レギュレーターから変な音がする原因とは

この記事は約2分で読めます。

バディが予備の呼吸源をくわえさせて、空気をあげる

Q.
レギュレーターのファーストステージから音がするキーンキーンと音がするのですが、大丈夫でしょうか?

A.
ご質問者がおっしゃるように、レギュレーターの1stステージから金属音が鳴る現象は意外とある相談です。

ダイビング中に急にこんな音がしたら不安ですよね。
ご自身で気が付いて心配して大丈夫かと聞いてこられる方、またご自身では気付いていない中、一緒に潜ったバディやインストラクターに指摘されて問い合わせてこられることがあります。

正常に作動していて鳴る金属音は、使用に際しては問題ありません。
そのままご使用していただいていいのですが、ただ、それによってストレスを感じるようであれば、原因追求をして処置を施すことが必要かと思います。

原因は一つに限定することはできません。
微妙な中圧の調整により、金属音が消えることがあります。
中圧をずらしても消えず、部品交換を要することがあります。

今回は、1stステージ内のスプリングの変形によって金属音が鳴っていたという事例をご紹介します。

これがそのスプリング。
変形しているのですが、パッと見てわかりますか?

器材のスプリング(オーバーホール)

変形したスプリング

わかりにくいと思いますので、わかりやすいように、ラインを書いた紙とプレートを使用します。

器材のスプリング(オーバーホール)

指標を使用したスプリング

スプリングの上にのせたプレートと背景のラインの間隔が一定ではなく、斜めに傾いているのがわかりますでしょうか?

このスプリングの変形が金属音を引き起こす原因となっていました。
新品スプリングを交換すれば解消されました。

下画像のように、明らかに目で見て傾斜しているとわかるスプリングであれば、誰でも簡単に原因を見抜くことができると思いますが、今回ダメだったスプリングはパッと見では変形がわかりづらく、熟練した作業者でなければ原因を見抜くことは困難だと思います。

器材のスプリング(オーバーホール)

傾斜しているスプリング

先日、別の器材で同じように1stステージから金属音が鳴っているレギュレーターの持ち主であるダイバーの方が潜りに行かれた際、インストラクターに「グリスを塗れば治る」と言われたそうですが、グリスを塗っても1stステージの金属音は鳴り止みませんのであしからず…。

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PROFILE
大学在学中、グアムで体験ダイビングをしたのを機にライセンスを取り、卒業と同時にダイビングの会社に就職。
その後、数店舗の都市型ダイビングショップで、スクールや器材販売、ツアーの企画・引率をし、2000年にインストラクターに。

数メーカーのメンテナンス講習を受けた後、ダイビング器材オーバーホール専門店「アイバディ」に10年間勤務。
現在はフリーインストラクターとして活動する傍ら、ダイビング器材・オーバーホールについて執筆活動中。

「器材の中身は見えない。だから伝えねばならない」がモットー。

ダイビング器材の中身は見えない。だから伝えねばならない~オーバーホールの現場から~ | オーシャナ
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