現地ガイドがOM SYSTEMのTGシリーズで切り取る 日本各地の海 ➀神奈川県 三浦・葉山

手軽に始められて、クオリティの高い水中写真が撮れることからダイバーに大人気のOM SYSTEMのコンパクトデジカメ「Tough」シリーズ(以下、TG)。日本各地のTGユーザーのガイドに登場していただく連載企画、第1回は三浦・葉山の海をガイドする「ダイビングショップNANA」の上島 寿美恵さんが登場。TG-7で撮影した作例とともに、自身がガイドする海の魅力や水中撮影のコツなどを伺ってみた。

上島(かみじま) 寿美恵(すみえ)さん
ダイビングショップNANA
上島寿美恵
ダイビング歴:27 年、 約8,000 本
ガイド歴:20 年
⽔中写真歴:25 年

元ナースの経験を生かし、きめ細やかなケアを大切に講習やガイドを担当。現在は三浦店チーフとして、葉山と三浦を支える縁の下の力持ち。お客様に「今日一日楽しかった」と感じていただける時間づくりを目指しています。

私がガイドしている海について
海藻の中で暮らす生物たちが大きな魅力

「ダイビングショップNANA」は、葉⼭と三浦の2拠点で活動しています。私は三浦担当なのですが、近年多くの海で磯焼けが進む中、三浦にはカジメを主とする海藻が今も豊かに残っています。その海藻の中で暮らす⽣物たちを紹介できることが⼤きな魅⼒です。
三浦・葉⼭ともにマクロ撮影に適した小さな⽣き物が豊富で、ギンポ類やウミウシ、ハナタツなどは三浦半島を代表する⼈気の⽣物です。撮影もしやすいので、ガイドする際には必ず紹介したい⽣物です。

【作例➀ カジメとハナタツ】
作例➀ カジメとハナタツ

使用カメラ

TG-7

ライト

FIX NEO LIGHT DX

撮影モード

⽔中マクロ

シャッター速度

1/125

絞り値

6.3

露出補正

+0.7

フラッシュ補正

0

ISO感度

1600

ホワイトバランス

水中標準

撮影地・水深

三浦 宮川湾「トビ根」 -12m

カジメとハナタツの組み合わせは三浦らしさを象徴するシーン。カジメに絡むように⽣息するハナタツの姿を意識して撮影しました。撮影時の注意点としては、ハナタツの目の前でライトを当て続けないこと。私は少し遠くからライトを当てて撮影しましたが、リングライト「フィッシュアイ FIX RL1500」はシャッターを切る時だけライトが光る機能があります。光を嫌がる被写体には、こういった機能を使うといい写真が撮れると思います。

お気に入りのダイビングポイント
生物+周りの環境を入れて撮影できる「トビ根」

三浦・宮川湾にある「トビ根」が特に好きです。ギンポ、ウミウシ、ハナタツといったマクロ撮影に適した小さな⽣き物をメインに撮影しつつ、ダイナミックな地形の上に広がるカジメと、そこに集まるイシダイ、アイゴ、メジナ、メバルなどの群れを組み合わせた景⾊を撮影するのも⼤好きです。生物とプラスαで周りの環境を入れた写真が撮れるのも、気に入っています。

また、葉⼭のビーチポイント「権太郎岩」の地形もお気に⼊りです。ウミウシが多いことでも有名で、ウミウシダイビングに最適なポイントです。冬場には、1日2ダイブで20~30種が見られます。しかし、とても小さい個体もいるのでゲストの皆さんと協力して、岩壁をなめ回すように探しています(笑)。これが結構楽しいんですよ。

【作例② クマノミとカジメ】
作例② クマノミとカジメ

使用カメラ

TG-7

ライト

FIX NEO LIGHT DX

撮影モード

⽔中ワイド

シャッター速度

1/80

絞り値

4

露出補正

0

フラッシュ補正

0

ISO感度

200

ホワイトバランス

水中標準

撮影地・水深

三浦 宮川湾「トビ根」 -12m

季節来遊⿂のクマノミと、三浦を象徴する景⾊であるカジメを同じ画⾓に⼊れて撮影し
ました。クマノミはわりと動きまわるのですが、5分間ほど静かに見ていたらこちらに慣れたのか、動きも緩やかになっていい感じに撮れました。ちなみにこのクマノミは、去年(2025年)初めてこの付近に来た季節来遊⿂です。一緒に潜ったお客様も、TGシリーズを使って結構きれいにクマノミとカジメの両方が撮れていました。

日々感じているダイビングへの想い
四季の海の美しさや表情を伝えていきたい

三浦半島の海には四季があり、⽇々潜る中で季節ごとの変化を感じられることが、この海
の最大の魅⼒だと感じています。春は水温が低いので見られる生物は少な目なのですが、海藻が盛り上がってきます。ワカメやヒジキなども見られ、浅瀬が緑色に彩られます。
初夏になると生き物たちの繁殖行動が始まり、夏になると産卵が見られます。そして、夏の終わりくらいには、季節来遊魚たちが姿を見せるようになります。秋にかけては水温が上がってきてキビナゴの群れなどが大きくなるんですが、それを狙ってカンパチなどの大きな魚も入ってきます。そして冬になると、水温が下がるのでウミウシが増えてきます。

こういった四季の美しさや海の表情をお客様にお伝えし、またその良さを感じてリピーターになってくださることが、ガイドとして何よりも嬉しい瞬間です。

【作例③ ウミウシ】
作例③ ウミウシ

使用カメラ

TG-7

ライト

RL1500

撮影モード

⽔中顕微鏡

シャッター速度

1/200

絞り値

4

露出補正

0

フラッシュ補正

フラッシュなし

ISO感度

100

ホワイトバランス

水中標準

撮影地・水深

葉山「御用邸前」 -16m

葉⼭はウミウシの宝庫。被写体だけでなく背景の⾊や雰囲気を意識し、リングライト「フィッシュアイ FIX RL1500」で全体の⾊をきれいに出しました。ちょうど背景にヤギがあったので、これを生かそうと思いました。水中顕微鏡モードでアップにして撮影すると背景は写らないので、周囲も入るようレンズはワイド側にして寄って撮影しています。

内蔵フラッシュだけで被写体に寄って撮影すると、光が当たる場所と当たらない場所ができてしまいます。しかし「フィッシュアイ FIX RL1500」を使⽤すると光が全体に柔らかく回り、被写体全体に美しい⾊をしっかりと出すことができます。光量調整も簡単で、外付けフラッシュのように光の当たる角度を気にしなくていいので、初心者の方でも使いやすいと思います。

TGシリーズを選んだ理由
海中で設定変更が簡単にできるので、撮影の幅が広がる

ワイドもマクロも1台で対応できる点が⾮常に魅⼒です。特にマクロでは顕微鏡モードがとても優秀で、マクロ撮影に適した小さな⽣き物の多い三浦半島の海では⼤活躍しています。設定変更が海中でも簡単にできるため、被写体に合わせて素早く調整でき、撮影の幅が広がります。⼀眼カメラよりコンパクトで、扱いやすい点もTGシリーズの良さです。最初に使うときは、どこに何の機能のボタンがついているかがわからないという方もいますが、覚えてしまえばとても簡単です。

コンパクトなので、ライトをつけた状態でもBCDのカラビナに引っ掛けられます。ガイドをしている時も持っていけて、お客様のフォローをしたり、「こんなふうに撮れるよ」とアドバイスをしたりできて、とても便利です。

最近ではアクションカムを使う方も増えてきていますが、TGシリーズは⽔中での設定変更がしやすいため、被写体ごとに最適な設定に調整できます。その結果、撮影できる作品の幅が⼤きく広がると感じています。また、動画を撮るならアクションカムのほうがいいのではという方もいるかもしれません。しかし、TGでも負けず劣らずいい動画が撮れます。特にリングライトをつけて水中顕微鏡モードで撮影した動画は、すごくきれいですよ。

【作例④ メバルの群れ】
作例④ メバルの群れ

使用カメラ

TG-7(ワイドコンバージョンレンズ使用)

ライト

なし(自然光)

撮影モード

⽔中ワイド

シャッター速度

1/125

絞り値

2.8

露出補正

+0.3

フラッシュ補正

フラッシュなし

ISO感度

160

ホワイトバランス

水中標準

撮影地・水深

三浦 宮川湾「カサゴ根」 -12m

三浦半島は透視度が悪いイメージを払拭したく、こんなきれいな⽇もあるという⼀期⼀会
の出会いを表現しました。この作品は自然光で撮影していて、ホワイトバランスは水中標準に設定し、+0.3~+0.7の間で調整しました。TGシリーズは、ワイドの撮影でも簡単にいい写真が撮れます。

【作例⑤ アライソコケギンポ】
作例⑤ アライソコケギンポ

使用カメラ

TG-7

ライト

RGBLUE S5 スヌート

撮影モード

カスタム(スポット測光、ISO100、露出−2.0)※

シャッター速度

1/160

絞り値

6.3

露出補正

-2.0

フラッシュ補正

フラッシュなし

ISO感度

100

ホワイトバランス

オート

撮影地・水深

葉山「ペリセンの根」 -15m

通常の撮影とは異なり、スポットライトを使⽤した表現に挑戦。光を絞ることで、被写
体の存在感を際⽴たせました。TG-7のカメラの設定を少しいじって撮ってみたのですが、一眼で撮ったような雰囲気のある写真になりました。

※カスタム設定とは、撮影者の撮影スタイルや目的に合わせて、画質、AF、露出、ボタン配置などを自由に調整・登録できる機能。操作性が向上し、素早く意図した撮影が行える。

上島さんの使用撮影機材


カメラ:OM SYSTEM TG-7
防水プロテクター:PT-059
ライト:フィッシュアイ FIX RL 1500、RG BLUE S5、フィッシュアイ FIX NEO LIGHT DX

これから撮りたい水中写真・今後の目標
お客様に海を楽しんでいただくことを一番に考えたい

お客様が海での撮影を⼼から楽しめるよう、カメラの知識をより深め、その知識を生かして撮影⽅法をお伝えできるガイドでありたいと思っています。「ダイビングショップ NANA」には、一眼で本格的な撮影をするお客様が多いというイメージが強いかと思うのですが、私としてはこれを払拭して初心者の方でも「こんなに水中写真って楽しいんだ!」と思っていただけるようにしていきたいと思っています。そして何よりも、お客様に海を楽しんでいただくことを⼀番に考えていきたいです。

今回使用したカメラ

OM SYSTEM Tough TG-7

防水15m、防塵、耐衝撃2.1m、耐荷重100kgf、耐低温-10℃、耐結露といったタフ性能で、海や山でのアウトドアでも安心して使用できる。専用防水プロテクターPT-059 は耐圧水深45mで、スキューバダイビングでの撮影が手軽に楽しめる。5つの水中撮影モードを搭載していて、中でもレンズ先端から1cmの至近距離まで寄れる「水中顕微鏡」モードを使えば、小さな海の生き物の拡大撮影が可能。アクセサリーも充実しているので、あらゆる水中シーンを捉えられる。

詳しい製品情報はこちら

ダイビングショップ NANA

本店(葉山)

本店(葉山)

三浦ブランチ ダイビングショップNANA BY the sea

三浦ブランチ ダイビングショップNANA BY the sea

三浦半島の葉山に本店、宮川湾周辺を潜るベースとなる三浦ブランチの2店舗を展開。カメラ初⼼者から上級者まで、それぞれのレベルに合わせた⽔中撮影の案内を⾏っている。「カメラを買ったけれど使い⽅が分からない」という⽅には、スタッフが基本的な撮影⽅法を丁寧にレクチャーしてくれる。またフォトセミナーも盛んに開催している。

今回は、神奈川県・三浦、葉山の海をガイドする上島 寿美恵さんに登場していただいた。
身近な海であっても、視点や撮り方を少し変えるだけで、作品の表情は大きく変わる。そのことをあらためて感じさせてくれる回となった。
これから上島さんがどんな水中写真を見せてくれるのか、とても楽しみだ。

Sponsored by OMデジタルソリューションズ
OMデジタルソリューションズは、オリンパスの映像事業を継承し、「人生にもっと冒険を」をブランドタグラインに掲げるOM SYSTEMブランドで、高い耐久性と機動性を兼ね備えたカメラシステムをはじめとする映像製品を展開。アウトドアや水中撮影で圧倒的なパフォーマンスを発揮し、ダイバーや自然写真愛好家が海や自然の魅力を鮮明に記録する体験を提供している。

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writer
PROFILE
大学時代に慶良間諸島でキャンプを行い、沖縄の海に魅せられる。卒業後、(株)水中造形センター入社。『マリンダイビング』、『海と島の旅』、『マリンフォト』編集部所属。モルディブ、タヒチ、セイシェル、ニューカレドニア、メキシコ、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、オーストラリアなどの海と島を取材。独立後はフリーランスの編集者・ライターとして、幅広いジャンルで活動を続けている。
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