あれから2年。3.11、南三陸町・歌津の海から。~「TSUNAGARI」三回忌供養~
未曾有の大震災から2周年。
3月10、11日の2日間、南三陸町・歌津(うたつ)では、ボランティア団体TSUNAGARI主催で三回忌供養が開催されました。
南三陸町の志津川から歌津へ向かう道中。
もちろん、道が開通したり、瓦礫が撤去されたりと復興も進んでいますが、2年経った今も変わらない傷跡もそこかしこで見られます。
今回のイベント。
参加者は10日およそ120人、11日およそ100人と、2日間で延べ200人を超え、主催者も驚くほどのボランティアが集まりました。
TSUNAGARI代表のかっつんこと勝又三成さんがダイバーで、水中瓦礫撤去やファンダイビングに積極的であることから、ダイバーも大勢参加!
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午前中は数グループに分かれてボランティア活動です。
地元の学生を中心としたグループはビーチクリーンアップ。
「大部分は防波堤になってしまうんですけど、一部だけでも昔みたいに泳げるようなったら嬉しい」という地元ボランティア「シーモンキー」を中心に、震災で壊滅してしまった長須賀海水浴場の再生活動の一環として、毎週土曜日ビーチクリーンアップが行なわれています。
ダイバーチームはワカメの芯抜きのお手伝い。
「とても楽しく、『こうやって作るんだ~』と良い経験ができました。でも、3時間と決まっていたからできたことで、毎日の仕事だとしたら大変なお仕事ですよね」
と女性ダイバー。
側溝の掘り起こしチームと瓦礫の仕分けチームは、遺品などを探し、家族のもとへ戻すことが目的です。
さすがに丸2年も経った今や、何も見つからないかもと思っていた人も多かった中、なんと、人骨らしきものが2つと写真や身分証明書などが出てきて、
「心が温かい人たちと一緒に作業ができてとても充実した時間となりました」
「少しはお役に立てたかと思うと嬉しいです」
と皆大喜びとなりました。
14時46分。黙とうと献花で悼む
午後は供養の時間。
そして、大津波がすべてを飲み込んだ14時46分。
響き渡るサイレンに合わせ、黙とうの後、海に献花が捧げられました。
薄れゆく記憶。思い。
まだまだ終わらない復興への決意を新たにした1日となりました。
オーシャナは2013年も復興の活動を海から見続けていきます。
TSUNAGARI代表・勝又三成さんに聞きました!
Q.なぜ、このイベントを行なおうと思ったのでしょうか?
最初は、ほとんど思い付きのような形でやってみたんです。
すると、昨年は側溝から財布が出てきて、それを娘さんに返したところ、「初めての遺品です」と涙を流して喜んでくれたんです。
その姿を見て、力になれている実感を得て、今年もぜひやりたいと当然のように思いました。
Q.これからはどのような活動が求められているのでしょうか?
ひと言では言えません。
とにかく地元の方と協力して、その時に力になれることを見つけてやっていきたいと思います。
ただ、これまでに足りないものを埋めるだけでなく、観光客に来ていただいたり、子供たちの遊び場所を提供したり、子供たちが憧れるような仕事を作っていきたいです。
Q.ダイバーにできることは?
これまで、水中瓦礫撤去など、ダイバーたちが漁師たちのお手伝いをしていただいたことにより、今、とてもダイバーに対する見方は良好です。
ダイビングやマンボウスイムなど、ダイバーたちが遊べる環境も作れるチャンスなので、僕もダイバーですから、やっていきたいと思います。
また、先程かっこいい仕事と言いましたが、インストラクターなんてものカッコイイと思います。
それに、ダイバーが身近になったことにより、漁師の中にも潜ってみたいという人が結構多いんです。
ですので、6月にはインストラクターさんに協力いただき、Cカード講習会を開きたいと考えていますので、皆さん、よろしくお願いします!