ダメだし和尚 @西表島

〜カメラマンへの道〜

早朝、とてつもない豪雨の音で目が覚めたが、
何とか雨もあがって出発。テーマはもちろん、カメラマンへの道。


カメラたちも円陣組んでやる気満々


三人で一眼レフカメラ6台

まずは、初日は何も聞かずに試行錯誤で撮ってみて、
そんなわしをマル殿に観察してもらって改善点を聞くことに。

ということで、とりあえずバシバシ撮ってみる。

1日を終えて、マル殿にダメなところを聞いてみると……

  というか、持っているカメラ自体をまったく把握していなかったり、
  カメラマンとしての立ち振る舞いなど、根本的にすべてダメ。
  『カメラマンになれそう』とか言ってたけど、とりあえず全国のカメラマンに謝れ(笑)

メンゴ!

■カメラの扱いが雑

  まず、カメラの扱いが雑過ぎる。商売道具に何かあったら商売あがったり。
  精密機械だと思ってもっとデリケードに扱わなくちゃ

確かに、一度カメラを床に落としたし、
ハウジングを開けるとき、髪から水滴が落ちたりしたからのう……。以後、気をつける!


何気なくイスの上にカメラを置く和尚。この後、カメラが落ちる……

 
カメラ専用の棚に置くとか、フィンを敷いて衝撃を和らげるとか

■カメラは多ければいいってもんじゃない

  和尚はさ、水中にいっぱいカメラを持っていきたがるけど、
  ほとんど使っていなくてただの重りになっていたよね。
  作品をしっかり撮りたいなら目的に合わせたカメラを持っていくべき。

だって、カメラがいっぱい持っていると何だかカッコいいから……。
「あの人すご〜い」みたいな。それに、いろんなレンズがあった方が、
いろんな状況を撮れるのでいいのかな〜と。

じゃが、マル殿が言うように、自分のマクロとワイド、
そしてソガッペに借りたズームで完璧だと思って潜ったが邪魔……。
それに、水中で何を撮るか悩んでしまう。

  決められた時間内に、編集者の要望に応えつつ、
  ある程度の全体像を撮らなければならない雑誌なんかの仕事では、
  2台持ち込んで何でも撮れる態勢にするけど、作品を撮る時は、
  テーマを決め、撮るものを絞って潜った方がいいよ。
  限られた中ですべてで平均点以上目指すか、1つでも高得点をとるか。
  和尚は後者でいいんじゃない?

いや、わしのカメラマンのイメージは芸術家ではなく職人。
だから、何でも撮れるようになりたい。
まあ、それでも3台あると撮影の邪魔になるので2台でいいかもな……。


マクロとワイドのカメラを船上に持ち込んでいるが、
潜る時は状況に合わせてカメラを選んでいるソガッペ


とにかくカメラをいっぱい持って行きたがる和尚。
ソガッペのも借りて最大3台持って「わし、カメラマンっぽいかも!」とご満悦

  あと、和尚はお買いもので荷物を持たされている人みたいに
  手持ちでカメラを持ってたけど、数台持って潜るなら、
  カメラを体に固定できる工夫が必要だよ。


マル・カメラマンは巨大カラビナでカメラを引っかけられるようにしてある

■まったく被写体に粘らない

  和尚の、数枚さっさと撮ってすぐに移動するスタイル、あれありえない。
  せっかく被写体が逃げない環境なら、設定をあれこれ変えたり、
  いろんな角度で撮ってみたりと、最高の写真を目指すべき。

あっちへこっちへフラフラと……。
 →
「あれも撮りたい、これも撮りたい」とマクロからワイドまで、
さっさと撮っては、せわしなく動く和尚

ん? まだ撮ってんの?
 →
被写体を定めたら、納得いくまで撮影するソガッペ

■すぐにあきらめる。レンズのことを何にも考えていない

  まずさ、レンズいっぱい持ってきているのに、
  何でいつもフィッシュアイなの?

※フィッシュアイ……別名、魚眼レンズと呼ばれ、180度近い広い画角を持つ。
歪曲して写る特徴があり、奥行きがあって迫力のある写真が撮れる

だって、ワイドは一番広い方がいいではないか。
なんか、フィッシュアイの写真かっこいいし。

  フィッシュアイはハマれば最強だけど、決まる条件が限られている。
  まずは、寄れるかどうかが最大の問題。
  今回、バラクーダやマグロが出ると聞いていたのに、
  和尚は何も考えずにフィッシュアイ持っていってたでしょ?

まあ、寄れるかな〜って……。

  和尚が思っている以上にフィッシュアイは寄らないと絵にならない。
  だからフィッシュアイを持ち込むなら、とにかく寄る努力をしなくちゃなのに、
  すぐにあきらめちゃう。バラクーダのときなんか、
  ソガッペにタンク押されて泳がせてもらって、せっかく俺より寄ってたのに、
  できた写真は結構

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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