台湾発フリーダイビングギア「LAZYFISH」を日本代表HANAKO氏が語る

2018年に誕生した台湾発のフリーダイビングギアブランド「LAZYFISH(レイジーフィッシュ)」をご存知だろうか。メカジキをブランドシンボルとし、独特の世界観やクールなデザインが目を引く新進気鋭なブランドだ。今回、このLAZYFISHのアンバサダー兼日本への販売代理店としても活動するフリーダイビング日本代表選手のHANAKO氏に話を伺いながら、まだ日本では広く知られていないLAZYFISHの魅力を紐解いていこうと思う。

ABOUT HANAKO
フリーダイビング日本代表選手。水中モデル。
幼少期から御蔵島のイルカと共に遊び、素潜りの素養を身につけ、深海への憧れに目覚めフリーダイビング競技を始める。国内外の大会で日本記録を樹立していき、2010年沖縄県で開催されたAIDA世界選手権団体戦では、日本史上初となる世界大会優勝を収める。その後も日本代表「人魚ジャパン」のメンバーとして出場し、チームは同大会で3度世界一の座に輝く。2023年世界最高峰のフリーダイビング大会(海洋競技)「Vertical Blue2023」では、LAZYFISHのフィンで水深90mへ潜り、日本新記録を更新。

LAZYFISH、ブランドの魅力と独自性

LAZYFISHは、2018年に台湾で誕生したフリーダイビング用ギアブランド。ブランドシンボルは、リラックスして自由に泳ぐ優雅さと瞬時に高速で泳ぎだす俊敏性を兼ね備えるメカジキだ。水中を優雅に舞うダンサーを彷彿とさせるこのメカジキの動きを、フリーダイビングの美と力の理想像として、LAZYFISHは今までにない独創の世界観やクールなデザイン、性能にこだわっている

LAZYFISHのアパレル商品のひとつ。背面にブランドシンボルであるメカジキがプリントされた長袖Tシャツ

LAZYFISHのアパレル商品のひとつ。背面にブランドシンボルであるメカジキがプリントされた長袖Tシャツ

ブランド名には、「LAZYFISHのフィンを使うことで、水中での抵抗をほとんど感じず、好きなだけ怠惰になれる。海での冒険を待ち望む、“決して怠け者にならない優美な強さ”」という精神が込められている。

水中で脱力し、怠惰になれる(Photo by Ian.graphy)

水中で脱力し、怠惰になれる(Photo by Ian.graphy)

また、ダイビングは“単なるスポーツではなく、生き方でもある”という信念も持つ同ブランドは、まだダイビングを知らない人もLAZYFISHというブランドと製品を通じてダイビングと出会い、海や自然に近づく体験となり、それが自己探求の旅となることも願っているという。台湾では、フィンや映像投影を用いてまるで水中にいるような空間を表現するインスタレーションで、多くの人のライフスタイルにダイビングを取り入れるきっかけづくりも行なっている。

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HANAKO氏とLAZYFISHとの出会い

編集部(以下、―――)はじめてLAZYFISHと出会ったのはいつでしょうか?

HANAKO氏

2018年5月、なんの前触れもなく「LAZYFISH」からアンバサダーについての連絡をいただきました。そのときに初めてLAZYFISHを知り、ブランドに対して抱いた正直な第一印象は「“LAZY”だなんて、私にピッタリかも」でした(笑)。連絡をいただいた後、たまたま台湾のフリーダイビングウェブメディア「女子的海(ミスオーシャン)」から日本人フリーダイビング選手として台湾でのイベントに招待していただいた時に、台湾でフリーダイビングが盛り上がってきていることを知る機会がありました。これをきっかけにLazyfishのフィンにも興味が湧いてきたので、まずはフィンを試したい旨を返信することにしたんです。

―――アンバサダーになることを即決したわけではなかったのですね。フィンを初めて試したときの感想を教えてください。

HANAKO氏

とにかく蹴り心地が軽いと感じました。今まで私は、足の力がしっかりフィンに伝わるような重めの蹴り心地で、ある程度の脚力を必要とするフィンを愛用していました。その蹴り心地に慣れていた分、そのギャップでLAZYFISHのフィンでの蹴り心地はすごく軽くて、非常に楽に蹴れている感覚で。
LAZYFISHのフィンを使って泳いだタイムをチェックすると、以前使っていたものとタイムは変わらず。疲労感が少なく、楽に速く泳ぐことができたので、試しに変えてみようと思いました。

国際舞台でも戦えるその性能

―――2018年から今もLAZYFISHを愛用されているのですね。使い始めて5年ほど経ったと思うのですが、性能をどのように評価されていますか?

HANAKO氏

性能は抜群だと感じています。

―――昨夏、世界最高峰のフリーダイビング大会(海洋競技)「Vertical Blue2023(以下、VB)」では、LAZYFISHのフィンで日本新記録も更新されていましたね!

HANAKO氏

バイフィン(2枚のフィンを片足ずつ着用するタイプ)での競技種目は2019年から新設されたので、ちょうどLAZYFISHのフィンを使い始めたころからバイフィンでの練習にも専念するようになったんです。VBでは、目標の一つであったバイフィンでの日本新記録更新(水深90m)を達成できて、フィンの性能が確かであることを証明できたと思います。しかし、まだ多くの世界トップクラスの選手たちが、名の知れたヨーロッパ製のブランドを愛用しているので、そことも勝負して世界と戦えるフィンであることを証明したいですね。次は、アジア記録(水深100m)を目指します。

VBでLAZYFISHのフィンとともに日本新記録を更新!(右がHANAKO氏、左はコーチの岡本美鈴氏)

VBでLAZYFISHのフィンとともに日本新記録を更新!(右がHANAKO氏、左はコーチの岡本美鈴氏)

LAZYFISHの3つの特徴

1、弾力性
ブレードには最高品質であるフランス製ピュアカーボンファイバー素材を使用し、独自のカーボンファイバー構造を採用。非常によくしなる弾力性が軽い蹴り心地を実現している。

2、Vカット
サーフボードに見られる「フレックスストリンガー(※)」のコンセプトを採用し、センターにカーボンファイバーが集中するような3D V-Cut構造となっている。フィンの重心を安定させることで、捉えた水を逃がさず、効率的にしっかりと水を捉えることを可能としている。
※ストリンガーとは、サーフボードのボードの中心にある芯のこと。ボードの強度を増すと同時に、しなりやすさをコントロールする役割を持っている。フレックスストリンガーはストリンガーの素材の一種で、サーフボードの場合は木製や繊維強化プラスチックなどで作られている。

3、26°
蹴り心地や推進力に影響する裏面の角度(フットポケットとブレード間)は、フリーダイビングトップ選手の意見を踏まえた改良・開発により「26°(MODEL AIR)」に設定され、究極のパフォーマンスと快適性を実現。

これらの特徴が備わっている背景には、フリーダイビングトップ選手の意見がかなり取り入れられていることが挙げられる。選手からのフィードバックにすぐに対応し、開発・改良を行っているのだ。アスリートの記録を伸ばすために、アスリートに寄り添って、一緒につくっていきたいという強い想いが感じられる。

HANAKO氏に聞いたLAZYFISHのフィン選びのすすめ

フィンにはさまざまな種類があり、選び方がわからないという方もいるだろう。そこで、実際にユーザーでもあるHANAKO氏にLAZYFISHのフィンを選ぶ際に抑えたいポイントを伺ってみた。

1、ブレードの長さ

HANAKO氏

LAZYFISHのフィンにはブレードの長さが76cmの「Pro」63cmの「Air」があります。どちらがいいか一概には言えませんが、大会に出場する選手は一蹴りで大きな推進力を生むProを使い、講習をするインストラクターやトレーニングをする選手は小回りがきくAirを使っている印象があります。ただ、Airで大会に出場し、記録を出している選手ももちろんいますので、自分のキックに合わせて選ぶのが良いかと思います。ちなみにAirだとスーツケースにも入るので、持ち運びも便利です。

左からLAZYFISH Pro 2.0 - Pure Black Carbon Fin、LAZYFISH Air 2.0 - Pure Black Carbon Fin

左からLAZYFISH Pro 2.0 – Pure Black Carbon Fin、LAZYFISH Air 2.0 – Pure Black Carbon Fin

2、ブレードの硬さ

HANAKO氏

ブレードの硬さはソフト、ミディアム、ハードの3種類から選ぶことができます。どの硬さを選ぶかは泳ぐ距離・時間や目指す水深、脚力、好みによっても変わってきます。強いて言えばソフトは、足の力を可能な限りセーブしながら推進力を得たいという方、脚力の弱い方や女性などは特に合っているフィンではないでしょうか。ミディアムやハードなどを選べば、しっかりと蹴っている感じを得たい方や脚力のある男性でも、自分に見合うものを選ぶことができます。
私は、プールと海の両方でソフトを使用して、海で深い水深から上がってくるときも、太ももに疲れを感じずに軽いキックで帰って来られるので自分には合っていると思います。また、LAZYFISHには私以外に3名の男性のアンバサダーがいるのですが、全員がソフトを使っています。
また、体重を参考に選ぶこともできますが、自分の力をフルに活かせるように実際に水中で試してみて感覚を確かめることをお勧めします。

3、フットポケットの種類

HANAKO氏

ブレードがどんなに良くても、自分の足に合わないフットポケットだと、100%の力を発揮できません。原動力となる足と、推進力を生み出すブレードを繋ぐフットポケットがもし大きくてブカブカしていたり、自分のキックに合わない重さだったりすると、足からブレードへと100%の力を伝えることができず、もったいないことになりかねません。だから、フットポケット選びはぜひ自分に最適なものを慎重に選んで欲しいですね。LAZYFISHではフットポケットを「PROBLUE(プロブルー)」と「PATHOS(パソス)」という2種類を用意していて、それぞれ幅や高さなどが微妙に異なります。

PROBLUE Asia Fit

PROBLUE Asia Fit

PATHOS European Fit

PATHOS European Fit

HANAKO氏が愛用するのはLAZYFISH Pro 2.0 - Pure Black Carbon。ブレードの硬さはソフト。フットポケットはPROBLUE。「最高」というステッカーは特別仕様

HANAKO氏が愛用するのはLAZYFISH Pro 2.0 – Pure Black Carbon。ブレードの硬さはソフト。フットポケットはPROBLUE。「最高」というステッカーは特別仕様

LAZYFISHの未来展望

―――最後にLAZYFISHは台湾発のダイビングギアブランドとして、これから日本でどのような存在になって欲しいと思いますか?

HANAKO氏

まだフリーダイビングを知らない人には、LAZYFISHのブランドコンセプトから入って海やフリーダイビングを知ってもらえたら嬉しいです。そして、フリーダイビングを通して純粋に海を楽しみたい方にとっては、LAZYFISHを通じてライフスタイルをより充実させることができると思いますし、特に記録を狙う選手にとっては自己記録を上回れるだけの性能があると自信を持って言えます。記録を狙う多くの選手に使ってもらいたいです。

―――HANAKOさん、ありがとうございました。LAZYFISHでの今後のご活躍も楽しみにしています!

フリーダイビング競技において、フィンは競技の成績にも影響する大事なパートナー。LAZYFISHには国際舞台でも戦えるほどの性能があるが、自分の足に合うかどうかは実際に試してみないとわからないところもある。最高のフィンと出会えるよう、フィンの体験会などで試着してみてから購入を検討してみてもいいかもしれない。

体験会について

LAZYFISHのフィンの体験会では、すべてのフィンを試すことができる。自分に合うものが見つかるよう、HANAKO氏にアドバイスをもらいながら、試せる絶好のチャンスだ。体験会の日時については、決定次第HANAKO氏のSNSにてお知らせ。
▶︎HANAKO氏Instagram

奄美大島での体験会の様子

奄美大島での体験会の様子

購入はこちらから

▶︎製品ページ
今なら限定で製品購入時に「hanako-2324 」というクーポンコードを入力すれば5%オフで購入可能。また、購入に際して質問などがあれば、HANAKO氏のSNSなどで対応中。
※パッケージには再利用可能素材を使用。売上の1%は環境保全プロジェクトに寄付されます。

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PROFILE
0歳~22歳まで水泳に没頭し、日本選手権入賞や国際大会出場。新卒で電子部品メーカー(広報室)に入社。同時にダイビングも始める。次第に海やダイビングに対しての想いが強くなりすぎたため、2021年にオーシャナに転職。ライターとして、全国各地の海へ取材に行く傍ら、フリーダイビングにゼロから挑戦。1年で日本代表となり世界選手権に出場。現在はスキンダイビングインストラクターとしてマリンアクティビティツアーやスキンダイビングレッスンを開催。
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