アートで向き合う海ごみ問題@渋谷・elephant STUDIO

環境問題をモチーフとして、様々なメディアで作品展示やアートプロジェクトを展開するアーティストの藤元明さんがこの度、個展「海ごみのあと / Trace of Marine Debris」を渋谷・elephant STUDIOにて開催する。‟海ごみ”という途方もない問いにどのように向き合うかを表現したという本個展に足を運べば、アーティストの目線を通じて日常のヒントやインスピレーションが浮かぶきっかけになるかもしれない。

海の映像と実際のゴミを用いた作品を展示

個展には、藤元さん自ら海岸や海上に足を運んで撮影した映像と、採取した海ごみやその再生素材を用いた作品が展示される。

その中でも、2020年10月にJAMSTECの海洋調査船に乗船し、海ごみ調査の現場に立ち会った体験から生まれた映像作品『Fountain#Neustonplastics(ファウンテン ニューストンプラスティックス)』は、海を活動のフィールドとするダイバーにとって身近に感じる作品かもしれない。

海ごみのあと

《Fountain#Neustonplastics》作品一例

本作は、ごく微細なプラスチックごみが流入していると言われる海面の映像を湧き出る泉のように表現しており、私たちの目には確認できないマイクロプラスチックの存在を想起させているという。

映像作品『Fountain#Neustonplastics』について

「Neustonplastics 」は、アメンボなど水面で生活する生物を意味するNeuston(水表生物)と、Microplastics を合わせた造語である。船上から見渡す海面には海ごみは見当たらない。しかし船から“Neuston net”を下ろし、20 分ほど曳航し海表をすくうと小さなプラスチック片が少量採れる。どこですくっても必ず採れるのである。この海は薄くマイクロプラスチックに覆われているのではないだろうかと思うほど。

様々な表情を見せる海面の映像には見えないマイクロプラスチックが必ず写っている。マイクロプラスチックは陸から海へと流れ出し、経年劣化で沈降して回収不可能ではあるが、消えて無くなることはない。

Fountain シリーズは、上下左右の鏡像に構成された映像で、画面の中央から四方へ流れ続ける。作品のテーマとなる都市や自然の情景が懇々と湧き上がる泉と見立てている。その泉は、我々が途方もないエネルギーを集合させ湧かせているのである。

「関心」という希望の光で「絶望」に向き合う

海ごみのあと

また、藤元さんは、「安くて便利」を求める私たちの欲望と地続きにある解決できない環境問題と、SDGsやサスティナビリティすらも形骸化してしまう現状を「悪者のいない絶望」と呼び、その先の価値観を探ってきたという。

個展は、それらの絶望に対したくさんの協力者と共に向き合い、海ごみの「痕跡としてのあと」と「事後としてのあと」をコンセプト展開される。その一例である、漁網を価値のあるものとして生まれ変わらせるプロジェクトとして、アイウエアブランドのJINS、廃漁網のリサイクルに取り組むリファインバースと協業し、宮城県の漁網を100%活用して作られた添加剤不使用のサングラスも展示される。

海ごみのあと

ポップかつ明快な藤元さんの表現は、様々なレイヤーでわたしたちの意識を開き、「関心」という小さいけれども重要な気持ちを心に抱くきっかけを与えてくれるのだ。

藤元明個展「海ごみのあと/ Trace of Marine Debris」

期 間 : 2021年5月5日(水) – 2021年5月16日(日) 12:00 -19:00
会 場 :elephant STUDIO 1F/ 2F 東京都渋谷区渋谷2-7-4
エントランスフィー: ¥500から⾃⾝で⾦額を決定するドネーションシステム
※500円をミニマムに入場料を自身で決定し、それが若手アーティスト支援のためのドネーションとなるシステム。2021年12月に開催される未来を担う若手アーティストに発表の場を提供し、サポートすることを目的としたアートコンペティションに寄付される。
※2021/05/09のみエントランス無料

チケット申し込みは下記リンクから。
https://artsticker.app/share/events/detail/526 

お問い合わせ:info@watowa.jp
WEB SITE: http://www.watowa.jp/news/index.html
Instagram: @watowagallery

協力会社:
JAMSTEC (海洋研究開発機構 http://www.jamstec.go.jp/j/ )
ANREALAGE (株式会社アンリアレイジ https://www.anrealage.com/ )
REFINVERSE ( リファインバース株式会社 https://www.r-inverse.com/ )
Orchid (株式会社 オーキッド https://www.orchid.factory-shop.info/ )
JINS (株式会社ジンズ https://www.jins.com/jp/ )

藤元明|アーティスト

藤元明

1975年東京生まれ。東京藝術大学美術学部大学院デザイン専攻修了。FABRICA(イタリア)に在籍後、東京藝術大学先端芸術表現科助手を経てアーティストとして国内外で活動。社会現象や環境問題をモチーフとして、様々なメディアで作品展示やアートプロジェクトを展開。主な活動に「NEW RECYCLE®」「2021」、原爆や戦争など社会的喪失の記憶をテーマにした国際的プロジェクト「FUTURE MEMORY」など。主な展覧会に「ソノ アイダ#COVID-19」「TOKYO 2021」「陸のうみごみ」など。2015年より開始した都市の余白を活用する「ソノ アイダ」プロジェクトは現在も様々な形で進化している。

https://vimeo.com/akirafujimoto
https://www.1future.jp
https://www.tokyo2021.jp
https://sonoaida.jp

本個展をプロデュースした「WATOWA GALLERY」

WATOWA GALLERY

WATOWA GALLERYは、現在の⽇本のストリートカルチャーやファッション、あるいは独創的かつ先進的なテクノロジーやジャパニーズフィロソフィーを取り⼊れた新しい感性を持つ若⼿の作家を中⼼に、アート・コミュニケーションの場を提供するアートプロジェクトプロデュース集団です。WATOWA GALLERYでは、アートがファッションのように親しみやすいカルチャーとなり、ひとりひとりのライフスタイルに溶け込む社会を拓くため、新しい感覚のエキシビションや、アートプロジェクトのプロデュース・演出を⾏い、アートに触れるタッチポイントを拡⼤します。

現在も国内外で評価されている主要なアートムーブメントの多くは、ミュージアムの外で、そして多様なジャンルのアーティストと⽀援者との交流によって⽣まれています。わたしたちは特定のアートスペースを持たず、あらゆる空間をギャラリーと捉え、アートをミュージアムからコミュニティへ、都市へ、住空間へ開放し、ミュージアムの外からさまざまな分野のプロフェッショナルと横断的なアートプロジェクトを発信します。さらに、⽇本の若⼿アーティストの活躍と⽇本の若⼿コレクターの参⼊をサポートし、アーティストと⽀援者の交流を促進します。

WATOWA GALLERYを媒介とした新しいコミュニケーションやコミュニティによって、次の時代のアートシーンを創造し、市場の活性化を⽬指します。
URL: www.watowa.jp/news/index.html
Instagram: @watowagallery

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海とスキューバダイビングの総合サイト・オーシャナ、つまりこのサイトの編集部です。

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