンパスが一体となった計器盤)の11点。総重量20kgほどを身につけて行うアクティビティーだ。日頃からダンスを踊り、体幹を鍛えている彼らにとっては、軽々使いこなせるかも?
着用するのは、水中に入っても内部に水が侵入しない構造のドライスーツ。ウエットスーツよりも保温性が高いのが特徴だ。
日頃からヒーロースーツを着ている彼らも、ダイビングスーツは初めて。
「うわっ、すごいピッタリくる!あったかいし、かっこいいなこれ!新しい衣装みたい!(笑)」
おっ、さすがヒーロー。カッコよく着こなしている!ダイビングスーツを着たユニットもありかもと内心思った編集部(笑)。
ここで改めて、江之浦の海の紹介。
「江之浦の海では、カラフルなウミウシや、チョウチンアンコウをギュと小さくしたかわいいカエルアンコウ、そして人気者のクマノミやタツノオトシゴも稀に観ることができますよ」とインスタラクターの上島寿美恵氏。
「おー!クマノミも見れるんですね!! すごい楽しみっ!」
クマノミを見慣れてしまっているダイバーである編集部は、クマノミでテンションがあがる彼らの姿を初々しく観ていた(笑)
「けどこのクマノミは、本来なら冬の湘南の海にいないはずの魚なんです。なぜなら、クマノミは暖かい水温で生息する魚で、本来13〜14度まで下がる冬の湘南の海では寒さに耐えられず死んでしまいます。しかし、近年は水温が高いままでクマノミたちが越冬しているんです。クマノミが観られるのは嬉しいけど、海洋環境のことを考えると複雑な部分です」と上島氏は続けた。
あとは防寒対策のフードとウエイト、タンクを背負ったら準備完了!
フードを被ったら、ちょっと可愛らしくなった。マスコットキャラクターのようで編集部も思わずほっこり(笑)。
インストラクターに手伝ってもらいながら、重量のあるタンクを背負っていく。
さぁ、いよいよ、初めての水中世界へ、レッツゴー!緊張の様子も無く、元気よく出発。
陸から水底まで引っ張ってあるロープに沿ってゆっくり海へ。まずは呼吸の練習をする。足元は岩場で、体は波に揺られる不安定な場所。さすがのヒーローも慣れない器材を背負っていると、おもわずよろけてしまう。自然の力にはやはり逆らえない。水中環境に慣れてきたら、さらに深場へと進む。
ダイビング前に彼らは、「水中で僕たちの『Dreamer』という歌のダンスを踊りたいんです!」と張り切っていた。インストラクターからの許可が下りたので、タンクの空気残量があるうちにやってみた。
お分かりいただけるだろうか。踊れているのか踊れていないのか、どうなのだろう…。言葉を発せない中、必死さは伝わってくる(笑)
本来の『Dreamer』はこちら
本題の水中観察に戻ろう。しばらく泳いでいると、ダイビング前に話していたクマノミを発見!岩の間のイソギンチャクに住む姿をそっと覗き込む。初めて間近で見るクマノミに見入っている様子だ。
後半になってくると、だいぶ慣れてきて中性浮力(水中で沈みも浮きもしない状態)を取りながら泳げている。カメラに向かってポーズする余裕も。言葉は発せずとも楽しそうなのが伝わってくる。
3人揃って記念撮影。
あっという間の30分。果たして、初ダイビングの感想は…?
「楽しかったー!! 特大サイズのナマコもいた!魚との距離が近くて、一緒に泳いでいる感じがした。あと、インストラクターさんたちがどうやって中層で浮いていられるのかわからない!」
「耳抜きも心配で、水に入って最初はうまくできなかったけど、しばらくやってみたらできた!水面を見上げたときの光が綺麗だった〜。」
「誰とも喋れないから、己との戦いだった…。誰だよ、踊ろうって言ったやつ〜!(笑)」
3人それぞれ、興奮冷めやらぬ様子で大いに楽しんだようだった。インストラクターからは、「水中でも落ち着いていて、初めてにしてはとても上手だった!」とお褒めの言葉をいただき、ますますダイビングへの意欲が増したようだった。
海から上がってきた瞬間の笑顔がとても印象的だった。やっぱり海は人を魅了する力を持っているのだろう。実際に自分の目で海中を見た特撮Boyz、5代目ゴミ拾い隊長としてのこれからの活躍にも注目していきたい。
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